5人組女性アイドルグループたこやきレインボーが8日、新曲「恋のダンジョンUME」をリリース。「梅田ダンジョンと恋愛の複雑さ」を表した表題曲と新アレンジトラックも含む4曲で現在の彼女たちの魅力を存分に楽しめる作品。たこやきレインボー(たこ虹)は、関西拠点ながら東名阪Zeppを含む全国ツアーや幕張メッセ、 東西野音などでワンマンライブを成功させ、2017年と18年には音楽フェス『SUMMER SONIC』にアイドルとしては異例の2年連続出演を果たすなど活躍の幅を全国に広げている。昨年おこなわれた「なにわンダーランド2019~Joy to the World~」中野サンプラザ公演の感触や、自粛期間中の活動についてなど“なにわの最終兵器”たこ虹の現在の心境を聞いた。【取材=平吉賢治】
たこ虹の自粛期間中の過ごし方
――昨年の中野サンプラザ公演「なにわンダーランド2019~Joy to the World~」の感触はいかがでしたか。
堀くるみ 「なにわンダーランド」は毎回テーマパークみたいな感じでコンセプトを決めて毎年やらせて頂いているんです。今回はちょっとクリスマス要素を入れたいなという気持ちがあって、背景がステンドグラスになっていたり、シスターみたいなローブを着て踊ったり、神秘的でクリスマスっぽい感じでライブをやりました。
彩木咲良 会場のBGMが教会にいるような感じだったんです。私はそういう空間が大好きなのでその世界観に入れたのがめちゃめちゃ嬉しかったです!
清井咲希 キラキラしていて凄い素敵な世界観でした! 今までの私達のライブにはなかった神秘的な空間でした。私達は羽のない天使としてみんなに幸せを届けるという感じでやっていたんです。テーマに沿ってもやるし、途中では客席に降りてお客さんの近くでお悩み相談もしたりしました。コテコテの関西弁で(笑)。
堀くるみ 迷える子羊の悩みをシスターの格好で関西弁でね(笑)。
――楽しそうな空間ですね(笑)。根岸さんはいかがでしたか。
根岸可蓮 楽曲も今回のコンセプトの世界観に合わせてアレンジしてくださったんです。めちゃくちゃ可愛くて聴いていて癒されるし幸せになれるし、自分達でも凄く楽しかったです!
春名真依 めちゃくちゃ幸せだったよね! こういうライブの世界観に自分が溶け込むのが凄く好きなんです。このライブはMCがあまり入っていなくて、16曲連続でパフォーマンスしたんです。そういう面では「体力大丈夫かな…」と思っていたんですけど、世界観に自分が入り込めていると思うとあまり気にせずに、心の底から楽しんでライブができました。
堀くるみ 本作の豪華スペシャルUFO盤には、公演の模様が全部入っているので是非観て欲しいです!
清井咲希 ライブ映像だけではなく、楽屋のメンバーの様子も入っているんです。ムービーカードの方には本編、ダブルアンコールまで入っているんですけど、オフショットは入っていないんです。
――公演の模様が映像でも楽しめるのですね。ところで、みなさんは自粛期間は何をして過ごしていましたか。
彩木咲良 私達は自粛期間中に自炊をすることが多くなったんです。
――YouTubeで公開されていましたね?
彩木咲良 ほぼ毎日晩御飯を配信していました。
――どんなお料理を作っていたのでしょうか。
堀くるみ うちらが一番よくやるのは鍋なんです。みんなで作るのも楽しいんですけど、ひとり一人がシェフみたいな感じで「今日はこの子がメインでごはんを作ります!」みたいな週があったんです。みんなの個性が出て面白かったんです。咲希は素敵なイタリアンを作ってくれました。
――清井さんはイタリアンが得意料理?
清井咲希 得意というほどではないんですけど、美味しく出来るからみんなに作りました!
堀くるみ お店の料理くらい美味しいんです! 「店か!」と思いましたもん。
――根岸さんは?
根岸可蓮 私はもともと料理をあまりしなくて、基本的に朝ごはんをパパッと作るくらいなんです。
彩木咲良 でも、作ってくれる卵焼きがめちゃめちゃ美味しいんですよ!
根岸可蓮 そういう簡単なものしか作れないんですけど…この自粛期間中にごはんを作ったりして配信して「こういう料理も頑張ったら美味しくなるんや」というのがわかって、料理の楽しさを知りました。
春名真依 私は一回「お子様プレート」を作りました。ちょうど木のプレートがあったので、それが写真映えする感じのを作ろうかなと思って、山型のケチャップライスとか餃子の皮を使ったミニピザとか、可愛くプレートを作りました!
