楽しい事を続けていけたら――広瀬アリス、新たな引き出しを開けた「ソラノカナタ」
INTERVIEW

楽しい事を続けていけたら――広瀬アリス、新たな引き出しを開けた「ソラノカナタ」


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年10月11日

読了時間:約8分

大事にした距離感

 収録時は“デッサンを見ながらイメージを膨らませた“という環境だけではなく、ソラは勝気な性格である一方で感情を表に出さない一面もあった。実写の演技となれば顔や体を使って表情は作れるが、声ともなると見えない感情をどう表現していくか難しいところでもある。その点はどう演じたのだろうか。

 「ソラとカナタとの距離感をすごく大事にしました。台本の前半はカナタと対立する台詞が多かったんです。けれど、カナタと共に過ごしていくことで距離がどんどん近づいていく。そこからは少しずつ、強い言葉のなかにもカナタを想っている気持ちが入ればいいなと思ってやっていました。後半になるにつれてどんどん感情が出てきていると思います。でも、表情を作ると自然と体が動いてしまうんです。声だけで全てを表現して、人格までも作ってしまう。命を吹き込んでいるんだなと改めて声優さんの凄さを感じました」

広瀬アリス

 収録は先に窪田が一人でおこない、のちにアリスが合流した。先の完成披露試写会では、アリスが加わってからの収録はリラックスした雰囲気があり、2人とも裸足で臨んでいたことが明かされた。そんな窪田は、アリスの印象を「明るくて歩くパワーストーンみたいで。横でお芝居していましたが、ソラの澄んだ声が印象的でハッピーなアリスさんから出てくる木漏れ日のような澄んだ声が良かった」と評価していた。一方のアリスは「何にも染まっていないところが(カナタに)そっくり。だから逆にどんな色にもなれると思いました」と語っていたが、二人での収録はどのようなものだったのか。

 「窪田さんとは初めてのお仕事でした。2人でアフレコルームに8、9時間ずっといて、話し込んだということはありませんでしたが、横に居て下さって一緒に声を録るというのは私にとってはすごく大きくて。これまで経験した実写のアフレコは、一人でアフレコルームに入ってやっていました。相手の方の声が入っておらず、私一人が一方的に入れている感じでしたので、映像だけでいうと、言って英語で返されるみたいな(笑)。なので、生の声が横から聞こえて、ちゃんとレスポンスがあるというのはすごく安心感がありました。それこそセッションと言うか、生の声があるからこそ、もっともっとああしよう、こうしようという想像が膨らんで。でも、仲良くワイワイとやったというわけではなく、淡々とやることが多くて、それがソラとカナタの距離感というかたちで良い空気感が生まれて。遠すぎず近すぎず、居心地が良かったですね」

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