賛否の否のやつも巻き込みたい
――レゲエの魅力の一つにはファミリー感もあると思いますが、そういう部分で思うことは?
俺の曲も、絆や繋がりを歌ったものが多くて、アルバムの後半の曲は、ほとんどそういうテーマで歌っています。今の時代と言うと大げさだけど、人と人の繋がりが薄くなっていると感じるので、そういう部分で少しでも何か感じてもらえたら嬉しいし。
――世の中は、ネットでの繋がりがメインになっていますよね。
そうですよね。それで繋がってるつもりになっている人が多いと思います。俺らのように、クラブの現場で直接顔を合わせて仲良くなった繋がりは、絆がすごく強いと思います。
お互いに本名を知らないけど、毎週クラブで会う仲が良い人もいて。そういう名前も知らないけど、音楽を通して仲良くなれるのは、レゲエカルチャーのいいところの一つだと思うし。誰かが困っていればみんなで助け合う、そういう温かさがあると言うか。
――そうした温かさを大切にしながら、今後やりたいことや目標とかは?
最近はレゲエ以外のジャンルのアーティストも出演するフェスなどに出ることが増えていて、そこでいかに俺がレゲエという枠に守られていたかを実感しました。そこに出ている全員がアウェイではあると思うけど、そこを自分のホームに出来るくらいの知名度、集客力、実力が必要だなと改めて思いました。今の目標としては、そこで戦えるノウハウを身につけることですね。その先駆けとして、このアルバムが広がってくれたら嬉しいです。
――YouTubeの総再生数が600万超えでも、そういう感じなんですね。
YouTubeの再生数やコメント数は、すごく嬉しいけどそれが必ずしも集客に繋がるわけではないので。不意に出会った人も多いと思うし、文句を言いたいだけの人もいるだろうし。
そういうネットのコメントで、ディスられることも多いですよ。「こんなのレゲエじゃない」とか。でも、そういうのも「どんと来い!」という気持ちでいます。逆に「面白い」と言って守ってくれる人もいるし。
それに俺をディスるやつって、すごくレゲエに詳しいやつが多くて、俺も昔は似たようなことを思っていたので、そいつらの気持ちも分かるんです。そう分かった上でやってるから、クラブの現場ではそいつらに対してガンガン言い返しています。だから文句言ってるネットのやつらも、もっとクラブに来てくれたらいいんですよ。それでお互い言いたいことを言えば。そうやって、賛否の否のやつらもどんどん巻き込んで、シーンを広げていきたいと思っています。