ロックとロックンロールの違いはもうわからない
ーー最近注目している洋楽などありますか?
謙二 ジョン・メイヤーの新譜はとても良いですね。
兆志 ジャスティン・ビーバーとかブルーノ・マーズも良いんですけど、バンドという事にはこだわりたいですね。良い曲の中にギターとかベース、ドラムを入れて、今っぽく仕上げていくのが好きです。
秋気 僕は意図している訳じゃないですけど、最近ヒップホップを聴く事が多いですね。アンダーソン・パック(韓国系アメリカ人ラッパー)とかケンドリック・ラマー(米国黒人ラッパー)とか。僕らもバンドなんですけど、バンドという枠に捕われたくないという想いがあるんです。それを体現しているアーティストが多いのは、今のヒップホップなのかなと。だから、聴いているんだと思います。何でもありなんです。「この楽器を使う」とかもないし、ラップだからって韻を踏む必要もないし、リズムにはめる必要もない。その自由さが好きなんです。
悠 それこそ海外だとマルーン5(米バンド)がケンドリック・ラマーを客演で呼んでいました。僕らも積極的にやっていきたいと思います。KOHHくん(宇多田ヒカルの楽曲に客演した、日本人ラッパー)とか呼びたいですね。個人的にも聴いていて、凄く格好良いなと思います。年も少し下くらいで近いですし。いつもの4人に新しい人が入るというのは、とても刺激的な事なんです。
ーー日本語ラップも聴かれますか?
兆志 よく車で移動中に日本語ラップかかってます。
悠 日本人だとPUNPEEさんとか好きですね。高校生の頃はキングギドラとか聴いたりしていたんですけど、それ以来は全然聴いていなかったんです。ここ1年くらいは洋楽のヒップホップを聴くようになりました。アメリカのヒップホップシーンは今、ファッションと結びついているんです。ディオールとエイサップ・ロッキー(米ラッパー)が昨年コラボレーションしたり。昔は「B系」なイメージでしたけど、バシッと決まったスーツを着たりとか。ハイファッションとストリートが接近しているんです。凄く興味深いですね。
勿論、サウンドとかも参考にしているところがあります。バンドマンだと自分達の影響を受けたものしか聴かない、みたいなところがあるじゃないですか。僕らもそうだった時がありましたが、それだとつまらない。極力ジャンルは越えていきたいと思ってます。
エド・シーラン(米シンガー)とかはギター1本なのにも関わらず、曲の振り幅が凄いんです。ラップみたいなのもあれば、ピアノの曲もあったり、打ち込みの曲もある。ある意味で彼はバンドじゃないけど、僕らに近いところがある。シンガーソングライターなんだけど、そういうイメージを壊していっているところが。僕らもそういう自由さは見習いたいと思っています。
僕が同世代の女性とご飯を食べたりする時に「ロックって何?」、「ポップって何?」と改めて聞かれる事があるんです。その時「確かに何だろう?」と考えるんです。ロックとロックンロールの違いとかも。そういうのって段々、壁が無くなっているんじゃないですかね。例えば、ローリング・ストーンズみたいなのがロックなのか、ONE OK ROCKがロックなのかとかも。でもそれは聴き手にとっては、どちらでも良いことなのかもしれません。
そういう意味では、僕らの曲は聴きやすいと思います。特に日本で受け入れられるためには大事なポイントじゃないですかね。自分達のやりたい事を突き詰めつつ、自己満足にならないようにしないといけないなと思っています。
メイクと音楽は似ている
ーーファッションについても『SUMMER』を踏まえて思う事、好きな女性ファッションなどあれば教えてください。
悠 去年まで僕は、結構“がちゃがちゃ”してたんですけど、今年は「シンプルだけど、シンプル過ぎない」というのがサウンド的にも衣裳的にも意識しています。女子のファッションとしては、ジーンズにタンクトップというのが超好きですね。ちょっとワイルドな感じで。髪型はロングでストレートな人が良いです。
兆志 夏はカチューシャとか好きですね。というかバンダナですかね、あとサングラス。髪型はロングで巻き髪とか。
秋気 僕はアメリカっぽい感じというよりも、ヨーロッパの外国人みたいなファッションが好きですね。ストレートでセンター分けが似合う子が良いです。
謙二 シンプルな恰好がやっぱり好きです。その季節季節に応じてシンプルなものが一番。髪型は僕もロングで巻き髪で。
悠 メイクは濃くない方が好きです。ナチュラルだけど、たまにそういう子が濃い時って「うお!」ってなるので(笑)。逆に常に濃いと、薄い時にがっかりしてしまう時もあります。だから大事なのはギャップでしょうね。その考え方は曲作りでも同じなんです。例えばサウンドで派手、派手、派手と続いてしまうと飽きてしまうし。極力シンプルな方が長く聴ける。それはメイクでもファッションでも同じなのではないかと。
ーー今後の展望などはありますか?
悠 今年はライブを増やしたいというのがあります。それなりにライブは積み重ねてきましたが、多くはないので。小さめなライブハウスからイベントまで含めて出演して、ライブに磨きをかけたいです。ツアーとかもやっていけたらと思っています。今までは力んでいた部分もあったんですけど、本当に素の僕らを出していくのは課題ですね。リラックスしてお届けしていきたい。
謙二 ビジュアルもシンプルになったし、ライブも今回は大きい演出をするわけでもないので、「お客さん対バンド」みたいな勝負になっていきます。この1年でいかにスキルを上げていけるかが今年の目標です。
秋気 デビューして3年目になるので、知ってくれている人は今までの僕らに対するイメージがあると思うんです。でも、これからの僕らを知る人が、どんなイメージを抱いてくれるのかにとても興味があります。そもそも、そういう人に見られる機会を増やしたいです。それこそアウェイの土地に行ってみたいし、それによって今までに捕われない僕らを作っていきたいですね。
兆志 いつも応援してくれる人の期待を裏切らないように、これからも良い楽曲、よいライブをこれからもしていきたいと思います。
(取材=小池直也)
「On my way"」/ I Don't Like Mondays.(Official Music Video)
作品情報
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