自己満足で終わってしまっては絶対にダメ
――秋に公開予定の3D映画では日本人初のドルビーアトモスを採用したサウンドシステムになるとのことですが、お聴きになられたことはありますか。
TOC まだないんですよね。上下の高低差がわかるとのことみたいなんですけど。
――ちなみに上下の音場が再現できたら、Hilcrhymeの楽曲で面白そうな曲はありますか。
DJ KATSU う~ん。「The Woman In The Elevator」かな。
TOC 4月のライブではやってないけど(笑)。
――普段聴いている音響(オーディオ)はどのような感じですか。
TOC 新潟のレコーディングスタジオは普通のステレオで、自宅は5.1chのサラウンドですね。
――自宅のサラウンドシステムでご自身のライブDVDを観たりとかしますか。
TOC ライブDVDは観たことありますよ。でもあんまり自分の家でHilcrhymeのビデオは観ませんね。仕事場では観るんですけど。自宅では子供がひたすらアンパンマン観てます(笑)。
――アンパンマンですか。ご結婚されて家族が増えましたが、それによって作詞に変化はありましたか。
TOC う~ん。ちょっとは変わったと思うんですけどね。自分ではよくわからないですね。
――KATSUさんから見てどうですか。
DJ KATSU 「鼓動」は、その影響があって書いたんだなというのはありますけど、でも、それ以降ガラッと変わったという印象はないと思いますね。
TOC 子供が生まれた時に「春夏秋冬」の第2章を作って欲しいという要望をもらったことがあったんですよ。ただ全然イメージがわかないんですよね。やっぱり子供が生まれた話で書くということになるのかな。
――第2章ということはそうなるのではないでしょうか。
TOC THE虎舞竜さんの「ロード~第二章」みたいな感じですかね? でも「春夏秋冬」は俺の話じゃなくて人の話だしなあ。
――ちなみにデビューシングルの「純也と真菜実」と「春夏秋冬」は繋がっていたりするのですか。
TOC いや全く繋がっていないですね。
――今改めて考えてみると「純也と真菜実」をデビューシングルにしたのは、タイトル的にアグレシッブな感じがしますね。
TOC 当時ではアグレッシブでしたね。今は新人の子達がすごいタイトルで出しているのが多いから、割とスタンダードだと思うんですけど。「会いたい」とか「そばに」みたいなちょっと前に流行ったタイトルワードって今はほとんど見ないじゃないですか。本当に今は奇抜なもの、付けたいものを付けてるという感じなんですよね。昔は強制的に無難なタイトルを付けられていたんじゃないのかなとも思うんですよ。今は割と自由な表現が許されているんじゃないかな。
――Hilcrhymeとしてのタイトルへのこだわりはありますか。
TOC 僕は割とワンワードが好きなんですよ。『リサイタル』や『RISING』、『REVIVAL』とかわかりやすいのが好きですね。なのでワンワードが多いんですよ。長いタイトルがあまり好きじゃないんですよね。
――そのようなこだわりはこの10年間で変化した部分もありますか。
TOC う~ん。変わった部分はないかな。こだわりは一つだけあって先ほども言ったんですけど「万人の共感を得る」ということだけなんですよね。他にこだわりはないですね。
――それ以外はフレキシブルなんですね。
TOC いろんなフロウを試したいし、いろんなトラックに乗ってみたいですね。音楽やライブの手法もいろいろ挑戦していきたいです。ただ、それが自己満足で終わってしまっては絶対にダメだと思うので「万人の共感を得たい」と常に思っているんです。人を感動させるものにしたいですね。
――ありがとうございます。では最後に10年前の自分に一言声を掛けられるとしたら、何と言ってあげますか。
TOC 「大丈夫」と言いたいですね。当時は迷っていたはずだから「音楽でやっていけているから大丈夫だよ」と言ってあげたいですね。その時は(音楽で)食っていけると思っていなかったし、ただひたすら音楽をやりたいと思っていただけだったので、不安を払拭してあげたい(笑)。
DJ KATSU 俺は一言だったら何も言わないかな。全部コントロールが出来るんだったら言いますけどね(笑)。誰の助言もなく2人で始めたHilcrhymeだから、その時の自分には何も言わなくても良いのかなと思いますね。
TOC 真面目に答えた俺がバカみたいじゃん(笑)。
一同 (笑)。
(取材・村上順一)
◆Hilcrhymeプロフィール MCのTOCとDJ KATSUによるラップ・ユニット。2006年結成。2009年7月15日にシングル「純也と真菜実」でメジャーデビュー。セカンドシングル「春夏秋冬」が大ヒットとなり、その年の各新人賞を総ナメにする。デビュー5周年となる14年は9月に初の日本武道館公演を成功させた。地元新潟に在住しながら音楽活動を続け、16年6月9日に結成10周年を迎える。
作品情報
19th シングル「パラレル・ワールド」 2016年6月29日(水)CD発売 【収録曲】 初回限定盤 (CD+DVD) UPCH-7145/1,700円+税 通常盤(CD)UPCH-5876/1,100円+税 1.パラレル・ワールド 2.ソウサ 3.パラレル・ワールド-Original Instrumental- 4.ソウサ-Original Instrumental- [初回限定盤 DVD収録内容] 「パラレル・ワールド」Music Video |