みみめめMIMI、アツい空気をかき分け

「視聴覚アカデミーVol.4」

「視聴覚アカデミーVol.4」

 そしてその熱い空気を引き継いで、いよいよみみめめMIMIの登場となった。ちゃもーいの描くファンタジックな世界いっぱいの導入アニメーションを背景に、ユキはステージに現れた。アニメーション『機動戦士ガンダム』に登場する衣装を彷彿させるデザインをあしらった、黒を基調としたコスチュームで登場したユキは、これまでステージで見せていたポップで明るいスタイルのコスチュームとはやや雰囲気の異なる、シックな雰囲気すら感じさせてた。

 「兎ナミダ」「CANDY MAGIC」と、春にぴったりなポップでキュートなメロディが、ステージのスタートを華やかに演出する。観衆を見つめるユキの目は嬉しそうな表情を見せていたが、切なさも感じさせるその歌の詞を歌う姿には、情感をたっぷり込めている様子も見えてくる。そんな彼女のステージに合わせて、フロアではあちこちでサイリウムの光が飛び交う。

 この日はピアノの独奏による「ミッディ」も披露。シングル「CANDY MAGIC」にカップリングされた「サヨナラ嘘ツキ」のピアノバージョンなど、折りに触れてピアノでの演奏にこだわりを見せる向きも見られるユキのプレー。シンプルなピアノの響きと、メロディとの関係を耳で追っていくと、彼女の作った曲が単にアレンジに依存したものではない、メロディとハーモニーを独自の世界観でしっかりと練り上げられたものであることがよく分かる。

髪を振り乱し

「視聴覚アカデミーVol.4」

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 さらに時には髪を振り乱しながら、楽しさいっぱいのステージに活気を与えるユキ。そのステージからはある意味、彼女には「ロックミュージシャン」のようなアクティブな一面もあるように感じられる。

 後半はユキの「みなさん、もっと声を出していけますか!? 盛り上がっていけますか!?」という呼びかけとともに、さらに熱気を帯びたステージに。昨年リリースされたシングル「天手古舞」そして今年頭にリリースされた「チャチャチャ」と、はじけるようなナンバーが披露された。その会場の明るさ、雰囲気にずっと笑顔でいたユキだったが、間に挟みこまれた「相対性レプリカ」「サヨナラ嘘ツキ」では、その曲に込めた思いをさらけ出すように、表情まで情感を込め、文字どおり「熱唱」を続ける。

 そしてラスト「チャチャチャ」では、会場全体が一体になるコール&レスポンスをしっかりと決め、会場は大盛り上がり。楽しさと興奮がたっぷりのステージに、観衆からは大歓声と拍手喝さい。その声に見送られながら、ユキはステージを降りた。

fhanaとセッション

「視聴覚アカデミーVol.4」

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 盛大なアンコールを受け、再びステージに現れたみみめめMIMIの面々。さらに『視聴覚アカデミー』の恒例として、再びfhanaのメンバーを呼び出しセッションへ。セッション曲に選んだのは、前回に引き続いてロックバンドUNISON SQUARE GARDENの曲だ。

 まさにこの日にふさわしい「桜のあと(all quartets lead to the?)」で、巧みな演奏力を見せるfhanaと、エモーショナルなユキの歌が絶妙に交差し、この日一番の盛り上がりを見せながら、イベントは幕を下ろした。

 この日ユキは、7月に初の東名阪ツアー『みみめめMIMI LIVE TOUR 2016』を行うことを発表した。この日のステージで見せた彼女の情感たっぷりの歌はそのツアーを、そしてその先さらなる躍進を予感させるものだ。今回はfhanaとの共演でさらに厚みをました「アカデミー」というその真意。次回はどんな対バンが待っているのか? 興味は尽きないところだ。(取材・桂 伸也)

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