どうやったら寄り添えるか、Thinking Dogs 王道バラードに挑戦
INTERVIEW

どうやったら寄り添えるか、Thinking Dogs 王道バラードに挑戦


記者:榑林史章

撮影:

掲載:18年09月25日

読了時間:約13分

ファンの声に百の重みも解消される

――カップリングにはメンバーの曲を収録。「君の声が」は、TSUBASAさん作詞、わちゅ〜さん作曲で、熱いバンドサウンドの背中を押してもらえる楽曲ですね。

TSUBASA カップリングの2曲はバンドのライブをイメージしてもらえる曲にしようと思いました。

わちゅ〜 ずっと曲を作り溜めていた中で、7枚目のシングルの話をいただいてから、ライブを意識した曲をどんどん作っていて。ここ最近の僕らの活動はライブに重きを置いていて、そこで肌で感じたこと…たとえばこういうテンポがいいとか、一緒に歌えるところがあるといいとか。そういうことを明確にイメージしながら作った曲です。

――歌は、どんなことを意識しましたか?

TSUBASA 「言えなかったこと」は声を張る高音を、あえて力を抜いていて。逆に「君の声が」は、抑えるところもありつつだけど、張るところとの緩急をより意識して。とくに頭のサビでは、100%の力でガツンと聴かせるようなイメージでした。

――歌詞はどんなことをテーマに?

TSUBASA パッと読むとラブソングに読めると思いますけど、僕らを日頃から支えてくれているファンの方へのメッセージも込めたいと思って。ところどこで、歌詞の<君>はファンのことですって言えるような歌詞にしています。僕にしか書けない歌詞にしたいと思って、なるべくシーンを具体的に思い浮かべられるようなもので、僕が歌うんだということを意識させるものにしたいと思って書きました。

――歌詞に<ヒーロー>と出てきますが、このヒーローはどんなイメージですか?

TSUBASA 僕は家族や友だちにも恵まれてきて、たくさんの人に守られながらこれまで生きてきたと思っています。ただそれが、パッと変わる瞬間があると言うか、守られる側から守る側に変わる瞬間みたいなものがあるなと思って、それを歌詞に込めました。

 そのパッと変わるきっかけが、僕にとってはファンの声やメンバーの存在だったりするわけで。いろいろな事が自分の世界を変えていくということを表現しています。

Jun やはりファンの存在は大きいですよね。ファンの方の何気ない一言で、百の重みも解消されることがあるので、実際に救われているなと思うことがあります。ちょっとした悩みも吹っ飛びます。

――動画制作にプレッシャーが?

Jun そこは、感じてませんけど(笑)。

TSUBASA いや、感じているでしょ(笑)。でも僕らの音楽が、聴いてくれる人の世界を変えるものであってほしいし。自分の経験に置き換えて聴いてくれたら嬉しいです。

――カップリングのもう1曲「疾走マイロード」は、わちゅ〜さんの作曲、大輝さんの作詞ですね。

わちゅ〜 曲としては、これももう1曲と同じく“ライブ映え”を意識しました。タイトルの通り“疾走”をテーマに突っ走る感じの曲を作ろうと思って。今回の3曲のなかで、一番原曲に近いアレンジです。変にアレンジを凝ったりいろいろやらなくても、最初にイメージしたものがそのまま形になった感じです。自分のやりたかったことが、全部詰められました。

大輝 歌詞については…書く前に曲調も疾走感のある感じだったから、歌詞でも疾走感が感じられるものにしたいなと思って。それでサビに<勢い>とか<スピード>という単語を入れてみました。

――自分のなかで戦っているみたいな内容ですよね。

大輝 そうですね。僕が常々思ってることであり、誰しもが思うんじゃないかなって。やっぱりみんな、自分がなりたい理想像があって、そこに近づいたと思ったら、もっと新しい理想像が出てきて、理想と現実の差はずっと埋まらないもの。そういう縮まらない距離にイライラすることもあるけど、理想があるからそこに向かって頑張れる。理想に向かう気持ちには、そんな二面性があると思って書いていきました。

――今バンドが目指しているけどなかなか追いつけない理想は?

TSUBASA やっぱりライブですね。常に作りたいライブ像があるんですけど、それを100%叶えられたことはまだ一度もなくて。でも逆に、100%叶えられたらそれで終わっちゃうんじゃないかなって思います。満足しちゃうと言いますか。毎回ここはできたけど、ここはできなかった、ということがあるから僕ら自身ライブをやるのが楽しい。前にできなかったところを工夫してできるようになったら、こんどは別のところができなくなってしまったり。常に100%の理想像を目指すけど、決して最終形にはならないのがライブなんだと思う。

大輝 もし完璧なライブができたら、きっと満足してもう音楽はいいやってなっちゃいそうですね。

TSUBASA リーダーの大輝はすごく負けず嫌いで、ライブが終わるたびに、人一倍すごく悔しがっているんです。だからこそ、こういう歌詞が書けたと思って。そういう意味では、すごく大輝らしい歌詞ですね。

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