田村芽実「私を選んでとお祈りしてた」本田美奈子.さん役で舞台
舞台「minako‐太陽になった歌姫‐」の会見に出席した、早見優(左)と田村芽美(撮影・小池直也)
女性アイドルグループのアンジュルム(ex.スマイレージ)の元メンバー・田村芽実(18)が16日、都内で舞台『minako‐太陽になった歌姫‐』の制作記者発表会に出席した。舞台で2005年に亡くなった歌手の本田美奈子.さんの役を務める田村は「天国の本田さんに『何かあったら私を選んでください』って本当にお祈りしてた」と今回の舞台が夢だったという。また会見後の囲み取材に、本田さんの友人であった早見優と2人で臨んだ。
この舞台は2005年に、急性骨髄性白血病で亡くなった本田さんの生涯を通して、愛と夢と希望を描く物語。彼女を発掘し、生涯を見守り続けた芸能界の育ての親である高杉敬二氏の総合監修のもと、今年5月に舞台上映が決定した。なお今年は彼女の13回忌でもあり、公演期間中は衣裳展示などの回顧展も予定されている。
この舞台で主演・本田美奈子.役を務める田村は、この日が昨年5月のアンジュルム卒業公演以来となる公の場。発表会に登場した田村は「役9カ月ぶりの公の舞台なんですけど、ここに来させて頂けることを大変嬉しく思っています。とても緊張しているんですが、今日はよろしくお願い致します」と明るく挨拶。
以前から本田さんのファンだったという田村は、「とにかく明るくて笑顔の耐えない人っていうのは聞いていたんですけど、物心ついてから本田さんのファンで大好き。小さい頃、よく天国の本田さんに『何かあったら私を選んでください』って本当にお祈りしてたんですよ」と明かした。
また、田村は本田さんのお墓参りにも3度行ったといい、「本田さんのお墓は太陽が降り注いでいる様な感じがしました。本田さんだけに聴こえる様にちょっと歌ったら、その瞬間にびゅうっと風が吹いたんです。きっと本田さんも歌ってくれているんだなって思いました」と不思議な体験を回想した。
脚本・演出を担当した野沢トオル氏は、田村の起用について「初めての出会いは5年前です。それから日本武道館での卒業公演を見た時に『この子は本当にハロー!プロジェクトの宝だったな。これからミュージカル女優としてとんでもない存在になるな』と思いました。その後に舞台のお話を頂いて、悩むこともなく彼女を指名しました」と説明した。
その後、田村は本田も歌っていた「アメージング・グレース」を生披露。綺麗な声を会場に響かせた。さらに会見には本田のアイドル時代からの仲間である、早見優も駆けつけ「凄く素敵でした。今回は美奈子ちゃんを演じるんですけど、田村さんの素敵な部分を引き出して舞台で発揮して頂けると嬉しいです」とエールを送り、「心の中から来る、純粋さが美奈子ちゃんに通じるなと思いました」と評した。
」
発表会の最後にサプライズで本田さんの母親による手紙が代読されると、田村は思わず涙。「何故かわからないですけど、本田さんのお母様から手紙と聞いた瞬間に胸が一杯になってしまいました。本番、改めて頑張ろうと思いました」と気を引き締めた。
発表会終了後、田村と早見の2名が囲み取材に臨んだ。田村は「本田さんの事は物心ついた時から好きで、幼稚園の時から知っていました。魅力は常に歌を大事にしているところ。尊敬しています。あとはとにかく明るい所も大好きです」と本田への愛を語った。
舞台への意気込みを問われると「演出家の野沢さんが本田さん50パーセント、私50パーセントで脚本を書いても、あんまり離れていない、とおっしゃってくれました。自分だったらどうするかと、本田さんだったらどうするのかっていう気持ちを合致させていきたいです」とコメント。
早見は本田の魅力について「とても歌に対して丁寧なところです」と語り、「でもこれは歌だけではなくて。昔、美奈子ちゃんがホットケーキを作ってくれたんですけど、それが今までに見た事のない円形だったんです。ふわっとしてて美味しかった。それを見た時に美奈子ちゃんの全てがわかっちゃった感じ。何をするにも愛を持って、丁寧に最後まで作り上げてくれるんだなと思いました」と2人の思い出も明かした。
それを聞いて田村は「私も全てにおいて丁寧にやっていきたいです。私はホットケーキ作れないので、まずそこから始めます。みんなに食べて戴ける様に稽古場に差し入れして、素敵な稽古場を作って、素敵なステージにしたいと思います」と力強く語った。(取材・小池直也)