ロックバンドのThinking Dogsが14日、東京・Shibuya eggmanでワンマンライブ『6thシングル「愛は奇跡じゃない」リリースSP!』を開催。このライブは、同日発売された彼らの6thシングル「愛は奇跡じゃない」を記念しておこなわれたもの。この日は新曲を含み全17曲を披露。TSUBASA(Vo)が「曲がみんなと僕らを繋いでくれている気がします」と語ったように、新曲のリリース日にライブという形でメンバーと観客が一体となったステージを見せ、ファンとともにリリースを祝うバンドにとって最高の夜となった。【取材=松尾模糊】

どでかい感謝の気持ちを届けたい

 この日は陽が落ちても心地良い気温で、すっかり春が到来したことを実感できるような夜となった。平日ではあったが、開演前には多くの観客が開場前に整列しThinking Dogsの今年初となるワンマンライブを観るため、そしてニューシングルのリリースを彼らと一緒に祝おうと笑顔でその時を待っている姿が印象的だった。

Thinking Dogs(撮影=粂井健太)

 会場は“eggman”という名の通り、ステージを前に円形に広がるスタンド席が独特な雰囲気を醸し出している。紗幕にカウントダウンの数字が映し出され、その後に「愛は奇跡じゃない」のミュージックビデオの映像が流れて紗幕が上がり、黒いジャケット姿の4人が登場。歓声が上がる中、TSUBASAが「行くぞ!」と叫び、「3times」でステージの幕を開けた。

 そして、大輝(Dr)のカウントから「あと100マイル」を披露。わちゅ〜(Ba)の流れるようなベースラインからの転調が印象的で、サビではTSUBASAのファルセットが伸びやかに響く。Jun(Gt)のギターソロが曲にスパイスを加え、会場のボルテージを上げる。

 TSUBASAが「会いたかったぜ! 思いっ切り最後まで盛り上がって行きましょう!」と呼びかけ、激しい出だしが印象的なナンバー「Are you ready?」を演奏。サビでは観客がタオルを振り回し、彼らの熱いステージに応える。

 ここでMC。TSUBASAは「やっと『愛は奇跡じゃない』がリリースできました。このライブを通して、僕たちのどでかい感謝の気持ちを届けたいと思うんでよろしくお願いします」と語りかけ、TSUBASAがギターを抱えて歌い出したのは「愛は奇跡じゃない」に収録されている「ユメラブ」。大輝のコーラスも印象的だ。そのままシンセの音から始まる「ユメハグ」へとつなげた。さらに、大輝のドラミングからミディアムナンバー「永遠はどこだ?」を披露。行き場のないやるせない思いの歌詞をTSUBASAが優しく歌い上げた。

 そして、Junが「いろいろとレコーディング秘話ありますよ。今回初めて別録りじゃなくて、ドライブ感を出そうと一発録りで録音したんです。それで、僕緊張しちゃいまして。ライブ時は右足から出るとか、ジンクスがたくさんあるんです。今回のレコーディング時は僕がスタジオまで運転したんですけど、その通り道に東京一有名な心霊スポットがあって、絶対に避けたいと思って回り道して遅刻しそうになりましたが、何とかついて無事に録音できました(笑)」とレコーディング時のエピソードを語った。

 さらに、TSUBASAが「リリースのタイミングでみんなへの感謝の気持ちが高まってくるんです」とファンへの想いを述べ「愛は奇跡じゃない」を披露。TSUBASAがかき鳴らすアコースティックギターと、どこか懐かしいメロディにJunのギターカッティングが映えるナンバーだ。

 一旦、TSUBASAがステージから降り、3人によるインスト楽曲が披露された。わちゅ〜の重厚なベースソロから、大輝の手数の多いドラミング、そしてJunのヘヴィーなギターソロへとバトンしながらバンドのまた違った魅力を存分に見せてくれた。

曲がみんなと僕らを繋いでくれている

 再びTSUBASAがステージに上がり、中森明菜の「DESIRE-情熱-」をカバー。Junが「楽しい曲やります!」と言い、本田美奈子.さんの「Oneway Generation」を演奏。TSUBASAは、観客とともに右手を挙げて一体感を演出した。

ライブの模様(撮影=粂井健太)

 TSUBASAは「本当にみんなのおかげでシングルのリリース日を、僕らの大好きなライブという形で迎えることができました。色んな場所で新曲を演奏していく中で、少しづつみんなが新曲を口ずさんでくれるようになって。曲がみんなと僕らを繋いでくれている気がします」と音楽がファンとの架け橋になっていると実感している様子。

 そしてデビュー曲「世界は終わらない」、「そんな君、こんな僕」を立て続けに披露。観客はジャンプしながら歓声を上げ、最高潮のボルテージの中、本編を終了。

 アンコールでは、4人が黒いTシャツ姿となり再びステージに登場。「愛は奇跡じゃない」に収録されている新曲「春翔ける人」を披露。作曲を担当したわちゅ〜は「こういう切ない感じが好きで、ずっとやりたくて。この曲が収録されるとなった時はめっちゃ嬉しくて喜びました」とコメント。

 さらに、作詞を担当したJunは「僕はこの曲に僕の大好きな季節である春を感じました。桜も人も咲いてる時が全てではなくて、花が咲くまでに費やした年月が大事だという思いを込めました」と歌詞に込めた想いを語った。

 ステージは4thシングル「Are you ready?」の収録曲「ハートビート」で大団円を迎え締めくくられた。最後は4人がそれぞれ手を繋ぎ、観客に深くお辞儀して感謝の気持ちを示し4人はステージを去った。

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