INTERVIEW

STU48今村美月×甲斐心愛×瀧野由美子

瀧野由美子の卒業シングルに感じた思い「後悔も含めて前向きに」


記者:木村武雄

写真:木村武雄

掲載:23年11月18日

読了時間:約8分

 STU48瀧野由美子の卒業シングルで、グループ10枚目となるシングル「君は何を後悔するのか?」。グループ初の卒業シングルであり、1期生として、絶対的エースとしてグループをけん引してきた瀧野の卒業に寂しさを募らせる一方で、それでも前を見続け歩いていく強い意思を感じさせる楽曲となっている。今回は、瀧野、そしてキャプテンの今村美月と甲斐心愛に動画インタビュー。卒業シングルへの思い、最後のミュージックビデオ(MV)撮影、そしてこれまで数多く刻んできた思い出のなかから特に印象に残っているものなどを語ってもらった。【取材・撮影=木村武雄】

後悔と向き合う

――「君は何を後悔するのか?」の印象は?

甲斐心愛 最初に聴いた時に「後悔」というフレーズが心に残って、自分の人生はどんな後悔があったかなって振り返ってみました。後悔したことを考えて落ち込むよりもこの先後悔しないようにしようって前向きに捉えました。過去のことは変えられないので今から後悔しないように生きていこうと思いました。

今村美月 STU48にとって初めての卒業シングルで、どんな曲を頂けるんだろうと思ってたんですけど「ザ・卒業を歌った曲」ではなくて、どんな節目のタイミングでも背中を押してくれるような楽曲だなと思いました、メロディがすごく好きで勢いのあるリズムながらもゆったりした箇所もあってオシャレなメロディライン。振り付けもそれにマッチして、優雅に踊るところや激しく感情をぶつけるところもあるので、歌詞にもメロディーにも心を打たれました。

瀧野由美子 これまで先輩の卒業曲には、しっとりとしたものや、明るく前向きで盛り上がれる曲などがあって、自分の卒業シングルではどういう曲調のものを頂けるんだろうと考えていたなかでこの曲を頂いて、そのどちらでもないSTU48らしいメッセージ性の強い曲で、これってSTU48からの卒業じゃないと頂けなかった楽曲なのかなと思いました。こんなにも素敵な楽曲が頂けて本当に嬉しかったです。秋元先生は「後悔があることは恥ずかしいことじゃないし、今回卒業する瀧野の後悔とかをみんなで前向きに語れたらいいよね」みたいな、後悔を前向きに捉えて欲しいというメッセージを頂きました。

――歌詞には、悲しみが溢れていて、でも曲調は明るくて、悲しさを押し殺して前に進んでいくんだと言い聞かせているようにも感じられます。

甲斐心愛 悲しい時に無理して笑ったり、人って本当の気持ちを隠して違う表現をすることもあるけど…そう思ったらそうなのかな…。後悔しながらも前に進んで…。「後悔」と「前に進む」は反対のことだと思うかもしれないけど、そのきっかけをくれる曲だとしたら素敵な曲に巡り逢えたと思います。

今村美月 振り付けにも思い悩む振りがあって、これ(指を頭の付近で回す振り)を3回繰り返すんですけど、何回も何回も自分の後悔を思い起こしては悩んで、そういう振りを3回した後に、(人差し指を立てた手の手首を握って)引きづっている、固執している振りがあるんです。後悔には小さいもの大きいものがあってずっと自分から離れないものもあるけど、それを抱えつつ前向きに、それがあるからこそ今があると捉えられるなって思いました。

甲斐心愛、瀧野由美子、今村美月

甲斐心愛、瀧野由美子、今村美月

瀧野由美子にんにく事件簿

――いろいろな思い出があると思いますが、特に印象に残っているものを挙げるなら?

今村美月 STU48で「青い向日葵」というバンドを組んでいるんですけど、バンドのメンバーでおうちでバーベキューをしたんです。買い出しもして、ゆみりんが袋に入っているにんにくを買ってきて、そのにんにくを全部、4房ぐらい入れて…。にんにく好きは知っていたけど料理はあまりしている印象がなくて。でもにんにくをさばく手つきがプロ並みで。その時に「ゆみりんだ」って嬉しくなって。衝撃的な思い出です。今でもにんにくを見たら思い出します。にんにくの味のものやお菓子を見たら「ゆみりんだ」って(笑)

瀧野由美子 そんなに入れたかな?(笑)

今村美月 にんにくまみれだった気がする(笑)

甲斐心愛 自分が当たり前だと思っているものが周りはそうではないことがあるから(笑)

今村美月 人からしたらびっくりするって(笑)

瀧野由美子 そっか、そうだね、確かに。でも楽しかったね!(笑)

――甲斐さんは?

甲斐心愛 にんにく繋がりで言うと…。

瀧野由美子 繋がらなくていいよ(笑)

甲斐心愛 オンラインお話会の時に、提出する動画があって、その時は徐々に「由美子のにんにく好き」がバレ始めていたと思うんですけど、にんにくチューブをただ1本食べる由美子の撮影を私がしたんですよ。30秒ぐらいの。ものすごい勢いで食べたんですよ。2人で密室で動画を撮って。私めっちゃ驚いて、でもこれはまだファンの方にはお見せしていない、世に出る前の動画だから驚くのを押さえて黙々と撮りました。にんにくの思い出…。

瀧野由美子 一番衝撃的なにんにくの思い出…!(笑)

今村美月 そこから火が付いたもんね。

甲斐心愛 そうそう!にんにくチャンネルもできて!一番の初手を私が取りました。

甲斐心愛、瀧野由美子、今村美月

甲斐心愛、瀧野由美子、今村美月

瀧野の印象深い思い出

――瀧野さんはどうですか?

