5人組アイドルグループのたこやきレインボーが11月23日に、千葉・幕張メッセ 国際展示場8ホールで『たこやきレインボー なにわンダーランド2017 ~OH!CIRCUS~』を開催した。カルナバル(カーニバル)を模したような会場で全21曲を表情豊かに披露。観客を異世界に連れ込むような熱いパフォーマンスで魅了した。【取材=長澤智典】

異世界への入り口

 場内に設えたアーチ型のゲートをくぐった先に広がったのが、たこやきレインボーのプロデュースしたワンダーランド。入り口を入ってすぐに、メンバーたちの歴代衣装を展示。フロアーでは大道芸人たちがパフォーマンスをおこなえば、DJたちがフロアーの一角をブースにしてDJ PLAYを実施。

 場内には、射的や輪投げなど幾つもの屋台風のブースを設置。子供たち用のエアーアトラクションも並べば、他にも、ポップコーンなどを販売する飲食ブースや巨大なだるま落としも用意。物販コーナーも含め、訪れた人たちはいろんなアトラクションへ触れたりパフォーマンスを見ながら、開演まで楽しく時間を過ごしていた。

 場内には巨大なサーカス小屋に見立てたステージを設置。ライブも、大勢の大道芸人たちと一緒にメンバーが「ありがとうたこやきレインボーです」を歌いながら姿を現す形で幕を開けた。

 カラフルな衣装を身にまとったピエロなどの大道芸人たちが楽しげに行進。もちろん、その先頭に立っていたのはたこやきレインボーの5人。その姿に、観ている側までウキウキやワクワクとした気持ちが身体中から沸き上がるのを感じていた。彼女たちは、一瞬にして会場中の人たちを笑顔に導くワンダーランドへ連れ出した。

 たこやきレインボーは、エスニックな音色に乗せ観客たちをマジカルな世界へ誘いだした。ソウルな「恋するビリケンさん」に心地好くまどろめば、「尼崎テクノ」では、羽根扇子を手にした5人が、弾け飛ぶハイパーなダンスビートにのりセクシーに舞い歌う姿も披露。序盤ではソファに座り妖しくせまりながら、後半には、センターステージまで踊り出て観客たちをジュリアナダンスで煽り、彼女たち自身も無邪気に弾けていた。

 お馴染み、「もうかりまっかー!!」「ぼちぼちでんなー!!」の掛け合い。「まいどおおきに」の声から5人が自己紹介をおこない、ここからは、なにわンダーたこ虹バンドを従えてのブロックへ。

 ファンキーなビートが炸裂。5人がステッキを振り一体化した歌唱&ダンスパフォーマンスも見せながら、パーティ感満載なステージングを披露した「じゆう!そう!フリーダム!」。ピアノの音色に乗せ、しっとり歌った幕開け。カウントと同時に、ファンキーな演奏に明るくはしゃいだ「めっちゃFUNK」。

 過ぎ去った夏を連れ戻すように届けた「ナンバサンバイジャー」では、サンバカルナバルのような弾ける楽しさも作り出していた。「なにわのはにわ」でも、5人は「うりゃおい」「うりゃおい」の掛け声を飛び交わせ、会場中を祭りの空間へ導く。

 一変、アコギの演奏に寄り添う形で、5人は美しいハーモニーを奏で「オーバー・ザ・たこやきレインボー(スペシャルアレンジver.)」をアコギとエレピの演奏のみで届けてくれた。触れた人たちの心を優しく包む歌声が、とても心地好く胸に響き続けたのも嬉しかったこと。

 センターステージでは、ピエロや大道芸人たちがパフォーマンスを繰り広げていた。彼らの楽しい宴に誘われるように、5人はスペイシーなEDMナンバーへ暖かい歌声を重ねながら「にじースターダスト」を歌唱。頭上では2人のダンサーが巨大なフープを使い、艶やかなパフォーマンスも繰り広げていた。なんて幻想的なのに、温もりを覚えるステージングだろう。

 ファンキーでパーティなディスコビートが爆発、「めっちゃDISCO」が会場中の人たちの感情をフィーバーさせていく。5人の歌や演奏に刺激され、身体がウキウキ弾みだす。続く「どっとjpジャパーン!」では、椅子を使ったセクシーなシング&ダンスシーンからスタート。セクシーなダンスナンバーを魅力に、5人はファンたちを挑発してゆく。センターステージで歌い踊る頃には、場内にも熱い空気が満ちていた。

カルナバール!!

