Hello Sleepwalkers、自身も嫉妬する実験の集大成が完成
INTERVIEW

Hello Sleepwalkers、自身も嫉妬する実験の集大成が完成


記者:村上順一

撮影:

掲載:16年03月23日

読了時間:約12分

これは何語でもないですね(笑)

Vo&Gtのシュンタロウ

Vo&Gtのシュンタロウ

――アルバム1曲目の「レトリック」というタイトルの意味は?

 置き換えて弁論する技法のことです。言葉の言い換えですね。

――この曲の歌は、詞がなかったのですが、どこの国の言葉で歌っているんですか。

 これはどこの国の言葉でもないですね(笑)。僕の造語です。もちろん言葉の意味もなくて響きありきで作りました。実はこの曲、バンドで演奏しようとは最初は全く思っていなかったんです。楽曲自体もAメロ、Bメロ、サビみたいな普通の構成の曲にしようと思っていたんですよ。だけど、出来てきた他の曲を聴いて改めて聴き直してみたら、1曲目としてインストにしたらカッコ良いんじゃないかなと思ってこういう形になりました。

――となるとライブでもオープニングでの演奏を期待してしまいますが。

 ライブではどうしようかな(笑)。まだセットリスト(編注=5月から始まる全国ツアー『Planless Perfection』)は決まってないんですよね。でも、ライブでは演奏すると思います。

――アルバムのリードトラックである「神話崩壊」は、Sound Cloud(編注=ドイツの音楽共有サービス)にデモをアップしていた楽曲ですよね。デモから大きく変わったところは具体的にはどの辺りですか。

 「神話崩壊」は、もともと曲がエキゾチックで暗めの曲だったんですよ。リード曲にするんだったらもっと伝わりやすい形にしようということで、ちょっとだけリズムを変えたりはしましたね。あとはシンセサイザーの入り方とか、サビのコーラス感もデモと変わりました。

――そこには共同プロデューサーであるColin Brittainさん(コリン・ブリテン、米国の新進気鋭プロデューサー)のアイデアも結構入っていますか。

 そうですね。僕らがアレンジを変えた後にコリンが弄ったので、それで印象は変わりましたね。

――コリンさんとはどのようなやり取りで進めていった?

 今回は僕らが日本で録った音源を、コリンにミックスダウンしてもらうという流れですね。なので、基本的にはミックスとアレンジです。共作の「EYES TO THE SKIES」は制作の段階から一緒に関わったんです。

――だから日本語と英語のバランスが面白いんですね。

 そうそう(笑)。確かレコーディングの当日に、そこだけ歌詞がまだあやふやだったんです。「ここどうするの?」とコリンに聞いたら、「ここにカッコいい歌詞が書けないから、日本語で書いて」と言われて(笑)。でも、ここだけ日本語というのもどうなんだろうと思ったんですけど、これが意外とハマって。歌詞の内容も結構攻めていますね。

――以前はリチャード・アーチャーさんと作業していましたが、コリンさんとの大きな違いは?

 やっぱり音の全体的な質感が違いますね、歌の出し方とか。コリンは結構高い音域の音を出してくるんですよ。あとリチャード・アーチャーの時はディレクターを通して連絡を取っていて、直接のやりとりはしなかったんです。でも、今回は僕がコリンに直接メールを打ってやりとりしたので、話が早かったです。あと、リチャードは結構大胆に、セクションを入れ替えたりとかしてくるんですけど、コリンは要所要所の“キメ”のシンセとかボーカルのエフェクトとかを入れていました。「神話崩壊」のエフェクティブなドラムとかは、コリンのアイデアですね。

――直接メールのやり取りをされていたということですが、英語は得意なんですか?

 簡単な英語くらいだったら喋れますね。大学が英語の学科だったので。今回は直接、コリンとやりとりすることになって、初めて大学で学んだことが役に立ちましたね(笑)

――メンバーでほかに英語が話せる方はいますか。

 タソコ(Gt)が同じ大学の学科だったので、僕と同じくらいは出来ますよ。コリンのメールを転送しても理解するんで作業が早かったですね。

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