I Don’t Like Mondays.が8日、東京・豊洲PITで『I Don’t Like Mondays. "F U T U R E" TOUR』東京公演をおこなった。最新アルバム『FUTURE』を携え、2019年9月の愛知公演から始まった本ツアーはこの日でファイナルを迎えた。公演の最後にはニューアルバムを7月にリリースすることや、9月から12月にかけて開催される全国ツアーがアナウンスされた。メンバーに「全国まわってきましたけど、優勝をあげよう!」と言わしめた灼熱のファイナル公演のもようを以下にレポートする。【取材=平吉賢治】

序盤から熱気急上昇、抜群のグルーヴ感に沸く豊洲PIT

【撮影= Masaki Sato / Jun Yamamoto (Faith)】

 アンビエントな空気感を醸すSEに神々しいブルーのライトが豊洲PITを満たす。オーディエンスからの盛大なクラップに包まれメンバーが現れると、SHUKI(Dr)の4カウントから「FANCY GIRL」が放たれた。YU(Vo)のリズミックなボーカルとCHOJI(Gt)のカッティング、SHUKI(Dr)の四つ打ちビートにガッチリと重なるKENJI(Ba)のベースラインが絡み合い、初曲から抜群のグルーヴ感で会場中をうねらせた。

 グリーンのストロボフラッシュが瞬くなか、強烈なギターリフが刻まれ「TOKYO BROTHERS」へと突入。YUはマイクスタンドを持ち上げながら意気揚々とパフォーマンスし、触発されたオーディエンスは一斉に右手を上げてのエネルギッシュな反応を見せる。そして間奏ではCHOJIが上手からセンターに移動し、ロングギターソロをバキバキに弾き倒す。<WE ARE THE TOKYO BROTHERS>というコール&レスポンスが鳴り響き曲が終わると、曲間を繋ぐキックの拍にKENJIのスラッピングが轟き、CHOJIが「LEMONADE」の清涼感たっぷりのギターフレーズを奏でる。楽曲のフレッシュな雰囲気を表すようなブルーとイエローの照明がオーディエンスを照らし、曲の後半ではジャンプの反応で沸く会場。序盤からファイナル公演の熱気は急上昇をみせた。

 そしてナチュラルな流れで「TONIGHT」へと進み、YUはダンスをしながらメロディアスなボーカルでオーディエンスを魅了。CHOJI、KENJIもジャンプ混じりにハイテンションでの演奏を見せ、YUの艶やかなロングトーンで着地した。

この会場がいま日本で一番

【撮影= Masaki Sato / Jun Yamamoto (Faith)】

 「豊洲PIT! 調子はどうですか!」とYUがシャウトすると会場からの全力歓声がこだました。そしてYUはこの日18箇所にカメラが設置されていることを伝え、「この会場がいま日本で一番イケてる会場だということをみなさんに証明してもらおうかな!」と、爽やかにオーディエンスを煽る。もちろん会場からは大反響だ。「本当にやれるのかな…やれるじゃなくてやるんだよ! 結局、今日という日を楽しむのは“あなた次第”」とYUが告げた刹那、「UP TO U」が走り出した。

 SHUKIのビートが基軸となる絶妙なグルーヴ感のなかでファルセット混じりのYUのボーカルが心地良く浮遊。そして会場オールハンズアップのなか披露された「AITAI」では、彼らのミドルテンポのグルーヴの秀逸さをこれでもかというほど浴びることができた。個々の演奏スキルが際立って光るショートジャムセッションを挟み、YUの「あなたの心に火を点けよう」という言葉からの「FIRE」。クールなセットリストの運びで燃え盛る「FIRE」では、YUがCHOJIとハグ気味に絡み合い、KENJIともフレンドリーにドッキングしてのパフォーマンス。メンバー愛が垣間見えるシーンを見せつつ、ライブはしっとりとしたムードへ移行していった。

 「PLEASE」ではYUのクールなギター弾き語りバースからの演奏を魅せた。YUのファルセットボイスが優しく会場を包み、バンドインするとクールなチルアウトサウンドがじわりと広がった。そのなかで響き渡るCHOJIの甘く太いレスポールサウンドがメロウに、そして叙情的に展開され、構成豊かなギターソロは燃え盛るようなトレモロピッキングで楽曲を牽引した。

【撮影= Masaki Sato / Jun Yamamoto (Faith)】

 続く「ZERO GRAVITY」では天井からミラーボールが現れ、ソウルフルなアンサンブルと共にオーディエンスの体を揺らした。彼らのグルーヴィー、メロディアス、パフォーマンスと、隙のないステージングに酔いしれるオーディエンスからは“この会場がいま日本で一番”ということを物語るようなバイブスを放っていた。