 再びここからは、なにわンダーたこ虹バンドを迎えてのステージへ。情熱的な演奏を通し、メンバーも、ファンたちのパッションも盛り上がった「サンデーディスカバリー」。「一緒に燃え尽きるぜー!!」、根岸可蓮の声を合図に炸裂したハード&ロックンロールな「TACOYAKI's Burning」では、激しくせまる演奏の上で、5人も大きく手を振り、熱く燃えたぎる気持ちを歌にぶつけていた。場内からも無数に突き上がるペンライトの光が眩しかった。

 「カルナバール!!」の叫びに合わせ、場内に響きだした「うりゃおい」「うりゃおい」の声。「踊れ!青春カルナバル」に合わせ、騒がなきゃ、ここに来た意味がない。誰もが雄叫びを上げ、たぎる情熱を思いきり楽曲にぶつけていた。その勢いを、一気に爆発させた「たこ虹物語~オーバー・ザ・関ケ原~」。センターステージのみならず後方ステージにまでメンバーらが散らばり、少しでもファンたちと間近ではしゃごうと、5人も、ファンたちも、一緒に満面の笑顔でパーティを味わっていた。

 ライブも終盤戦へ。ピエロや大道芸人たち、ダンサーら大勢が舞台へ登場。このパーティを盛大に盛り上げようと5人は「RAINBOW~私は私やねんから~」をプレゼント。頭上からは無数のバルーンも降り注ぎ、色鮮やかな舞台上の風景は、まさに熱狂のカルナバル状態。ファンたちも、メンバーの歌に合わせ「RAINBOW」コールを入れ、このひとときを盛大に楽しんでいた。

 熱狂を優しく包むように最後に5人は、2階ステージ前に座り、「なれたらなぁ」を可愛い猫になった気分で、ニャンニャン戯れるように歌いかけてきた。その姿が、たまらなく可愛かった。

 「また最高に盛り上がっていきますよー!!」、堀くるみの声を合図に、アンコールは「絶唱!なにわで生まれた少女たち」からスタート。攻めな姿勢で歌う5人。その気持ちをさらに明るく弾けさせようと、メンバーは<Hey! Ho! Let's Go!>と「めっちゃPUNK」を熱唱。場内へ熱いパッションを注入したところで、「みんなで一緒に踊るぜー」の声とともに「ナナイロダンス」を披露。ファンたちも、両隣の人たちと肩を組み合い大はしゃぎ。昂る気持ちを一つにぶっ飛べる。この感覚が最高だ。

メンバーそれぞれの想い

 ここで、メンバーそれぞれに、この日の感想を述べてくれた。

 春名真依は「今回のライブは、私自身こういう風にしたい、ああいう風にしたいってすっごい理想像が明確にあって。それに少しでも近づけるようにって励んだライブでした。みなさん伝わったかな? 今日はね、私がある人にもらった言葉をみんなに教えたいと思います。『いっぱいいっぱい笑ってると自然と幸せはやってくる』。この言葉は私が精神的にいっぱい不安が募っちゃったときにある人からもらった言葉で、すごい気持ちが楽になりました。私はたこやきレインボーが大好きやし、このメンバー5人も、スタッフさんも、虹家族(ファンの呼称)のみんなもホンマに大好きで。私からたこやきレインボーを取ったら私じゃなくなっちゃうってくらいホントに大好きなんで、これからも私の大好きなもの、みなさんずっと思っていてください」

