INTERVIEW

岩田剛典×YU

称え合う「人生のバディ」


記者:木村武雄

写真:Maho Korogi

掲載:21年01月29日

読了時間:約6分

 「こんな風に一緒に仕事をする日が来るなんて思ってもいなかったので嬉しいです」。幼馴染を横に岩田剛典が感慨深く語った。I Don’t Like Mondays.(アイドラ)のボーカル、YUとは3歳の頃から家族ぐるみの付き合いだ。岩田は「共通点がこんなにも重なる幼馴染がいて幸せです」、YUは「変な嫉妬がない、人生のバディです」と信頼を寄せ合う。

 名古屋出身で、親同士が仲良く物心がついた頃には家を行き来した。同じ塾に通い、岩田は中学の時に上京、YUは高校の時に渡米。国は違うが大学は同じ慶大だった。2010年に岩田が一足先に三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEでデビュー。追うようにYUが2012年にI Don’t Like Mondays.を結成、2014年にメジャーデビューした。

 岩田は「同世代で同じ業界に入って、しかもそれが幼馴染というのは他に珍しい。YUの活動はシンプルに応援していますし、頑張っていると思っています。そもそも、普段2人で仕事の話はしないですからね」と照れつつも、椅子を並べ取材を受けている光景に、「こんな風に一緒に仕事をするという日が来るとは思ってもいなかったので、とても光栄です」と喜んだ。

 「彼が、決まっていた就職先を蹴って三代目に入ったというのは聞いていました」と振り返るのはYU。いち早くスターダムへと駆け上がった幼馴染への嫉妬心はなく、その背中から多くを学んでいるという。

 「彼の活躍を見てまさに順風満帆だと思っていました。でも話を聞いていると彼には彼なりの苦労や葛藤があって、そのなかで試行錯誤をしながら目指すべき道に進んでいる。その姿は、幼馴染ではあるけれどすごく勉強になります。2人で飲みに行って遊んで楽しい、という関係だけではなく仕事というところも刺激をもらえる。古くからの友人がそういう人だったというのもありがたいです。何かあると相談にのってもらっています」

 YU率いるアイドラは、卓越した演奏技術を有するギターのCHOJI、ベースのKENJI、そして、ブルーマングループの日本公演に参加した経歴を有するドラムのSHUKIを擁する。ロックやEDM、ファンク、エレクトロ、ディスコミュージックなど多彩な音楽性を取り込みながらも独自の音楽性を追求。芸能人のファンも多い。

 YUの姿を見て岩田は「バンドも彼のアイデンティティやオリジナリティのある音楽を発信していますし、メンバーとも会ったことがありますがすごく素敵な人たちです。三代目とアイドラではジャンルや方向性、発信の仕方は違いますが、そういうことは関係なしにYUのバンドという意識が強くて、更なる活躍、成功を掴んでほしいです」とエールを送る。

高校生姿に「こんな爽やかだっけ?」

Maho Korogi

岩田剛典×YU

 YUは岩田が出演した作品をほぼ全て見ているという。もちろん最新作もチェック済みだ。「試写を見た後に連絡しました。演技とても良かったと思います」。YUが絶賛したのは、岩田が主演する映画『名も無き世界のエンドロール』(1月29日公開、佐藤祐市監督)。

 本作で描かれるのは「友情」。強い絆で結ばれた幼馴染のキダとマコトは10年もの歳月をかけて表と裏のそれぞれの社会でのしあがり、住む世界の違うある女性にプロポーズをしようとするもそれは日本中を巻き込む壮大な計画だった――。

 岩田が演じるのは、穏やかで優しい性格でありながら裏社会に入り、いくつもの危ない橋を淡々と渡っていくキダ役で、キダの力を借りながら会社経営者となり、頭脳と情熱を注ぎ込みのし上がっていくマコト役を新田真剣佑が務めた。

 10年という歳月を同一役で演じる。大枠は高校時代パートと現代パートに分かれ、現代パートは比較的「年齢が近いので演じやすかった」。その一方で難しかったと語るのは高校時代パート。これまでに様々な役柄を演じてきた岩田でも「高校生ってどんな感じだっけ?」と悩み、「ヘアメイクさんたちに助けてもらいながらなんとか高校生にしてもらいました」とほほ笑む。

 その高校生に扮した岩田にYUは「こんなに爽やかだったっけ?」といたずらっぽく笑うが、「一見、クールでドライなところも見えますが、深い所にある熱い思いや友達思いのところは、キダのキャラクターに近しいものがありました。素晴らしい演技だったと思います」と称える。

 岩田自身は「いつも通り台本を読んで想像力を働かせました。僕はキダほどに生い立ちが恵まれていなかったわけではありませんので、そのあたりは想像の世界でした。でも時系列が一番難しかったと思います」。先日行われた完成報告会見では、マコトを演じた新田とは「実際の兄弟のよう」で撮影初日から和気あいあいとし、スムーズに関係性を築けたと語っていた。新田、そして、もう一人の幼馴染役・山田杏奈によって引き出された部分もあるように思える。

感性が似ている2人

Maho Korogi

岩田剛典×YU

 互いに影響し合うのは撮影現場に限った話ではない。岩田とYUの関係性も似たようなところがある。YUは岩田とは「感性が似ている」とし、岩田も「何でも話せる友人がたまたま幼馴染で、小さい頃から育った環境が似ていることや、同じ学校を出ているというのもそう。共通点がこんなにも重なる幼馴染がいて幸せです。いろんなことを話せるのはありがたい」と話している。

 幼馴染でありながら、いまやエンターテインメントの世界に立つ2人。そのエンタメ業界はコロナ禍で厳しい状況にある。しかし、前向きだ。

 岩田「エンタメは衣食住と違い、生活の基盤が出来上がったうえで成り立つものです。打撃を受けていますが、そのなかでもリモートやオンラインのライブ、ファンミーティングなどいろんな形が見えてきました。会場に来られなくてもどこにいても配信を通じてですが生の声が届く。そういう新しい発信の仕方が見えてきたと思います。必ずしもネガティブな事だけではないと思いました」

 YU「どうやって生きていくか、音楽という職業を通じて何ができるのか、自分に対して世の中に対して深く考える機会になりました。それをどう具体的に形にしていくのか、行動に移していくのかを今年はやっていきたいと思います」

 「人生のバディ」と称え合う2人の今後のコラボも期待されるが、岩田は「僕が歌って、YUが踊るのもいいですね」と冗談を言いつつも、YUと声を揃え「お芝居や映像の世界で何かできたらいいですね」と募らせた。

 永瀬正敏がカメラマンを務めた写真集『Spin』で高いアート性を表現した岩田。世界的ブランド「ルイ・ヴィトン」のブランドアンバサダーも務めている。一方のYUはアイドラとして写真家のレスリー・キーがアルバムの写真を、蜷川実花がモデルとしてYUを撮ったほか、ファッションブランドも立ち上げている。既に音楽の枠組みを超えた活動を展開しており、多彩な才能が今後、どう“競演”するのか期待される。

Maho Korogi

岩田剛典×YU

【取材=木村武雄/撮影=Maho Korogi】

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