たこやきレインボー「人生の荒波を乗り越えてもらえたら」新たなたこ虹が見える作品
INTERVIEW

たこやきレインボー「人生の荒波を乗り越えてもらえたら」新たなたこ虹が見える作品


記者:長澤智典

撮影:

掲載:19年02月27日

読了時間:約11分

 たこやきレインボーが2月27日に、3rdアルバム『軟体的なボヤージュ』を発売。収録10曲すべてが新曲。Jeff Miyahara・前山田健一・CMJK・浅利進吾など名だたる作家に加え、ダンスミュージック界のトップを走り続ける今井了介、安室奈美恵さんなどに作詞提供するMioFRANKY、そして彼女たちをデビューから支え続けている塚地武雅(ドランクドラゴン)が初となる歌詞の提供をおこなった。また、氣志團も楽曲提供。メンバーとしても彩木咲良が初めて作詞に加わるなど、まさに魅力がてんこ盛りだ。企画段階からメンバーも携わったという思いの入れよう。どのような作品になったのか。【取材=長澤智典】

「氣志團さんとお仕事をしたい」と思っていた願いが叶った

『軟体的なボヤージュ』タイプA ジャケ写

――今作の制作には、最初からメンバーも参加する形で始まったと聞きました。

春名真依 そうなんです。このアルバムへの説得力を持たせるため、メンバーみずから何度も打ち合わせに参加したように、制作の時点から関わらせてもらいました。

――メンバーたちの中に、「こういうアルバムにしたい」という明確なイメージはあったのでしょうか?

堀くるみ メンバーも、スタッフさんたちの中にもあったのが「等身大」というテーマ。そのテーマに向けて「どういう曲が等身大っぽいかな?」「この人に曲を書いてもらいたい」などのアイデアを出して、曲を作っていただくときも、実際に作家さんといろんな話をして。その結果、わたし達自身のこともいっぱい盛り込んだアルバムになりました。

清井咲希 もちろん、うちらの等身大を詰め込んだ曲もあれば、作家さんにいただいた楽曲へ挑戦することもありました。だから「等身大」と「挑戦」、どっちのたこやきレインボーも見える作品になったと思います。

――自分たちで楽曲制作をお願いしたのは、どの曲なのか教えてください。

堀くるみ 半分くらいはそうかな!? たとえば1曲目の「Rainbow Plane」だったら、わたし達が昨年夏に参加させて頂いたイベント『夏S』で、ももクロ姉さんの「BLAST!」をカバーさせてもらったんですけど、そのときに「うちらもこういう曲を歌いたい」と思って。「BLAST!」を作ったinvisible mannersさんに「たこ虹に向けた曲を書いてください」とお願いをして作っていただきました。

清井咲希 「Rainbow Plane」は自分たちにとっても挑戦になった歌です。これから始まるライブを通して、しっかり自分たちのものにしていきたいなと思っています。

春名真依 アルバムやライブの幕開けにも相応しい曲だからね。

――なかには、氣志團の綾小路翔さん(作詞)と西園寺瞳さん(作曲・編曲)による楽曲「ウエッサイ・ストーリー」のように、メンバーのキャラクターが見える楽曲も収録しています。

春名真依 氣志團さんが、エビ中姉さんたちと一緒にお仕事をしている姿を観ていて。あの当時から「いつかたこ虹も氣志團さんとお仕事をしたい」と思っていた願いを、今回叶えることができました。曲制作のときにも、「でっかいフェスで、みんなで盛り上がれる歌にしたいです」とリクエストをして。曲の中には、うちらのセリフも出てくるんですけど。他にも、氣志團さんらによるコールが入っていて、演奏も氣志團さんがやってくださって、豪華な楽曲になりました。

私たちにとっては二次元への恋で

――恋する乙女心を描いた楽曲「私、ただ恋をしている」から、小悪魔な表情を覗かせる『アゲたこノーティーFunk』の流れには、聴いていてドキッとさせられました。

根岸可蓮 この年代になると、誰だって恋をすると思うんですね。でも、私たちにとってはそれが二次元の恋でして。そんなわたし達の想いを偏見なくちゃんと受け止め、形にしてくれるのは前山田健一さんしかいないと思って、お願いをしました。打ち合わせのときから、わたし達の中にあるアニメやゲーム、漫画への愛ぜんぶを熱く語って。それを前山田さんが受け止めてくれて、こんな素敵な曲にしてくれました。

――なかで、告白するシーンが出てきます。あのセリフを担当したのは?

清井咲希 あの長ゼリフは、わたしです。

春名真依 あのセリフも、打ち合わせのときに「アニメっぽくセリフを入れたらどうか?」という話になって入れた形でした。

清井咲希 最初、セリフと言ってもひと言やふた言の短い言葉かなと思っていたら、がっつり長いセリフになっていて、イントロや間奏にもセリフが入っているし…。冒頭で、<わたし、ただ恋をしている>と言うじゃないですか。ライブでこの曲を歌ったとき、そのセリフを聞いた瞬間にファンの人たちがザワザワッとなって。その後に<何人の男たち 恋をしてきたでしょう」と続くから、さらに「えっ、マジ?!」という空気になって。でも、最後にこの歌のタネ明かしになる言葉が出てくるんですよね。

根岸可蓮 そこで、この歌に書かれた物語のネタが明かされるんです。そこがこの曲の面白さになっています。

清井咲希 だから最後まで聴かないと、この歌に込めた本当の意味がわからないんです。

――セリフで<愛してます>と告白をするじゃないですか。あのときは、どんな気持ちなの?

清井咲希 あの長いセリフは、お客さんの顔をジッと見ながら語るんですけど。そのときのお客さんたちの顔を見ると、ニヤニヤしながら聞いてくださる方や、真剣に耳を傾けてくれる人、「えっ、さきてぃーこんなこと言ってるよ」と驚いてる人、笑っている人など、いろんな表情を見れるからそれが楽しいんです。<愛してます>のセリフに関しては、恥じらいを捨て、そこはプロのアイドルとして言葉にしています。「愛してます」とか、普段使うことがないからこそ、しっかり伝えたいなと思ってわたしは告白しています。

彩木咲良 しかも、情熱的にね。

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