どうやったら寄り添えるか、Thinking Dogs 王道バラードに挑戦
INTERVIEW

どうやったら寄り添えるか、Thinking Dogs 王道バラードに挑戦


記者:榑林史章

撮影:

掲載:18年09月25日

読了時間:約13分

 4人組ロックバンドのThinking Dogsが9月26日に、7枚目のシングル「言えなかったこと」をリリース。2015年に、大島優子主演のTBS系ドラマ『ヤメゴク〜ヤクザやめて頂きます〜』主題歌「世界は終わらない」でデビューした彼ら。以降、映画『劇場霊』、映画『9つの扉』、そして前回のシングル「愛は奇跡じゃない」はテレビ東京系ドラマ『モブサイコ100』主題歌に起用されるなど、数多くの主題歌を手がけてきた。今作「言えなかったこと」は、齋藤飛鳥(乃木坂46)の出演で話題の映画『あの頃、君を追いかけた』主題歌として注目の楽曲で、「全員号泣したくらい泣ける映画。それにどう寄り添えるかを考えて制作した」と話す。ロックバンドが鳴らす極上のバラードに賭ける、彼らの想いとは?【取材・撮影=榑林史章】

秋元先生の歌詞は唯一無二

――今回のシングル表題曲「言えなかったこと」は、乃木坂46の齋藤飛鳥さん出演の映画『あの頃、君を追いかけた』の主題歌。

TSUBASA

TSUBASA 映画のストーリーにすごく寄り添った、曲と歌詞になっています。僕は歌でみんなは楽器で、どうやったら寄り添えるか、すごく考えました。切なさというところで、さらにグッとくる部分を足していけたらなって。それで僕らも映画のストーリーをしっかり頭に入れながら、今回の楽曲の制作を進めていきました。

 試写を観させていただいたときは、全員物語に引き込まれてしまって、エンドロールで僕らの曲が流れる前に、すでに全員号泣でした。というくらい泣ける作品で、そこに主題歌という形で携わらせていただいたのは、すごく光栄なことです。

わちゅ〜

わちゅ〜 ひとつひとつのシーンが印象深く残っています。切ないシーンもあるけど笑いが起きるようなシーンもあって。これから観るみなさんは、この曲を聴いてシーンを想像しながら映画を楽しみにしてほしいです。

 映画の主題歌を担当させていただいたことは以前にもありましたがこういう切ないラブストーリーのド直球をいく映画は初めてで、そこに僕らとしても初めてのバラードということで、すごく挑戦させていただいた曲になりました。

――その「言えなかったこと」は、ストリングスとバンドサウンドが融合した切ないバラード。ここまでのバラードというのは、初めてですね。

TSUBASA ライブ活動をやっている中で「バラードにも挑戦したいよね」という話をちょうどしていて。それで今回の曲が決まったから、そういう部分では、運命みたいなものを感じました。

大輝

大輝 すごく王道と呼べるバラードで嬉しかったです。すでにリリースイベントなどでやっているんですけど、ライブでやるのが毎回楽しみな曲ですね。

わちゅ〜 僕も第一印象から大好きな曲です。メロディもコード進行も、僕のどストライクな曲なので、そういう曲をいただけたのが嬉しかったですし、早く演奏したいと思いました。

――バラードは、ライブでやりがいがありそうですね。

TSUBASA すでにライブでやっていて、わちゅ〜がピアノを弾くときもあるし、アコースティックギターのバージョンもあるし。いちばん良い形でお聴かせしたいと思ってやっています。

Jun

Jun バラードは、音符が長くて粗が目立ちやすいので、いかに丁寧に弾くかを意識しました。ギターという部分では、80年代のハードロックバンドを意識しています。そのころのパワーバラードを聴いて、ギターのイメージを沸かせました。

――メロディは一緒に歌いたくなるような、親しみやすさを感じました。

大輝 聴いてくれた人が、カラオケでどんどん歌ってくれたら嬉しいです。僕もライブのときはドラムを叩きながら、一緒に口ずさんでいるんです。そうやってみなさんも、メロディの良さに引き込まれてもらえたら嬉しいです。

――作詞は秋元康さんで、気持ちを引きずったような、男の切なさがあふれていて。こういうシチュエーションは、実際にありそうですね。

TSUBASA ずっと片想いをしていた人の、青春の1ページを切り取ったような歌詞です。言いたいけど言えない。言ったからって何かが消えてしまうわけではないけど、消えてしまいそうな気がして言えない。こういう片想いは、誰しも経験するようなことなんじゃないかと思います。

 秋元先生の歌詞は、聴く人に共感してもらいやすいエッセンスが散りばめられていて、それを決して難しい言葉を使うわけでもなく、情景が浮かんできそうな言葉で書かれているのが唯一無二だと思います。今回の「言えなかったこと」も歌詞を見て、早く歌いたいと思いました。

Jun 僕は、言えなかったことだらけの人生です。むしろ言えなかったことで、人生が成り立っているような(笑)。そういうのもあって、自分を投影しやすい歌詞でした。

――楽器陣のみなさんは、映画のストーリーをイメージしながら演奏したのですか?

わちゅ〜 楽器隊は曲中の強弱の付け方を特に意識しました。盛り上げるところは盛り上げて、静かにするところは静かに演奏する。スタジオに入って何度もプリプロを繰り返して本番にのぞみました。

TSUBASA 僕の声が真ん中にどしっといるタイプの曲なので、より引き立てるための楽器のおかずの入れ方だったりとか、それをみんなですごく話し合いながら作りましたね。

Jun ギターは、最後のチョーキングに注目して聴いてほしいです。そこに僕の個性がすごく出ていると思います。満足のいくハードロック寄りのチョーキングができました!

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