大阪の梅田の地下街ダンジョンと恋愛感情の複雑さ
――「恋のダンジョンUME」についてですが、まず“UME”とはどういった意味なのでしょうか。
春名真依 これは“UME”と書いて発音は「ユーエンミー(you & me)」なんです。大阪の「梅田」を合わせた意味が込められています。大阪の梅田の地下街はダンジョンみたいに複雑なんです。その複雑さと恋愛感情の複雑さをかけた、大人な恋愛ソングになっています。
――興味深いタイトルですね。
堀くるみ 色んなことが絡んでいるんです。曲調的には70、80年代の頃のディスコサウンド、レトロな懐かしい感じなんですけど、歌詞は読めば読むほど面白くてミステリアスな感じです。
彩木咲良 歌詞の考察をして楽しんでほしいですね。
――歌詞を読んで目立つ所と感じたのは、“UME”、“UFO”、“USO”、“SOS”など、アルファベット3文字が印象に残りました。この意図は?
堀くるみ 恋愛を「UFO」の未確認飛行物体とか、「UMA」の未確認動物に例えて、恋愛の難しさや複雑さを表現しています。「あなたは掴めない人ね」みたいな。
――MVでは正に未確認動物的なキャラクターが出てきますね。
堀くるみ そう。「UMA」ですね。私達はギターアンプを擬人化した感じで出てくるんですけど、UMAの雪男がギターを繋いだ時だけ踊り出すみたいな。かなり不思議な感じの内容のMVになっています。私たちもMVをみんなで考察したんですけど「どういうことなんやろう?」という感じもあるんです。
彩木咲良 ファンの方も色々考察してくださっているんですけど、受け取り方がみんなバラバラなんです。
春名真依 MVを観て聴くというのが先という方が多いかもしれないですけど、MVを観ながら聴いた時のイメージと、曲だけ聴いた時のイメージがガラッと変わるのが面白いと思うんです。MVで聴くとちょっとユニークで関西感のある印象を受けると思うんですけど、曲だけ聴くとどんどん歌詞の意味が頭の中に入ってくると思うので。<本気だから騙さないでね>とか、ちょっと毒気のあるダークな歌詞が効いてくるので、色んな味が楽しめる曲だと思います。
根岸可蓮 私は、振り付けも歌詞も<地下鉄できみに会いに行くよ>のところが、密かに好きな人を追っている感じがめちゃくちゃ好きです。振り付けは両手で指をL字型にして交互にするんです。そこの部分が好きでいつも聴いているとテンションが上がります。踊っている時も気合が入るし!
春名真依 この曲はちょっとユニークな振り付けが多いのでライブなどパフォーマンスを観ても楽しめる曲だと思います! 視覚的にも聴覚的にも楽しめます!
堀くるみ 色んな角度から楽しんでもらえる曲です!
――なるほど。2曲目「プレイバックス」についてですが、こちらはどんなコンセプトでしょうか。
堀くるみ 初めて聴いた時は「恋のダンジョンUME」とは正反対くらい違う特徴だと思っています。走り抜けていくような爽快感のあるメロディだと思います。表題曲とは違う、2つのたこやきレインボーが表れているというか。歌詞はネットとかで活躍したりキラキラしている人を見て「自分と何が違うんやろう」って悩んでしまう人の背中を押してくれるような内容になっています。
春名真依 いつも過ごす日々の中で感じる憂鬱とかあると思うんですけど、それをカッと明るく一気に吹き飛ばしてくれるくらいの爽やかさがキュッと詰まった曲と感じます。
――3、4曲目はともに2016年のナンバーですが、違うバージョンとして収録している?
春名真依 「なにわンダーランド2019~Joy to the World~」で、いつも私達の楽曲を提供してくださるKiWiさんに新しくアレンジしてもらった曲になっています。キュートで可愛らしいキラキラしたサウンドにして頂きました。
清井咲希 元々の曲は「にじースターダスト」だったらどちらかというとしっとりで、「ナンバサンバイジャー」は熱い歌詞なので、「なにわンダーランド2019~Joy to the World~」はファンタジーな感じだったので違う曲に聴こえたんです。テーマパークみたいなキラキラした感じになっているので大好きです!
――バラエティ豊かな4曲が収録されているのですね。
堀くるみ 色んなたこやきレインボーを聴いて頂けますし、観て頂けます!
――そんな今作に特化したイベントがあるそうですね?
