楽しい事を続けていけたら――広瀬アリス、新たな引き出しを開けた「ソラノカナタ」
INTERVIEW

楽しい事を続けていけたら――広瀬アリス、新たな引き出しを開けた「ソラノカナタ」


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年10月11日

読了時間:約8分

 多彩な役どころだけでなく圧倒的な存在感で演じるなど女優としての評価も高い広瀬アリス。そんな彼女が今回挑んだのは、自身初のアニメ声優。人気スマホアプリゲーム『モンスターストライク』をもとにしたアニメ映画『モンスターストライク THE MOVIE ソラノカナタ』(公開中)でヒロイン・ソラの声を担当した。また、劇中では歌にも挑戦。囁くような歌声は存在感を放っているが、本人は「歌は苦手!」と謙遜する。2008年に女優デビュー。活動10年を迎えるなかで新たに挑んだアニメ声優、そして歌唱は彼女にとってどのようなものだったのか。【取材=木村陽仁/撮影=冨田味我】

凛としたかっこいい女性

 本作は、スマホアプリゲーム『モンスターストライク』をもとにした完全オリジナルストーリーの長編アニメ。東京から切り離された空中都市・旧東京と、地上に残った新東京を舞台に、普通の高校生の主人公・カナタたちの姿を描く。友情や共闘、成長という普遍のテーマを軸に構築した。

 カナタを演じるのは、声優初挑戦となる窪田正孝。カナタを探しに旧東京から舞い降りたヒロイン・ソラを広瀬アリスが演じた。このほか、人間に復讐するため旧東京を地上に落とそうと画策するセンジュを山寺宏一が演じた。

 アリスは過去に、米映画『パワーレンジャー』(2017年)『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(18年)と実写映画の吹き替えを担当したことはあるが、アニメ声優としては初となる。「私、需要があるんだな、と思いましたね(笑)」と謙遜するが、大の漫画好きで知られる彼女の喜びは、「実写に比べアニメはもっと幅が広がるので、どういうキャラクターを担当させて頂くのか、楽しみでした。すごく素敵な時間を過ごすことができました」という言葉にも滲み出ている。

 そんなアリスが演じたのは、空中都市から新東京に舞い降りた謎の青い髪の少女・ソラ。主演キャラクターの一人だ。

 「ソラは、勝気な部分がありつつ、凛としたかっこいい女性だなと思いました。その中にも自分の弱い部分があったり、ここだけは絶対に変えないという部分があったり。例えば人を信じるとか。しっかりとした芯を持っている女性だと思います。私はブレブレだけど…(笑)ソラを見てかっこいい女性になりたいなと思いました。(映画と現実とでは)状況が違いますけど、いろんな意味でもかっこいいと思える、思ってもらえるような女性は良いなと思います」

 本作では、先に声を収録してからキャラクターの口の動きや表情を作っていく「プレスコ」という手法が用いられた。収録時はデッサンのような絵を見ながらイメージを膨らませたようだ。先におこなわれた完成披露試写会で窪田は「『後ろから大きい怪物が来るので逃げてください』と言われて『ハッ!』とやっていました」と語っていたが…。

 「当時はまだ、未完成の状態でしたので正直、難しかったです。出来上がったものを見させて頂いてようやく答え合わせができたというか。ここはこういう背景だったんだな、こういう街並みの中を私は逃げていたんだ、というのが後に分かって。戦闘シーンよりも日常会話のほうが大変でした。間合いやテンションがナチュラル過ぎても…。いつもの感覚でいかないように意識はしていました。監督から言われたことはしっかりと表現できるようにしようと思っていたんですけど、それでもなかなか自分の思ったようにできないことが最初の方は結構あって、考えながら相談しながらやらせていただきました。そのなかで監督から『声優のお仕事だからといって気を張らなくていいよ』と言われたことですごく気が楽になりました」

この記事の写真

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事