歌手のMINMIが22日、東京キネマ倶楽部でプレミアムライブツアー『MINMI LIVE TOUR 2018 “15th Anniversary Premium Live Tour”』のファイナル公演おこなった。今年3月から展開された全国ツアーは魂を揺さぶるダンス&バラードのライブショー。15カ所目となった同会場でおこなわれた、ツアー最終公演はポジティブな空気で会場を満たし、大盛況の中、華やかなステージで締めくくられた。レゲエ・HIP HOPビートにグランドピアノの音色、アップライトの生ベーストーンに美麗な声音のコーラス隊、パワフルなDJのプレイにダンサーの鮮やかなパフォーマンス、そしてセクシーで艶やかなMINMIの歌声で多彩なライブ感をショーアップ。会場に集まったキャパ満員のオーディエンスを存分に魅了し、15周年集大成のショーを見せた一夜となった。【取材=平吉賢治】

オトナな雰囲気のパーティーライブ

 ワインレッド色にドレスアップされた東京キネマ倶楽部は、ステージ上にはDJセット、グランドピアノ、アップライトベースと“大人な雰囲気”が匂い立つスタイリングだ。開始前からテンションアゲめの客席からのMINMIコール。ライブが始まる前から、その場所に居るだけでワクワクと元気になる空気で満たされていた。そしてこの日はMINMIの意向により、写真・動画撮影OKという大盤振る舞いである。

MINMIのステージ

 ベースのオーバーダビング・プレイがシンフォニックに響き渡る中、 紅色のドレスを纏った MINMIが華麗に登場。グランドピアノに付き2人で優雅に、リラックスした雰囲気でのセッションから「The Perfect Vision」を歌い上げ、一発でオーディエンスを虜にした。続くFREEDOMメドレーでは、とてつもない運動量のうねるようなダンスで「Are yu ready」「#ヤッチャイタイ」を笑顔で披露してライブに火を点ける。

 「一緒に歌おうか! みんなの想い出とともに!」と、激しく歌い上げ、「15年前からずっと一緒にステップを踏んでくれて!」と軽快に跳ねながら感謝の気持ちをともに「step」を、「ウチ、大阪やけど東京もホームタウンだと思ってる!」と、「HomeTown」を。FREEDOMメドレー、15周年メドレーと一挙19曲というゴージャス過ぎるノンストップ・メドレーで披露。東京キネマ倶楽部は完全にダンスフロアのパーティー状態に包まれた。円を描くようなグルーヴのレゲエダンスにドライブするHIP HOPビート、周りを見渡す限り、身体を揺らしていない者は一人としていなかった。この場に居て腰を揺らすなというのは到底無理な話である。

バラードで深く、エモく聴かせるMINMIの歌唱

 イエローの衣装にチェンジしたMINMIは「ラベンダー」をハウスビートに乗せて深く歌った。シンプルなキック&ベースに乗るオーディエンスの手拍子はこの日限りのスペシャルなグルーヴを生み、ダンスコーナーの後のチルな展開が心地良く感じた。「フェスとかでは歌えへんバラード歌っていい?」ということで、MINMIから次曲のカバーの歌詞の解説が入る。アリシア・キーズ(米歌手)の名曲「If I ain't got you」の内容をオーディエンスと共有した。ピアノ・アップライトベース・2コーラスという編成で歌うMINMIの「If I ain't got you」は、演奏力、エモーショナル、グルーヴ、歌唱と、最高のバージョンと感じた。

ライブの模様

 ライブも中盤、MINMIとオーディエンスは雑談気味に「みんなどこから来てくれたん?」という問いかけ&レスポンスコーナーに突入。「関東地域の人〜!」という投げかけに「川崎!」「鴬谷!」「足立区!」「横浜!」「葛飾!」「川口!」と一斉に各地の名が響き、その一つ一つの地名に対してMINMIは一言づつコメントするのだが、「葛飾って漫画でしか聞いたことないわあ」「川口って人の名前やろ?」など、何だかちょっとディスっているような反応がまず出てしまうことにMINMIは苦笑しながら撃沈気味。「メキシコ!」と叫ぶ日本人の声と思われるオーディエンスからの申告に「ウソ言ったらあかん!」というMINMIのお叱りで地名攻めコーナーはほっこりと締めくくられた。

 そして「手紙のコーナー」というポイントがあり、これは、ファンの方からの手紙をその場でランダムに選び、その内容を即興で歌にしていくというもの。MINMIが引いた手紙を掲げると「私の!」と、目の前のファンから声が上がる。そして、その内容は、そのファンの隣にいる友人に宛てたものであった。友人との絆と感謝が込められた内容を、Gのキーで即興で弾き語るMINMI。この日限りのMINMIのメロディを受け、手紙を出したファンとその友人から滲む激しい感動を、会場全員でシェアした貴重な瞬間だった。

MINMIの魅力と人柄が味わえた一夜

 原色に輝く照明、安定したピッチながら声量抜群の MINMIのボーカル、キレキレのダンサー勢のパフォーマンス、サウンドレベルをレッドゾーンにブチ込むようなDJプレイ、「Passionately in Love」「Namaiki」「ハイビスカス」と怒濤のボルテージで走り、ライブも佳境、15周年ツアーも大円団といわんばかりの後半の全力ダンスコーナーは「爆発」の一言だ。ポジティブで狂喜乱舞なMINMIライブツアー最終公演は、アガる気分も貰え、ほっこりとした感動も得られ、MINMIの温かい人柄にも間近で触れられ、プロフェッショナルなパフォーマンスを全身で楽しめる、“プレミアムライブツアー”の名にふさわしいパーティーだった。

MINMIのステージ

 アンコール2曲に応えたMINMIは「ありがとうございました! I love you!」という言葉と投げキッスを全オーディエンスに浴びせて、『MINMI LIVE TOUR 2018 “15th Anniversary Premium Live Tour”』は終演した。最終最後には新曲「Only One feat. TEE」のPVが会場にて初公開されるという特別なおみやげ付き。15周年という節目に、歌唱・ダンス・多彩なスタイルの演出・パフォーマンスにオーディエンスとの触れ合いと、MINMIの魅力を感じるには充分過ぎるほどのスペシャルなショーを展開した一夜だった。

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