春名真依 たこやきレインボー初のオンラインサイン会を実施する予定なんです。この期間をよい風に活用できる機会ができて嬉しいです。離れていても近い感じがするので凄くよいなと。
彩木咲良 色々やりたいという話をしていて、モーニングサインとナイトサインがあって、モーニングサインは早朝からやるんです。寝起きの現場が見えたり(笑)。
春名真依 起こすところから始まるからな(笑)
様々なチャレンジで前向きに成長
――レコーディングについてですが、印象的だったエピソードはありますか。
堀くるみ シンプルに言ったら難しかったなと(笑)。「恋のダンジョンUME」は、音程の上げ下げが激しいんです。意外と苦戦しました。「プレイバックス」も高音が続いたりするので、2曲とも難しかったです!
春名真依 「恋のダンジョンUME」は、サビでソロパートがあって凄く大事な部分だなと感じたんです。そこの担当だったので色々作戦を練ってからレコーディングしました。「このフレーズは強めだけど、その後に力を抜く」とか、強弱や声の表情を意識して「この歌詞はどういう感情なのかな」というのをめちゃくちゃ考えてからレコーディングに臨みました。
――ディレクション面ではいかがでしたか。
清井咲希 <騙さないでね>とかけっこうストレートで、恋愛している女の子の「独り占めしたいよ!」という気持ちがわかる感じにしたくて「けっこう感情を出して歌って」というのがありました。「もうちょっと怖く歌って!」とかも(笑)。
根岸可蓮 「プレイバックス」は、けっこうスピーディーなのでどこでブレスをしたら上手く歌えるかなというのを考えて歌いました。レコーディングではちゃんと歌えましたけど、踊りながらだと難しいんです…。
彩木咲良 私は「恋のダンジョンUME」はけっこうスッと歌えたような気がします。得意な曲調なのか、そのままの気持ちで歌えた気がします。
堀くるみ 「恋のダンジョンUME」はちょっと重たい感じの女の子というイメージがうちらの中であるんですけど、それが咲良そのまんまやったんやないかなと思います(笑)。
――(笑)。さて、時代が大きく変化している昨今ですが、これからの課題や新たにチャレンジしていきたいことは?
堀くるみ YouTubeで配信もしているんですけど、咲良が私達のプライベート動画をいい感じに編集してくれているんです。Instagramとかでアップしたりしていて、編集を自分でもできるようになりたいと思っています。
――クリエイティブでいいですね。
堀くるみ 咲良にいつもやってもらっているんで、一人に任せても重荷じゃないですか? もう咲良が潰れる寸前なんですよ。今も座ってるのがギリギリな状態で。
彩木咲良 そんなことないやろ(笑)。
――清井さんが新たにチャレンジしたいことは?
清井咲希 髪の毛を自分で巻けるようになりたいというのがずっとあったんです。プライベートでもそれができたらヘアアレンジの幅が広がるかなと思って、それができるようになりました! チャレンジできたんです!
根岸可蓮 私は今の難しい状況でネットサイン会とか、離れていても交流できることをたくさんしていきたいと思っています。
春名真依 今していることでもあるんですけど、なかなか直接会う機会が少なくなっているので、SNSの発信がより大事になってくると思っていて、自分が好きなことを繋げられないかなと考えているんです。それで、私はInstagramで定期的に“アイドル論”という内容の自己連載をしています。例えば、イメージカラーについて自分が考えたことを書いてみたり、色々自分なりの分析を交えつつInstagramで語るというのをしています。拙い文章ではあるんですけど、今まで自分のInstagramを見てくれている層以外の方々からの反響もあったりして楽しいんです。
――みなさん色々とチャレンジしているのですね。ちなみに、今作「恋のダンジョンUME」ではアルファベット3文字のフレーズが効いていますが、現在のたこやきレインボーをアルファベット3文字で表すとしたら?
春名真依 “KUI”です!
彩木咲良 一瞬で出てきたな(笑)。
――“KUI”とは、どういった意味でしょうか。
春名真依 「K:共同生活を」、「U:うまいこと」、「I:活かしてる」! これやと思います! 共同生活をしているからこそ、みんなに配信をお届けできたりしたので、本当にこの期間を活かせることができたかなと!
――うまいですね。それでは最後に、ファンの皆様にメッセージをお願いします。
堀くるみ 今は大変な時期が続いていると思うんですけど、私達が会いに行った時に元気な姿で会えるように、体のことには一番気をつけて、私達のこともこれからも応援してくださったら嬉しいなと思います! MVをとにかくいっぱい観てほしいです!
(おわり)