元FACTのメンバーによる新バンド、Joy Opposites(ジョイ・オポゼィッツ)が本格始動した。8月10日には、1stアルバム『Swim』をリリース。オルタナの雰囲気を持ち、FACTの時とは対極にあるサウンドを奏で、新たな一面をのぞかせている。メンバーは、元FACTのAdam(Vo.Gt)、Tomohiro(Ba)、Eiji(Dr)の3人に加えて、FACT時代にツアーマネージャーとしても携わったImmy(Vo.Gt)を迎えた。アルバムリリースから約3カ月が経ち、今は精力的にライブ活動を展開しているという彼らは「バンドが育っている真っ只中」だと話す。今回は、Adam、Tomohiro、Eijiにインタビュー。歌詞へのこだわりや音楽に対するベクトル、ポリシー、さらには日本と海外のライブ事情などについて話を聞いた。
「どういう意味なんだろう?」と考えさせたい
――FACTが解散し、Joy Opposites結成までの経緯どのようなものだったのでしょうか?
Tomohiro FACTの解散の話が決まって、ツアーで色々回ったりしたんですけど、実際に動き出したのは解散してからです。もともとこの3人でいる事は多かったので、その流れで「じゃあやろうか、音楽を続けようか」という思いのなか、もう一人のギタリストが必要という事で、もともと知り合いのImmyに声を掛けたんです。
Adam いろいろ提案はあったんだけど、マーティ・フリードマンには断られて…。(笑)
Tomohiro それはない(笑)。
Adam そもそも連絡先も知らない(笑)。それで誰だったらいいんだろうという話をして、単純に昔からの友達に。
――ImmyさんはFACTのツアーマネージャーをやられていたんですよね。
Adam イギリスの時は何回かやってもらっていました。最初は運転だけで、そこからツアーマネージャーになって、その前も俺と一緒にイギリスでバンドをやっていたんです。だから10年くらい前からの友達だから、「一緒にやったら楽しいね」と思って。
――学生時代のようなバンドのノリ?
Tomohiro それに近いかもしれないですね。「あの人が入ったら面白そうじゃん」っていう。もともと友達ですし。
――結成は自然な流れとの事でしたが、4人はパルス的に合うものがある?
Tomohiro 昔からツアー中も一緒にご飯食べに行ったりしていました。それって同じ趣味趣向が合っているからだと思うんです。あそこ見に行こうよって言えば「じゃあ行こうか」とか。そこに他のメンバーはついて来なかっただけで。多分自然な感じですよ。練習の後もAdamの家に行ってゲームして遊ぶとか、普通にそんな感じです。
――4人は音楽の好みも合いますか?
Tomohiro 合うところとバラバラなところはあります。それぞれが好きなものが幅広いと思うんですよ。そこでリンクしている部分をたぶんJoy Oppositesで表現しているのかなという気がします。
――バンド名である「Joy Opposites」はAdamさんが名付けたのでしょうか?
Adam 俺が提案したんだけど、それは俺らの好きなCave Inというバンドの曲名からきたんです。アメリカのボストンのバンドなんですけど、Cave Inの曲名であって、このバンドはみんな共通で好きなんです。バンド名「Joy Opposites」の意味は人によってそれぞれ捉え方があると思います。“楽しいの反対”、直訳はそうなってしまうんですけど、その意味が欲しくて名付けた訳じゃなくて、単純にその響きが好きだということと、Cave Inが好きで、あとは「どういう意味なんだろう?」と考えさせたくてというのもあります。
――まさにバンド名の意味を考えてしまいました。
Adam Yes! そういう事です!
――他にもバンド名の候補はあったんですか?
Adam 無かったですね。
Tomohiro 「どういう感じのがいいんだろうね?」と数日話している中でAdamが「Joy Oppositesは?」と。みんな即答で「いいじゃん」と。だから候補はもう出て来なくて「これいいじゃない」となったんです。
Eiji Adamがいいと言うやつは全部いい(笑)。
一同 はははは!
Eiji 僕はAdam信者だから(笑)。Adamは言う事が本当にカッコいいんですよ。出てくるアイディアとかも凄くカッコいいなっていつも思うんです。
――ということは歌詞に対しても文句なく?
