Thinking Dogs「愛と悲しみがテーマ」新作に込めた挑戦とこれから
INTERVIEW

Thinking Dogs「愛と悲しみがテーマ」新作に込めた挑戦とこれから


記者:小池直也

撮影:

掲載:19年11月15日

読了時間:約10分

 4人組ロックバンドのThinking Dogsが11月6日、ニューシングル「SPIRAL」をリリース。1年ぶりとなる今作の収録曲は、ラテンの色気が漂う「SPIRAL」をはじめとした全3曲。タイトル曲は11月15日に公開される映画『恐怖人形』の主題歌に起用され、同映画で主演を務めた小坂菜緒(日向坂46)は同曲のミュージックビデオにも参加している。今回はカップリング曲に至るまで、こだわりや挑戦がちりばめられているという新譜についてメンバーに話を聞いた。【取材=小池直也/撮影=村上順一】

どんな恐ろしいトラックを作ったらいいかと考えた

TSUBASA

――みなさんは最近、定期的にYouTubeの動画をアップされています。時間を決めて撮影したりしているんですか?

TSUBASA 抜き打ちで撮ってますね。Junが撮影・編集をやっているんですけど、常にカメラを持ち歩いていて。

Jun 1日1本と決めているので、隙あらば撮らないと間に合わないんです(笑)。編集は趣味から始まったんですが、PCと向き合ってる時間は好きですね。

TSUBASA 楽曲制作の裏側や楽屋の風景とか、普段は絶対見られないじゃないですか。だから「ライブでは見られない部分をリアルに撮って上げていったらどうなるのか?」というのを見てみたくて、やり始めたんです。

――ニューシングルのタイトル曲「SPIRAL」は映画『恐怖人形』の主題歌ですが、制作はどの様に?

TSUBASA 今回は映画の台本を先に見て曲を作り始めました。ホラー映画に対してどういう楽曲をつくるのか、ということに関しては全員で話し合って、何十曲か作っています。ラテン調のサウンドは半信半疑なところもあったんですが、完成に近づくにつれて「これはマッチするな」と感じました。作曲は僕がベースとメロディラインだけのデモを作って、Junに「こういうのができたんだけど、ラテンな感じで形にしてくれないか?」と丸投げしてます(笑)。

Jun ホラー映画なので、どんな恐ろしいトラックを作ったらいいかと考えていたんです。これまでのポップな楽曲よりも、違和感のあるコードを散りばめたり、ゾワゾワっとするハーモニックマイナースケールを入れたりして作っていきました。結果的に小粋な曲になったと思います。

大輝 Bメロの歌の掛け合いはTSUBASAから「ここは2人で歌うからよろしく」と指示があったんです。「あ、わかりました」って(笑)。あとドラムに関しては、がっつりラテンに寄せちゃうとホラーの曲からは離れてしまうなと。ポップになりすぎてしまうんです。なのでいい塩梅をJunとやりとりしながら定めていきました。

わちゅ~ TSUBASAが話した通り、もともとのデモにベースラインが入っていて、それを変えるとイメージが変わってしまうんですよね。TSUBASAも「これが合うんじゃないか」と思っていれたと思うし、それを尊重したくてデモのベースを少し変えるくらいに留めています。

――Junさんはガットギターにも挑戦されています。

Jun レコーディングではアコースティックギターを仮で弾いていたんですよ。アコギもエレキよりはネックが太いし弾きづらくはあるんですけど、ガットのネックは尋常じゃないくらい太くて、弦もテニスのガットみたい。しかもガットに触れたのが録音の本番がほぼ、はじめてくらいで。ずっと野球のバントをしてる感覚です(笑)。「これでリードを録るのか、しかもテンポが速い」と不安でした。でも完成したものを聴いて最終的には挑戦してよかったですね。ライブでも取り入れていければな、と様子を見ています。

Jun

――サビにある三連符のリズムにこだわっているそうですが、これについて教えてください。

TSUBASA クセのある感じにしたいなとは思っていました。でも普通にラテンぽくしてしまうと、のっぺりしてしまうんです。わちゅ~と僕は『ファイナルファンタジー』シリーズの音楽で有名な植松伸夫さんが好きで、植松さんがよく三連を使ってて、そういうのを入れてみちゃおうかなと。入れてみたら、意外といけたのでクセとして採用しました。うまく味が出たから、その部分に曲のタイトルが入るようにしたくて思いついたのが「SPIRAL」という言葉だったんです。ただ実際に歌ってみると、タイミングを合わせるのが大変でレコーディングは苦労しました。

わちゅ~ 三連符ってバンドをやっているとキメとかフィルで取り入れる印象で、メロディのラインとして出てくると面白いなと思いました。そういえば僕もTSUBASAとドライブしながら『FFVIII』のサウンドトラックを聴いてましたが、それが曲に落とし込まれていると考えると感慨深いですね。

――MVは色っぽい感じの映像に仕上がっていました。

わちゅ~ あれは監督様様って感じでした(笑)。立って演奏しているシーンはいつも通り自分のスタイルなんですけど、すごいカッコよく撮っていただいていて嬉しかったです。

大輝 撮影した場所がとある廃ビルだったんですけど、スタッフの方から「ここは本当に出るらしいですよ」と言われて(笑)。みんな心配していましたが何事もなく良いものができました。

TSUBASA ホラー撮るのかと思ったよね(笑)。これまでで一番大人な感じな仕上がりになっていると思います。曲がラテン調というのもあって色気を出したいという気持ちもあります。歌詞には「愛と悲しみ」というテーマを立てていたので、「光と闇」みたいなところで映像と上手くマッチしたんじゃないですかね。

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