男女ツインボーカル&トリプルギターの5人組ロックバンド、Hello Sleepwalkersが、前作『Liquid Soul and Solid Blood』から約1年半ぶりとなるアルバム『Planless Perfection』を23日にリリースした。2015年は、五重奏の実験室と銘打ったツアー『Quintet Laboratory』を「Phase 1」「Phase 2」と分けて実施、5人で演奏することの意義を再確認した。そのツアーでも演奏されていた「夜明け」や「2xxx」を収録したのが今作の『Planless Perfection』。満を持して完成した。あえて計画性を省き、進んだ先々で選んだ音の数々は結果的に、新たなHello Sleepwalkersの顔を覗かせた。無地のキャンパスに絵の具を叩き散らすかのように作られたそれら楽曲はまさに、彼らの挑戦の証であり、血潮である。周囲からすれば複雑怪奇な音構成だが、本人は至って普通。この芸術性はどこからくるのか。同作を通じて、バンドでもメインコンポーザーであるシュンタロウ(Vo&Gt)に音作りや考え方などについて話を聞いた。
計画性のないところから始まった『Planless Perfection』
――昨年は『Quintet Laboratory』など、ライブに重きを置いていましたが、なぜライブ主体の1年になったのですか。
昨年はリリースがなくて。それは、僕らがライブをしたかったというのが一番の理由なんです。リリースがない中で、どうしたらライブが面白くなるかとか、それが「実験」に繋がっていきました。新曲やインスト、更にアコースティックだったり、普段は僕たちがあまりやってこなかったことに挑戦したら、ライブが面白くなるんじゃないかなと思ったんです。
――ツアー『Quintet Laboratory』で、ニューアルバム『Planless Perfection』に収録されている「夜明け」を演奏されていました。そのライブのMCで、「なかなか曲が出来なくて」という話をされていましたが、その時は具体的にはどういった心境だったのですか。
曲が書けなくて、ふと深夜3時くらいに「夜明け」の歌詞に出てくるような無力感を抱いてしまって、「どこにも行けずに」という歌詞の通り、もう机の前に向かって、その気持ちを曲にすることでそこから抜け出したいという思いでした。
――その時は全く曲が書けないという感じ?
いや、曲はいくつか出来ていたんですけど、全体像が見えていなかった。アルバムを作ろうという話にはなっていたんですけど、どの曲を入れようというのも全く決まっていない不安定な状態でした。
――その一連の流れで『Planless Perfection』(直訳=計画性のない完成系)というタイトルになったのですか。
そうですね。計画性のないところから始まったからなんです。全くの白紙の状態から、新しいHello Sleepwalkersを提示するために楽曲を作っていって、出来た完成系が今回のアルバムなんです。なので、それをタイトルにそのまま付けました。
――アルバムタイトルは制作中のどの辺りから考えていたんですか。
タイトルはほとんど楽曲を作り終えてからですね。候補は2つ3つあったのですが、「Planless」という響きがいいなという話になって、無計画から作ったけど、こんな素晴らしい完成系になったというところからですね。
――ちなみにタイトル候補にはどんなのが?
あまり覚えてないんですけど、確か『Perfect~』というのがありましたね。でも、それだと自己評価しすぎかなと。そこに「Planless」がきてしっくりきたという感じです。