 根岸可蓮は「今年の春ツアーからバンドでやらせてもらってるんですけど、CD音源だけじゃなく、バンドならではの音で楽しむことが今年はホンマいっぱいあって、すごい学ぶことも経験もいっぱい重ねてきていました。今回も最後までバンドで楽しむことが出来ました。本番前からずっと不安で、サーカスらしく出来るかな? と悩んどったけど、ホンマに格好いいライブに、みなさんのおかげで成り立ちました。もう感謝の気持ちがあふれててヤバいんです。みんなのことが大好きやし、これからもっともっと頑張りたいなと思ってます」

 清井咲希は「私たち結成してから5年経ちまして、こういうライブを何回も積み重ねて、楽しい想い出もあったし、ここへ来るまでに自分らの思い通りにできひんくって挫けそうになったこともたくさんあります。だから絶対出来るとか、絶対叶えるとか、そういう言葉をいうのはすごく難しくて、なかなか出来ないんですよね。簡単にも言えないし。でも、この言葉は私たちは確信を持って言うことが出来ます。『私たちは絶対にあきらめない』、これは自信を持って言えます。ゴールが何処にあるかわからないし、ゴールへ行くまでに大きい壁に何度もぶつかることもあると思いますが、私たちは絶対にあきらめたりはしません。寄り道はするかも知れないですが、迷ったりは絶対にしません。だからこれからも、私たちに安心してついてきてください」

 彩木咲良は「ほんまに時間が経つのは早いなぁって毎回思うんですけど。私たちって、こんなところで立ち止まってちゃ駄目なんですよ。もっともっと進まなきゃいけないんですよ。そこで、みなさんにお願いがあるんです。私たちは、これから少しずつ変わっていくかも知れないです。昔みたいな私たちじゃなくなってしまうかも知れないです。行き着くゴールは絶対に最高のものをみなさんに見せるので、みなさんホンマに安心して私たちについてきてください」

 堀くるみは「私たちこれからも長い長い旅があります。その旅は、絶対に期待と不安と希望と、いろんなものを持って…。不安というのは絶対にあるんですよ。でも、ホントに今日ライブでみんなの顔を見て、ホンマに音楽って最高や、アイドルて最高やなと思ったし、たこやきレインボーって最高やなと思いました。ホントにみなさん私たちにこんな最高の景色を見せてくれてありがとうございます。でも、もっともっと素敵な景色が見れるはずです。これからも応援よろしくお願いします」

 そして、「これからも一緒に走り続けてくれますか!?」の言葉に続き、たこやきレインボーは最後に「ちゃんと走れ!!!!!!」を熱唱。メンバーも、ファンたちもペンライトを手に、気持ちを一つに、5人が描きたい未来へ向かい、熱狂を引き連れ走っていた。このカルナバルを作りあげていた誰もが、また次の楽しい興奮を求めたくて、気持ちが明日へ向かって駆けだしていた。きっと、そうだったと思っている。

 たこやきレインボーは、来春に2ndアルバム『ダブルレインボー』を発売することを発表。さらに、4月からは全国ツアー『CLUB RAINBOW』をスタート。6月には、同ツアーのスペシャルバージョンとして、WITH なにわンダーたこ虹バンドを迎え、東京と大阪を舞台にバンドスタイルでおこなうことも発表してくれた。その前に、12月31日にはグランキューブ大阪を舞台に「西日本アイドルフェスティバル(NIF)2017~西の方でなんかゴチャゴチャやってます!!~」もおこなわれる。

セットリスト

1.ありがとうたこやきレインボーです
2.恋するビリケンさん
3.尼崎テクノ
4.じゆう!そう!フリーダム!
5.めっちゃFUNK
6.ナンバサンバイジャー
7.なにわのはにわ
8.オーバー・ザ・たこやきレインボー
9.にじースターダスト
10.めっちゃDISCO
11.どっとjpジャパーン!
12.サンデーディスカバリー
13.TACOYAKI’s Burning
14.踊れ!青春カルナバル
15.たこ虹物語~オーバー・ザ・関ヶ原~
16.RAINBOW ~私は私やねんから~
17.なれたらなぁ
Encore

en1.絶唱!なにわで生まれた少女たち
en2.めっちゃPUNK
en3.ナナイロダンス
en4.ちゃんと走れ!!!!!!

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