たこやきレインボー(以下たこ虹)が5月3日と4日、Zepp DiverCity Tokyoでワンマン東阪Zepp4DAYSツアー『軟体的なボヤージュ ~あなたとの約束~』の東京公演をおこなった。ツアーは2月27日にリリースした3rdアルバム『軟体的なボヤージュ』をひっさげて、4月27日、28日の大阪・Zepp Nambaと東京の2カ所4公演をおこなうというもの。アルバム『軟体的なボヤージュ』の楽曲を中心に「元気売りの少女 ~浪花名歌五十選~(CLUB RAINBOW Remix)」など、アンコール含め全20曲を熱演。東京公演初日となった3日の模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

10曲をノンストップでパフォーマンス

たこやきレインボー

 青く染まるステージには、船をイメージしたセットが存在感を放っていた。開演時刻が近づくとBGMが「インディ・ジョーンズのテーマ」に変わり、これから始まるライブへの期待感を煽る。

 「さあ行こう、私達の航海へ!」というナレーションに続いて、聴くものを鼓舞し、シンフォニックなイントロが昂揚感を煽る「Rainbow Plane」でライブの幕は開けた。七色のライティングも鮮やかに、威風堂々とした5人と多くのダンサーたちによる力強いパフォーマンスに引き寄せられるようだ。

 そして、クラップが印象的な「ウエッサイ・ストーリー」で、一体感はより強固なものへとなっていく。空手の型を彷彿させる振り付けを会場全体でおこなったりと、ライブならではの臨場感がここにはあった。

 堀くるみが「まだまだ飛ばしていくよ~!」と投げかけ、メンバーのコールも巻き起こった「なにわのはにわ(CLUB RAINBOW Remix)」へ。根岸可蓮と彩木咲良によるリコーダーの演奏もスパイスに、序盤からクライマックスのような盛り上がりを見せていた。

 MCも短めに、清井咲希の凛とした歌からスタートした、一度聴いたら耳から離れない中毒性のある1曲「ちちんぷいぷいぷい」、バブル時代を彷彿とさせる扇子使いで魅了した「尼崎テクノ」、そして、リズムチェンジにも柔軟に対応していく5人のスキルが光った「どっとjpジャパーン!」と立て続けにパフォーマンス。

 まだまだ、止まる気配を感じさせない中、エピックなシンセサウンドがクールに響く、聴かせる系のナンバー「an umbrella」では、雨と波紋が広がる映像との融合で、より没入感の高い空間を作り上げた。続いて、ガラッと雰囲気を変え80’s歌謡曲テイストがノスタルジックな気分にさせてくれる「私、ただ恋をしている」では、清井による長台詞からの「愛しています」の言葉は歓声がフロアから上がった。

 ここで羽織っていたコートを脱ぎ、キラキラとした衣装にチェンジ。「たこ焼きください」の意味を持つ、フランス語のタイトルが印象的な「Boules de poulpes S’il vous plait」へ。続いて、根岸が「手を上げろ~!」の呼びかけ始まった、「踊れ!命尽きるまで」では、リズムに合わせ腕を上下に揺らし、ヒップホップ的なノリで楽しんだ。更にジャンルの統一感などお構いなしといった感じで、ちょい悪な雰囲気もあるファンキーな「アゲたこノーティーFunk」でテンションは爆上げ。多彩なたこ虹を見せてくれた。

 春名真依が「もっと声出していけるのか~!」と煽り、『サタデー・ナイト・フィーバー』を彷彿させるディスコチューン「めっちゃDISCO」で、ミラーボールの光も最高の空間を演出するなかフロアもヒートアップ。そして、久しぶりの披露となった「元気売りの少女 ~浪花名歌五十選」は新たに(CLUB RAINBOW Remix)に昇華され、コール&レスポンスでライブならではの醍醐味を堪能し、元気をばらまきながら10曲をノンストップで駆け抜けた。

ずっとこの5人で…

たこやきレインボー

 10曲をフルスロットルで駆け抜けたということもあり、ちょっとここでクールダウン。メンバーは今回の衣装について盛り上がるなか、ライブはラストスパートへ突入。静から動への流れが印象的な「疾風」は、ギターソロをバックに体全体で表現するダイナミックなダンスでも魅了し、続いての「SuperSpark」壮大な銀河の映像がスクリーンに投影され、吸い込まれていきそうな空間のなか、5人は熱量高めの歌声を響かせた。そして、オープニングでもパフォーマンスしたダンサーも再び合流し、「虹色進化論(CLUB RAINBOW Remix)」で本編を終了した。

 アンコールの声に応えて、SEがド派手に鳴り響く。それに合わせてオーディエンスも「おおきに」と、盛大な掛け声で5人を迎えた。グッズのTシャツとうちわ、堀はトートバッグを首にぶら下げて登場し、カジュアルな出で立ちで「絶唱!なにわで生まれた少女たち(CLUB RAINBOW Remix)」でアンコールはスタート。お祭り騒ぎのような盛り上がりを見せ、さらに「ナナイロダンス」でその盛り上がりをブースト。オーディエンスも隣同士で肩を組み、ビートに合わせ横に揺れ一体感を高めた。

 「RAINBOW~私は私やねんから~」を終えると、彩木は「先が見えないし、ほんまに道のりは長いと思います。たこ虹に人生を捧げているグループなので、ずっとこの5人で絶対やっていくし、命を捧げてやっているので、信頼してついてきてほしいなと思います。素敵なスタッフさんやたこ虹家族(ファンの呼称)さんがいる限りは、夢に向かって頑張っていくので、皆さんと約束したいです!」と、ラストはアルバム『軟体的なボヤージュ』でも最後に収録された「あなたとの約束」を届けた。

 たこ虹と親交の深い塚地武雅(ドランクドラゴン)が作詞し、ポジティブな言葉だけではなく、葛藤などネガティブな部分も反映させたリアルな1曲。長い旅のゴールはいつになるかわからないが、きっと約束の場所にたどり着く、そんな決意を感じさせてくれる歌声を響かせる5人。

 しっかりと楽曲を通してオーディエンスと約束を交わし、東京公演初日は大団円を迎えた。深々と訪れたオーディエンスに向けお辞儀をし、最後は最高の笑顔でステージをあとにした。

セットリスト

『軟体的なボヤージュ ~あなたとの約束~』

5月3日@Zepp DiverCity Tokyo

01.Rainbow Plane
02.ウエッサイ・ストーリー
03.なにわのはにわ(CLUB RAINBOW Remix)
04.ちちんぷいぷいぷい
05.尼崎テクノ
06.どっとjpジャパーン!
07.an umbrella
08.私、ただ恋をしている
09.Boules de poulpes S’il vous plait
10.踊れ!命尽きるまで
11.アゲたこノーティーFunk
12.めっちゃDISCO
13.元気売りの少女 ~浪花名歌五十選~(CLUB RAINBOW Remix)
14.疾風
15.SuperSpark
16.虹色進化論(CLUB RAINBOW Remix)

ENCORE

EN1.絶唱!なにわで生まれた少女たち(CLUB RAINBOW Remix)
EN2.ナナイロダンス
EN3.RAINBOW ~私は私やねんから~
EN4.あなたとの約束

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