「いいね」と言われると嬉しい、Thinking Dogs 曲作りへの想い
INTERVIEW

「いいね」と言われると嬉しい、Thinking Dogs 曲作りへの想い


記者:榑林史章

撮影:

掲載:18年03月22日

読了時間:約10分

 4人組ロックバンドのThinking Dogsが14日に、6thシングル「愛は奇跡じゃない」をリリースした。2014年に結成し、大島優子主演のTBS系ドラマ『ヤメゴク〜ヤクザやめて頂きます〜』主題歌「世界は終わらない」でデビュー。同曲は、秋元康氏が作詞を手がけたことでも話題を集めた。「愛は奇跡じゃない」は、愛の終わりを描いた3曲を集めた“失恋三部作”といった1枚。表題曲はテレビ東京のドラマ『モブサイコ100』主題歌として話題で、本作も秋元氏が作詞を手がけている。歌謡曲的な懐かしさとロックが融合したバンドサウンドで、オリジナリティを発揮したものになった。収録曲の「春翔る人」は、Jun作詞、わちゅ〜作曲、編曲がThinking Dogsで朝方まで録音に勤しむほど、思い入れの強い一曲となった様子。「移り変わる日々の寂しさと、桜の花びらが散る様子を重ねた」というJunの歌詞をメンバーも絶賛するミディアムバラードだ。制作時のエピソードや今作への想い、これからの目標について話を聞いた。【取材=榑林史章】

最初に読んだ時は「ハッ」としました

――「愛は奇跡じゃない」は、漫画家ONE氏の原作でテレビ東京 木ドラ25『モブサイコ100』の主題歌ですが、反響はいかがですか?

Thinking Dogs「愛は奇跡じゃない」

TSUBASA ショッピングモールでリリイベをやって、MCでドラマのことを話すと「え!」って立ち止まって観て行ってくれる人も多いです。あと友だちから、「原作も好きだからドラマも観るよ」と連絡してくれたやつもいました。

――楽曲は、イントロから歌謡曲チックで、それをバンドでやっているところにインパクトがありますね。

TSUBASA 前回のシングル「Oneway Generation」では、本田美奈子.さんの「Oneway Generation」、中森明菜さんの「DESIRE-情熱-」、あみんさんの「待つわ」といった、80年代の歌謡曲をカバーしました。それが好評だったことと、もともとメンバー全員が歌謡曲のメロディの良さと歌詞のメッセージ性の強さに惹かれていたので、そういうテイストをこのバンドのオリジナルとして落とし込めたらいいんじゃないかと。

わちゅ〜 80年代とかの歌謡曲は、特に僕がすごく好きで。バンド系では安全地帯さん、フォーク系では村下孝蔵さんなどをよく聴いていました。

Jun 僕は80年代でも洋楽のハードロックなんですけど、「愛は奇跡じゃない」のイントロなんかは、ゲイリー・ムーア(北アイルランド出身のギタリスト)のような“泣きのギター”を弾かせてもらって最高でした。今のポップスではギターソロすらないものがほとんどで、そんな時代にこんなにもダイレクトな泣きのギターを弾いた楽曲は、なかなか無いと思います。その部分で、ハードロック好きの方にもぜひ聴いて欲しいですね。

大輝 「愛は奇跡じゃない」は、確かに歌謡曲っぽさがあるんですけど、それをそのまま演奏するだけだとちょっと泥くさくなりすぎてしまうんですね。だからメロディは歌謡曲だけど、サウンドはバンドサウンドという部分を意識しています。

――何か特別な録り方をしたんですか?

TSUBASA 楽器隊の3人は、スタジオで“せーの”で一発録りをしたので、それがタイトなバンドサウンドに繋がったと思います。

わちゅ〜 ドラムとベースを一緒に録ることは前作でもやっていたんですけど、ギターも含めた3人で録ったのはこれが初めてでした。クリックではなくドラムに合わせて演奏する感覚が、ライブに近くて楽しかったです。

大輝 担当してくださったエンジニアさんが、グルーヴを大切にする方だったので、こういう録り方にも理解があって。ノリが合うまで何度も演奏して、一体になった時は「今の良かったよね!」と、喜び合う感じがすごく良かったし、勉強にもなりました。

Jun 僕は、初めてそういうレコーディングに参加したので、最初はとても緊張してしまって。その緊張がマイナスに働かなければいいなと思っていたんですけど、実際にやってみたら音を重ねるごとに面白くて。純粋に楽しかったですね。

――歌詞の話ですが、一行目から<世界が終わるのなら>と歌っています。みなさんのデビュー曲は「世界は終わらない」でしたよね。

TSUBASA 最初に読んだ時は「ハッ」としました。「終わらないんじゃなかったの?」って(笑)。ただ「世界は終わらない」の世界と、今回の曲が指している世界は違っていて、これは主人公を取り巻く世界という意味です。一つの恋愛が終わって、それだけが自分の世界だったと歌っています。

――ちょっと大人な目線の歌詞かなと思いました。

TSUBASA 恋愛が上手く行かなくなって、「もう終わったんだ」とへこんでいる状態を認めたくないと言うか。何もかもが上手くいかない時は、こういった少しやさぐれた気持ちになるのは理解できました。僕自身もそういう経験をした時に、へこんでいるけど変にクールさを装ってしまったことがあったので、きっとその状況と重なるのかなって。

 女性目線からすると、こういう男の心情を理解する機会がなかなか無いから、いいんじゃないかなって思います。こういう感情を抱いているんだなって、分かってもらえたら嬉しい。

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