SEAMO&AZU、大人遊び満載の“禁断”ツアー完遂 過激に妖艶に
大人遊び満載のツアーにドギマギ(撮影・杉田 真)
SEAMOとAZUによるスペシャルユニット「SEAMO & AZU」が、アルバム『THE SAME AS YOU』(2月3日発売)を引っ提げ、2月から全国ツアー『SEAMO AZU 全国ツアーサーキット~SUPER LIVE BROTHERS~』を展開。去る3月30日には、大阪・なんばHatchでファイナルを迎えた。男女の掛け合いをヒップホップに載せた今作。それをステージ上で体現するかのような今回のツアーは大人遊び満載の内容だった。収録曲のなかには官能小説のような描写もある。アルバムを聴いてイメージを膨らませ、それをショウとして観る、二重の味わいがそこにあった。今回は3月26日におこなわれた赤坂BLITZの模様を以下にレポートする。
AZUのニヤリが形に
インタビューで「かなり過激。18禁だね」と、AZUがにやりと表情を浮かべ語っていた、期待通りの内容だった。SEAMOとAZUそれぞれソロによる“正統派”楽曲を挟みながら、エロく過激に、そしてユーモア且つ社会性を織り交ぜた多彩な描写をヒップホップに載せた。それらの楽しみは、ライブ前から既に始まっていた。ツアータイトルにかけて、マリオブラザーズの音楽が流れる。懐かしのゲーム音楽に心を躍らせ、それがサンダーバード(編注=60年代に英国で放映された人形劇)の発射カウント「3、2、1」にとって代わると期待が一気に膨らんだ。溜め込んだものを吐き出すかのように、今ツアーのテーマ曲ともいえる「SUPER LIVE BROTHERS」の音色が響いた。
「お待たせしました」と言いながらステージ両脇から2人が登場した。SEAMOは「やってきたぜ! 赤坂!」と煽る。ゆったりとしたリズムに載せて、AZUも「いくぜ!」と元気良く叫ぶ。挨拶代わりの言葉が飛び交い、そのまま本編、2曲目へと流れる。この22曲目は、同アルバムの3曲目に収録の「She is mine」。束縛する彼氏と葛藤する彼女の心模様を描いた楽曲だ。SEAMOは「女子の心は全部SEAMOのものだせ!」と言ってAZUに金色の首輪をかける。軽快なラップをみせるSEAMOは楽曲の世界観のごとく意気揚々。対照的にAZUは女性の心の葛藤を伸びやかで力強い歌声で表現した。
目まぐるしく入れ変わる攻守。今度はAZUが攻めに回る。お色気ムンムンの糸を引くような粘り気のある声で「これが似合うのは私ぐらいね」と、首輪を外して逆にSEAMOの首にかける。おどおどした口調で「AZU先生!」と連呼。そのまま「おねがい!AZU子先生」へと移った。
序盤から繰り出された“ショウ”に観客も拍手喝采。その大歓迎を受けてSEAMOとAZUが挨拶する。「満員御礼を頂いております」という切り口から始まり、ところどころ下ネタも挟んで「SEAMO & AZUとしては初体験のライブ。初体験同士仲良く」と告げる。そして、それぞれDJプレイヤーとダンサーを紹介した。
「1曲かましたいと思います」とSEAMOが語ってステージに呼び込んだのはレオリ in あぬえぬえ∞ぶれいん。ブラックミュージック色が濃くなる「あひるGOD」を3人で歌い上げた。あひるをもったSEAMOとレオリによる高速ラップの掛け合いは観客の心を弾ませる。その反面、やっている仕草はとてもキュート。AZUは大型のあひるに乗ってステージ脇から登場。あひるのおもちゃを持った観客からはその鳴き声が送られた。