瀧野由美子 みちゅとは、名古屋にお仕事で行った時に、初めて2人でご飯に行って、手羽先を食べて、みちゅも私も自分からご飯を誘うタイプじゃないから2人でに行ったのはめちゃくちゃ嬉しかったです。あっ!2人で博多でご飯に行ってた。

今村美月 あっ!そっか!でも入り時間とか違ったから、ちゃんと「行こう」って合わせたのは初めてだった。

――グループのどういう話を?

瀧野由美子 1期生だし、みちゅはキャプテン、私はセンターをやらせてもらったりして、それぞれの立場で考えることとか、いろんな深い話をして。みちゅと深い話ができたのが嬉しくて、もともと色々と話していたけど、そこからもっとみちゅと話したいなって思うようになりました。

今村美月 共感する部分もあれば、個人個人の観点で話し合って、そうだよねっていうものもあったり。私も嬉しかったです。ゆみりんが見てきた世界と私が見てきた世界は違って、たくさんいろんな経験をしている方なので、自分が「ここはこうだったらどう思う?」という質問をして、ゆみりんの観点から親身になって話を聞いてくれて、頼れるし、身を任せながら話しました。

――甲斐さんとの思い出は?

瀧野由美子 6年半一緒にいる中で色んな思い出があるんですけど、私たちの初期の頃の思い出で、当時はレッスンを終えて一緒によく帰っていたんです。2人で乗るバスを間違えて、それに結構経ってから気づいて。全然知らない所で降りて「ここどこ?」って。

甲斐心愛 焦ったよね。

瀧野由美子 歩いて帰るにしてもちょっと遠いよねって。でも歩いて帰るしかなくて。その後にけっこうな雨が降る予報で「早く帰らないと!大変だ!」というなかで、結局心愛のお母さんに迎えに来てもらいました。

甲斐心愛 地図のスクショと一緒に「今ここにいるけどどうしたらいいか分からない」って送ったら「動かんで!」って連絡がきて待ってました。由美子を(車で)送った後、お母さんは「ヤバい、STU48のセンターを車に乗せてしまった!めっちゃ運転緊張したんだけど!」って言っててめっちゃ面白かった!

瀧野由美子 かわいい~!入って1年目とか2年目とかだよね?

甲斐心愛 私が中3かな…?初期のレッスンだったよね。本当に焦りました。それからちゃんとバスを確認してから乗るようになって。帰り道は方向が一緒で「これで帰れるでしょっ」ていう感じで乗ってたから。そんなこともありました(笑)

瀧野由美子 でもそこから心愛のお母さんがご飯に連れて行って下さったり。

甲斐心愛 お好み焼きに行ったり。

瀧野由美子 焼肉にも行った。私の誕生日にご飯に連れて行ってもらって。

甲斐心愛 そうそう。

甲斐心愛、瀧野由美子、今村美月

甲斐心愛、瀧野由美子、今村美月

最後のMV撮影

――STU48は自然をバックにしたMVが多く、STU48号の船上や、尾道の階段を走ったり、極寒の海辺で撮影したりと「大変な撮影」という印象もあります。ラストのMV撮影はどうでしか。

瀧野由美子 今回は瀬戸内7県でMVを撮影して、シングルで瀬戸内7県全部を使うのは今回が初めてだったんですけど、メンバーそれぞれがそれぞれの県に行ってダンスを踊ったりとか、7県のいろんなロケーションを感じてもらえたらいいなって思います。それと個人的にはMVはAKB48の作品を合わせると20作品以上参加していて、本当の最後を実感した時にちょっぴり寂しくもなったけど、でもこんなに素敵なMVを作って頂けて、衣装も本当に素敵だし、このMVが自分の最後のMVで良かったなって撮影が終わった時にすごく感じました。最後に大きい花束をもらったんですけど、その時に「これが最後」っていうのを一番実感しました。

――卒業発表の時は泣くのを堪えていましたが、撮影が終わった後はポロっと?

瀧野由美子 ポロってならないようにしました。でも、すごくウルウルはしてました。やっぱり最後にお花頂けると思わなかったし、スタッフの皆さんとかとも最後だったので、表には出さなかったけどすごくウルッとしました。

――甲斐さんは?

甲斐心愛 由美子が卒業をするとか「由美子がこれがラスト」って感じる瞬間がMV撮影の時もあって…。最後の挨拶をいつもみちゅが締めてくれるところを、みちゅの後に「今回は由美子が一言」って。由美子が今までのシングルのことを振り返って喋っている時とかは本当にラストなだとすごく感じましたし…今まで受け入れてなかったけど本当に受け入れないとダメだなって。すごく寂しい気持ちになりました。

――今村さんは?

今村美月 今回のMVはバラバラに撮影をしてるので、ゆみりんの早朝のシーンとかも出来上がりがすごく楽しみでした。まだ私も見られてない知らないゆみりんがMVにあるのでそれも楽しみでしたけど、夜に16人みんなで集まってダンスシーンを撮った後、ゆみりんは最後にサビをソロで踊るシーンを撮っていて、私はそれをずっと見てたんですけど、やっぱりSTU48の現場でゆみりんが踊ってるのを見ると、これがSTU48だよなっていう思いというか…。ずっと一緒に6年半活動してきたので、最後のシングルっていう思いはあるけど、やっぱり信じられないというか。まだ実感が湧かない部分もあって…。最後までかっこいい姿を見せてもらえて一緒にいられて幸せだなって思いました。

(おわり)

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甲斐心愛、瀧野由美子、今村美月
甲斐心愛、瀧野由美子、今村美月
木村武雄
甲斐心愛、瀧野由美子、今村美月

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