このバンドが目指せる場所が無い
――ドイツに出場したら、その後の事は考えていますか?
いや、全然何も考えていないなあ…。
――定期的なライブなどは?
今年は無いかなあ。一応僕がやっている数々の活動の中で、最もプライオリティが低いのがTAKUYA and the Cloud Collectorsなので。基本的に、この国内でこのバンドが目指せる場所が無いなという結論で、もしかしたら良い風が吹くかもしれないんだけど、今のところ“無風”だから抵抗せずに止めておこうという所なのです。だからドイツのコンテストに出場したりしている訳で、何か良い話が来るかもしれないし、来ないかもしれないし。
僕のファンという意味で言うと、最もみんなが今やって欲しい事は恐らく、去年の誕生日にやったみたいな『TAKUYA 25th Anniversary Concert』のライブみたいなのを観たいんだろうなと感じていますが、やるとしたらそれを「いつやってあげようかな」みたいな感じですね。
――その時はJUDY AND MARY時代の曲もやったりも?
この間はやりましたね。人に提供した曲とかもやりました。
――それは盛り上がったと思います。個人的にはTAKUYA and the Cloud Collectorsのような、他の人がやらないような音楽をもっと発信して頂けると面白いのでは、という希望があります。
発信先があったらやるのですけどね。
――そうなってくると世界でしょうか。
例えばBABYMETALが流行っているみたいに、世の中に10人に1人もいないけど、ヘビメタファンがいて、世界中のその人達を合わせたらけっこうな数になるんです。そのマスの顧客に繋がれるというマーケットがあるのだったら、やった方が良いと思う。全てのビジネスがそうだと思うのだけど、クライアントがいるからこそ、それを満たすサービスがある。
ただ僕らが「こういう事やったら面白いんですよね」とアルバムを出して誰も買いもしないし、知られもしないというのが一番無駄な事というか。それはただの自己満足で、たまには良いかもしれないけど。
だけど、ドイツに行ったら何か変わるかもしれないし、これで駄目だったら来年はまたSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)を受けようかなとか、アジアのコンテストでも良いし。世界向けのコンテストに関してはTAKUYA and the Cloud Collectorsはたぶん強いから、そういうニーズのある所に対してはやっていこうと思うんです。
(※サウス・バイ・サウスウエスト=毎年3月にアメリカ・テキサス州オースティンで行なわれる、音楽祭・映画祭・インタラクティブフェスティバルなどを組み合わせた大規模イベント)
――最後に決勝戦へ向けての意気込みを。
目の前にある仕事をきっちりというのがモットーなので、それだけですね。
(取材=村上順一/撮影=冨田味我)
◆TAKUYA and the Cloud Collectors ロックミュージシャンのTAKUYAが率いるロックバンド。ドラムスはかどしゅんたろう。CHEMISTRYやKAT-TUN、木村カエラなど数多くのレコーディング&ライブに参加している。ギタリストの若菜拓馬は、2014年に亡くなった佐久間正英さんとのセッションワークをこなし、佐久間さんとunsuspected monogramを結成している。他に栄喜(SIAM SHADE)、flumpoolやつるの剛士などの制作にも携わる。紅一点のベーシスト、伊藤千明(Ba)は浦田直也(AAA)や宇徳敬子など様々なセッションに参加。と、メンバー全員が一線のプロとして活躍している。
大会情報
日程:7月8日
会場:渋谷TSUTAYA O-EAST
前売り・取り置き・当日=3000円+1drink(500円)
開場:15時30分/開演15時55分
T@CC開演予定時刻/Cブロック(18時35分~20時15分辺りにスタート)