あなたの人生はあなたのもの。誰のものでもない

【撮影= Masaki Sato / Jun Yamamoto (Faith)】

 MCでYUは「こんなにたくさんの人が来てくれるなんて。今日はソールドアウトです。本当にありがとうございます!」と、バンド史上最大規模のワンマン公演満員御礼の感謝の気持ちをオーディエンスに伝えた。そして、「みんなの気持ちに寄り添えるように」という言葉を添え、「CALL ME」を優しく歌い上げた。

 壮大に盛り上がっていく楽曲が閉じられると、ステージ中央でYUはサンプラーを叩き出す。あらゆるサンプル音を出しているうちにKENJIとCHOJIも加わり、ビシバシと楽しげに音を重ねる。そしてSHUKIもドラムセットからセンターに移動し、サンプラーを一人で操り熟れた手つきでビートを刻むというパフォーマンスを見せる。美味しいところをかっさらい再びドラムセットへ帰るというコミカルなシーンで会場の笑いを誘った。そしてヒップホップなサウンドが出力されたこのタイミングで「DO YA?」を披露。ラップにヒップホップビートとそれだけでも十分上がる楽曲だが、ここに鋭いギターソロが8小節ずつブチ込まれるアプローチは彼らならではのグッドテイストだ。

 ライブ熱が上昇しっぱなしの本公演、終盤にさしかかった「Freaky boy」ではKENJIが火を噴くようなスラッピングベースを叩き込み、CHOJIはギターを頭の後ろに掲げながらアクロバティックにギターソロを決める。そして導入のギターアルペジオで歓声が沸いた「WE ARE YOUNG」ではオーディエンス一体のジャンプを引き起こした。この熱気を受けたYUは「全国まわってきましたけど、優勝をあげよう!」と、東京ファイナル公演で見せた熱気あふれるオーディエンスに対し“優勝”をプレゼント。そして「東京の人達ってこんなに凄いんですね」と、改めてこの日発せられたエネルギーに対しての驚きを言葉にした。

【撮影= Masaki Sato / Jun Yamamoto (Faith)】

 最終曲を前に、メンバーからオーディエンスへコーラスのレクチャーがおこなわれた。客席を中央から左右に「KENJIチーム」と「CHOJIチーム」の2手にわかれ、客席から向かって左の「KENJIチーム」はコーラスの下のパート、右の「CHOJIチーム」は上のパートと、オーディエンス全員でハーモニーを合唱するという豪快なアプローチだ。準備が整うと本編ラスト「TRY FOR YOU」へ向かい、この上ない空気感のファイナル公演大団円を表すような特大ハーモニーに包まれ、ドラマチックに本編は幕を閉じた。

 アンコールに応えて再び姿を現したアイドラは、YUの「新曲を、お届けしましょう」という言葉からの「Plastic City」の披露から計3曲のアンコール曲目を演奏した。

 最後のMCでYUは、「本当に僕らは自分達を信じて良かったと心の底から思っています。そして、その幸せをくれたみなさん本当にありがとう」と、オーディエンスへ胸いっぱいの感謝を伝えた。「もっと大きなステージに立ちたいし、もっと良い曲を書きたい。そしてミュージシャンとしてもっとスキルアップしていきたい」と、どこまでも高い意識と意欲を表した。

 そして、「俺の人生の主役は俺で、だからとことんやっていきたいと思う。今日はみなさんにそれを伝えたいと思っています――それぞれみんな人生があるでしょ? あなたの人生はあなたのものです。誰のものでもない。だから思い切りやってください。いいですか東京!」と、頼もしいメッセージをオーディエンスへ投げかけた。

 「俺達も突っ走る、だからあなた達も突っ走ってほしい。あなた達が頑張るから俺達も負けないように頑張る。だからお前ら俺に負けんなよ!」と、YUは力強く告げ、「みなさんと一緒に歌いたい曲があります」と「DIAMOND」を披露。ライブの締めくくりにふさわしい壮観な景色が広がりオーディエンスからのシンガロングに包まれ、ラストはYUの魂のロングトーンシャウトでフィナーレとなった。

 最後にメンバーからニューアルバムの7月リリース、そして9月から12月にかけて開催される全国ツアーがアナウンスされた。突っ走り続けるI Don’t Like Mondays.の驀進への期待感はどこまでも膨らむばかりだ――。

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h4>セットリスト

『I Don’t Like Mondays. "F U T U R E" TOUR』
2020年2月8日@東京・豊洲PIT

01.FANCY GIRL
02.TOKYO BROTHERS
03.LEMONADE
04.TONIGHT
05.UP TO U
06.AITAI
07.FIRE
08.PLEASE
09.ZERO GRAVITY
10.CALL ME
11.DO YA?
12.Freaky boy
13.WE ARE YOUNG
14.TRY FOR YOU

ENCORE

EN1.Plastic City
EN2.gift
EN3.DIAMOND

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