限界を超えた過酷、ワンカット撮影
――「風を待つ」のMVの話を聞きたいと思いますが、コンテンポラリーダンスに初挑戦したということで、石田さんはダンスをやっていたんですよね。
石田千穂 普通に歌って踊って、という感じの習い事をしていました。アイドル系のダンスなんですよ。だから今回のコンテンポラリーダンスはすごくて!
――すごいですよね。みなさんはMVの撮影を振り返っていかがでしたか?
瀧野由美子 やっぱりワンカットだから、一回全部を通しでやるのが大変というか、広島県尾道の階段の多い場所で走って踊ってというのが大変でした。ワンカットなので全員が全部映っている訳ではなくて、色々「この子が映っている間に走って」とかあるんですけど、映っていない場面でもみんな全速力で走らないと間に合わなかったり、そういう場面がたくさんあったんです。そこは凄く苦労しました。
――何テイクくらいかかりましたか?
瀧野由美子 2日間で10テイク撮って、9テイク目が採用されました。
――階段でつまずいたのは誰ですか?
瀧野由美子 岡田(奈々)さんです(笑)。でも奈々さんだけじゃなくて、あのテイク以外でもけっこうみんなコケてたり、カメラに映ってないけどコケている子はいました。あの日は雨が降っていたんですよ。けっこう滑りやすくなっていて。
――だから路面が濡れていたんですね。岩田さんはどうでした?
岩田陽菜 ダンスが本当に難しいなかで階段を駆け上がるというのは…。私はSTU48に入るまで運動を一切していなくて運動音痴だったんですよ。走るのも遅いし体力もないので、本当にこの撮影は私向いてないと思って(笑)。でも「やるしかない」と思って、撮影が1つ終わる毎に「ハァハァ…」って。酸素ボンベがずっと必要な状態で。
――実際に吸ってたんですか?
岩田陽菜 はい。本当に必要で、体力の限界まで頑張った作品です! でもメチャクチャ達成感があって、メンバーと支え合ったのと自分の今の全力を出せたのは、このMVが一番だなと思います。いいものができたと思います。
――あの映像をみても大変なのかが伝わってきますよ。まさに地獄の階段上りですよね。
岩田陽菜 終わった後ずっと足が震えてました! ずっとガタガタいってました(笑)。
――そうなりますね。土路生さんは苦しいときぱるるさんの顔を思い出して頑張ったり?
土路生優里 スマホの待ち受け画面もぱるるさんなんですよ(笑)。撮影は何回撮っても終わらないというくらいキツくて。スタッフさんや監督さんが「あと1回!」って何度も言うんですよ。最後の方はもう信じてなかったです(笑)。「あと1回だよ、頑張って〜」って言われてその1回で全力を出し切ったのに「あと1回やろっか?」って。「もういいよ!」ってなるくらいキツかったです(笑)
石田千穂 全然関係ないんですけど、尾道はネコがいっぱいいて、撮影の場所にモデルのネコみたいな可愛いネコちゃんがいっぱいいたんです!
土路生優里 階段に登ってきたよね。
石田千穂 そうそう! 最初は階段の下にいたのに、終わった頃には私達が踊っている最後の公園の所にいたりとか。ついてきてたんです。撮影は体力的にはキツかったんですけど、そこら中にいるネコちゃん達に癒されました。