Joy Opposites、高密度なサウンド空間 轟音渦巻く新宿の一夜
米ロックバンド・CITIZENの日本ツアー『CITIZEN Japan Tour 2016』に参戦したJoy Opposites
元FACTのメンバーによる新バンド、Joy Opposites(ジョイ・オポゼィッツ)が11月5日・6日、東京・渋谷THE GAMEと新宿ANTIKNOCKでおこなわれた、米ロックバンド・CITIZENの日本ツアー『CITIZEN Japan Tour 2016』に参戦した。Joy Oppositesはこのうちの両日の公演に登場し、感情を叩きつけたようなサウンドで全6曲を披露。HOLLOW SUNS、STAND UNITED、DEACONのハードコア系バンドとともに爆音を響かせ、CITIZENの日本ツアーを飾った。今回は6日公演の模様を以下にレポートする。
序盤はハードコアバンドで攻める
定刻を少々過ぎたところで、トップバッターのSTAND UNITEDのパフォーマンスでスタート。4人から繰り出される荒々しいハードコアサウンドで、一気にライブハウスを爆音で満たした。トップバッターとしての勢いを見せ付け、次のバンドDEACONへ。DEACONはダウンチューニングでベースとはまた違うレンジ感の低音で包み込む。POT90(Vo)の激しいステージングで煽り、スラッシーなギターリフが空気を切り刻むようだった。3バンド目は4ピースロックバンドのHOLLOW SUNS。ストレートな感情を叩きつけるShuhei B Dohi (Vo.Gt)の歌声に、バンドによる多彩なサウンドメイクで聴かせてくれた。カラッとした風を感じさせるサウンドが心地良い。
せめぎ合うサウンドで魅せたJoy Opposites
そして、Joy Oppositesがステージに登場した。今回はイギリスにいるImmy(Gt)に代わり、サポートギタリストにYUYAを入れライブに臨む。オープニングナンバーは1stアルバム『Swim』の1曲目を飾る「Candyass」。Adam(Vo.Gt)のリフがライブハウスに響き渡る。一斉に楽器が入ってくると、音が絡み合い、そのダイナミズムによって高揚感を煽られていく。その勢いのまま「Now & Then」へ。静から動へと流動し、このエモーショナルな展開にアドレナリンは全開。
Adamは「新宿ANTIKNOCK楽しい! やるのは10年ぶりぐらいかな。ICE GRILL$がCITIZENを呼んでくれて嬉しい。ありがとう!!」と感謝を告げ、混沌とした雰囲気を醸し出すギターシンセを掻き鳴らすセッションから「Somewhere Down The Line」を披露。外側からではなく内側からえぐられるような感覚。密度の濃いサウンドによってバンドの持つ世界観に引きずり込んで行った。
一気にギアを上げて「Blossom Forecast」へ突入。サビではAdamとTomohiro(Ba)の歌のハーモニーで広がり与え、Eiji(Dr)の瞬発力とパワーが見事にマッチしたドラミングで心地よいドライブ感を出していく。音源よりもさらにヘヴィさを増した楽曲のグルーヴにオーディエンスは自然とリズムを刻んでしまう。
そして、1stシングル「In My Bones」で爆弾でも投下されたような衝撃が走る。Tomohiroの色気のあるベースラインがアクセントとなり、その上をAdamのテンションの高い張り裂けそうな歌声が紡いでゆく。歌と楽器が一体となり塊となって飛んでくるようだった。
ラストは「Slip」。衝動的なダークなサウンドは、スケール感を変えながら時を刻んでゆく。嵐の前の静けさとも言えるセクションから、感情を叩きつけるサビへとつながる展開によって、ボルテージは最高潮。削ぎ落とせる所を削ぎ落としシェイプされたサウンドは、先鋭された刃のようだ。まだ成長途中だと以前のインタビューで語ったJoy Opposites。この先どんなメタモルフォーゼを繰り返し、音楽を産み落としていくのか非常に楽しみになった。
オルタナティブでドラマティックなCITIZEN
大トリはアメリカから来日した5人組ロックバンドCITIZENが登場。今夜が日本での最後の公演となる。「Sleep」で幕は開けた。サイケデリックでオルタナティブなサウンドがライブハウスを包み込む。Mat Kerekes(Vo)の緩急をつけた歌がバンドサウンドの上をエモーショナルに彩り、時に咆哮のようなスクリーミングで圧倒していく。
Jake Duhaime(Dr)の繰り出すビートも大陸の力強さを感じさせるものだった。空気までも変えてしまうような重たいリズム。そこにEric Hamm(Ba)の低音が乗り雷鳴のような激しさを醸し出す。そして、Nick Hamm(Gt)とRyland Oehlers(Gt)のツインギターも、時に繊細にまた荒々しく多彩な音色で空間に絵を描いていくようだった。「Dive Into My Sun」のようなどっしりとしたミディアムナンバーで高揚感を煽っていった。
異次元空間へ誘うようなサウンドや、静から動へのドラマティックな展開に、酔いしれる。最後に演奏された「The Summer」は言葉はわからずとも、Matの感情を叩きつけるような歌から熱いものを感じることができた。確固たる世界観を作り出すバンドサウンドは、日本でのブレイクを感じさせた。
(取材・村上順一/撮影・冨田味我)
セットリスト
『CITIZEN Japan Tour 2016』
11月6日 新宿ANTIKNOCK
Joy Opposites
01.Candyass
02.Now & Then
03.Somewhere Down The Line
04.Blossom Forecast
05.In My Bones
06.Slip
ライブ写真
ライブ情報
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11/26(土) 渋谷 CYCLONE
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11/27(日) 豊橋 club KNOT
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12/12(月) 広島 CAVE-BE
12/13(火) 岡山 CRAZYMAMA 2nd Room
12/14(水) 高松 DIME
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12/30(金) 渋谷 club asia
NOTHING with JOY OPPOSITES JAPAN TOUR 2017
1/12(木) 京都GATTACA
1/13(金) 大阪PANGEA
1/14(土) SHIBUYA THE GAME
1/15(日) 新宿ANTIKNOCK