Hilcrhyme「特別な１曲になりそう」新曲をファンの前で生披露

　ラップユニットのHilcrhymeが20日、都内で「東海テレビ・フジテレビ系全国ネットオトナの土ドラPresents『さくらの親子丼』主題歌「涙の種、幸せの花」発売記念“プレミアムライブ”」を開催。イベントではファンクラブから限定15組30人を招待し、22日リリースの新曲「涙の種、幸せの花」を生披露。楽曲制作のエピソードなどを語った。TOCは新曲について「この曲は特別な１曲になりそうです」とその完成度に自信を見せた。

　「涙の種、幸せの花」は、東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『さくらの親子丼』の主題歌。ドラマの台本を何度も読んで書き下ろしたという、TOCは「ドラマでは居場所がない子たちが描かれていて、そんな孤独を感じている人にとっての居場所となりたい、というテーマで書いた」と話す。

　『さくらの親子丼』は女優の真矢ミキが演じる主人公・九十九さくらの営む古本屋「九十九堂書店」を舞台に繰り広げられる人間模様を描いたドラマ。古本屋の奥にある「たまりば」という一室に集まる“行き場をなくした人々”に、さくらは深く詮索せず、親子丼をふるまう。空腹を満たされた人々はそれぞれの事情を話し、さくらが彼らを支えていくという物語。

　イベントでは『さくらの親子丼』で二宮あざみ役を演じる女優・吉本実憂が出演する「涙の種、幸せの花」のミュージックビデオを上映。楽曲とドラマの世界観を上手く融合した作品にファンも魅入る姿が印象的だった。

　そして、TOCとDJ KATSUが登場。今回の楽曲について語った。TOCは「ドラマの制作の方と話をして。書いた歌詞を入れ替える作業が大変でした。サビの８小節を並び替えるのがすごく難しかったですね」と制作を振り返った。

　TOCは「僕がドラマで一番注目したのが『たまりば』で。居場所ではない人たちに居場所を提供するさくらさんがとても印象的でした。場所というよりも人です。その場所にいる人によって地獄にも天国にもなるので〈僕が君の居場所となろう〉という一節もそこから来ました」と歌詞について語る。

　DJ KATSUは「さくらさんの優しく包み込むような感じのサウンドにしようと。足していく楽器なども考えて…音も結構作り直しました。繰り返し重ねて積み重なってできた楽曲ですね」と音作りにもこだわったことを明かす。

　TOCも「ドラマに一番合うものにしたかったので、何度も納得するまでやりました」とそのこだわりについて話す。昨年結成10周年を迎え、新しいことにも挑戦していく姿勢を見せる２人。DJ KATSUは「歌詞が染み入る曲になったので、その歌詞をピックアップしたバージョンを作ろうかと話して。そういうことは今までやってこなかったので。ピアノとバイオリンだけのものを作って。ドラマでも使って頂いているんです」と新たなHilcrhymeの挑戦についても語る。

　TOCは「フルオーケストラライブみたいなものも、できたらやりたいんですよね」と新たなライブへの意欲も見せた。

　吉本実憂とのMV撮影現場で一緒になったと言い、彼女についてTOCは「ドラマのままの衣装で来たので、まだその二宮あざみ役の彼女しか知らない感じですね。今、吉本実憂さんに会いたいですね」と役に成りきっていた彼女のプロフェッショナルな姿勢に感服していた。

　「親子丼」がメインモチーフとなっているドラマ。TOCは「KATSUくんは本当に作るようになったからね」と言い、DJ KATSUは「第１話から親子丼食いてえと思ったので、２話から食材買って作っていましたね（笑）。何となく作っていたのですが、だんだんアレンジした親子丼も作るようになりましたね。パスタ作るのが好きなので、バジルとチキンは合うと思ったのでバジル親子丼とか作りましたね」とドラマが回を重ねるにつれ、親子丼を作る腕が上達していっていると話す。

　イベントでは30人の前で「涙の種、幸せの花」を生披露。TOCは「この曲は特別な１曲になりそうです。どうか一言一句逃さず聴いていてもらえればと思います」と想いをリリックにのせ、ファンのもとへ届けた。

　DJ KATSUは「ドラマと一緒に曲も成長できればと思います」、TOCは「普段曲を書く時は平等に愛を持って書いているのですが、世に出たときに皆さんのおかげで、特別な曲になることがあります。何曲かそういう曲はあるのですが、この曲もそうなると思います。是非リリースを楽しみにしていて下さい」とそれぞれ呼びかけた。

　なお、イベント後、会場では親子連れで訪れたファンに、料理家のはらゆうこ女史が監修した『さくらの親子丼』番組レシピの親子丼が特別価格で販売された。親と子はいつまでも仲良くいて欲しいというさくらの願いのこもった親子丼に、ファンは舌鼓を打った。【取材／撮影＝松尾模糊】