病室で、弥生とサクラ

 林翔太が主演、田村芽実、岡田奈々、神里優希が共演するミュージカル『弥生、三月 -君を愛した30年-』の取材会及び公開ゲネプロが20日、東京・サンシャイン劇場で行われた。

 2020年3月に公開された同名映画の舞台化。運命で結ばれた2人の30年を、3月だけを切り取って描くラブストーリー。岡田奈々が演じるサクラは、主人公の山田太郎(林翔太)と、太郎が想いを寄せる弥生(田村芽実)の親友で、彼らの運命を握る役どころ。

 その物語は高校時代から幕開けする。制服姿の3人。和気あいあいと学生生活を送るが、サクラだけは他人と異なる。大病を患い、その病気への誤った認識から周囲から冷たい目で見られる。そんな彼女を救うのが弥生だった。

 シーンは教室から病室に変わる。しかし無邪気に触れ合うサクラと弥生。特に岡田が演じるサクラは健気。彼女の歌声も繊細ではかなく、時に力強い。特に弥生演じる田村とのデュエット曲「奇跡の人~もしもあたしに奇跡が起これば~」は胸が締め付けられる。

サクラに寄せる周囲の偏見をキスして取り払う弥生

病室で、弥生とサクラ

 この3人が過ごす時間は、このミュージカルでは30分程度だが、その後の物語に大きな影響を与える重要なシーンだ。どれだけ観客に印象を残すかが大事で取材会でも岡田は「一緒に歳を重ねることはできませんが最後まで頭の片隅に残るように精一杯演じたいです」と語っていた。

 サクラの、病気に屈したくないという思いと自身の運命を受け入れようとする、そして届かぬ思い…その姿に心が打たれる。それを演じ、歌で表現する岡田。サクラに感情移入していくのは自然な流れだった。

 亡き後も心の残るサクラの面影。2人もまたサクラに影響され続ける。そして迎える年老いた弥生と心に生き続けるサクラとの歌の共演。泣きわめく弥生、声を震わせて歌うサクラ。自然と涙が溢れる。

年老いた弥生とあの頃のサクラ

 林と共に30年を演じる田村。年齢ごとに声色を変え歳の変化を繊細に表現。なんといっても迫力と繊細さ、のびやかさと太さを併せ持った歌唱力は空気を飲み込むほどの力強さがあった。繊細な岡田とのデュエット、安定感のある林とのデュエットは聴きごたえがある。

 一人の人生の儚さと同時に紡がれていく人の思いを描いた本作。大切な人を想い、自身の人生を振り返るきっかけにもなるだろう。

あの頃のサクラ

 本作は4月21日から24日まで東京・サンシャイン劇場で、27日から28日まで京都・京都劇場で、5月5日には愛知・名古屋市公会堂、5月7日から8日は大阪・サンケイホールブリーゼで上演される。

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