Eiji いやもう無いですね。ある訳がない(笑)。英語圏の本物の人だから。
Adam ありがとうございます。
Tomohiro AdamはFACTの時から歌詞を考えてくれていて、歌詞の内容も話したりするんです。考え方がそこで不安であったりしたら「ちょっと教えて」と先に聞くんですけど、ボーカリストから出て来たものを自然に歌うという方が良いので。
Eiji こういう“本物の人”にボーカルをやってもらうのが俺の中では正解だったんです。
――出て来るものが自然というところもありますね。
Tomohiro 感じ方は人それぞれだと思うんですよ。日本人が英語で歌うときの発音がえっくん(Eiji)には違和感があって、俺は別に好きな表現の仕方でいいんじゃないかなと思います。その人から発している言葉で、伝わる伝わらないを気にしないのなら、それでもいいんじゃないと。ただ、ベクトルがどこに向かうかが大事かなと思う。こうやってメンバーで話していても、本筋は一緒だけど、細々したところは、さっきの音楽の話みたいに色んな考え方があって、だけど別に否定はないし、自由に居れるというのが自然だなと思います。
Adam 俺は母国語じゃない言葉で書こう思った事はないです。日本語は喋れるけど、自分が言いたい事が上手く言えないと思うし、言い回しも色々あるし、それが自分は上手く使えないです。
――Adamさんの日本語はかなりレベルが高いと思うんです。きっと自身の中でのハードルの問題ですよね?
Tomohiro 海外の人でも日本語の響きが好きでやる人も居ると思います。それは確かに、自分の思っている「何を、どこまで伝えたくて」というところにハードルやベクトルがリンクしていくのかなと思います。
Eiji 英単語が好きなんですよ。
Adam 言葉は、文章の感じや読み方によって色んな捉え方があるありますよね? 英語なら「ここはこの単語を使ったら面白い」と思えるけど、日本語だったら自分の頭の中で思っている事を文章にする事で必死ですよ。だからカッコいい事は絶対に書けない…。
――歌詞のギミック的なところまではなかなか難しい?
Adam 難しいです。自分の場合は母国語ではない日本語という選択肢はないです(笑)。
Eiji Adamは日本語で歌を歌う時は、必ず俺のフルネームを歌詞にして歌うんです。
一同 はははは!
Tomohiro そうだよね(笑)。
――もう、愛し合っていますね。世界を目に向けた場合はやはり英語の方が良いですか?
Tomohiro 英語が世界共通言語となっちゃうとそうなのかもしれませんね。
Eiji それぞれの見解はあると思うんですけど、何だろ?ちゃんとしたいなと僕は思う方なんで。
Adam 俺は日本のバンドだったら日本語で歌った方がカッコ良く感じる。個人的な意見なんですけど、Envyとかも凄くカッコ良く感じる。
Eiji 芸術性を感じるよね。
Adam それは日本だけではなく、例えばノルウェーのバンド「KVELERTAK」はノルウェー語で歌っていて、さっぱり分からないけどそっちの方がカッコ良く感じるし、ドイツのバンド「RAMMSTEIN」もドイツ語でカッコいいし、気持ち良く感じるんです。でもそれは人それぞれだと思いますけどね。
――母国語の方が自然になりますよね。そうすると、言葉の意味は分からなくても音として聴いた時にカッコ良く聴こえたりするのかもしれませんね。
Tomohiro 難しいですよね。俺からするとデスメタルのバンドの歌詞を聴き取れるかっていうと、聴き取れないけど、それが良さだったりするじゃないですか? それぞれが良いって思っているバンドはそれで「良い」のではないかと思うんです。こういうのが難しいのは、話が活字になった時点でディスっているみたいになっちゃうんですよ(笑)。そうじゃなくて、人それぞれ音楽の楽しみ方があって、作り方があって、というところが凄く大事だと思うんです。
Eiji 自分がバンドをやる上で、という所ですかね。個人的なポリシーと言いますか。
無駄なものをけっこう省いた
――今作の『Swim』は、お話にあった皆さんの音楽のルーツが表れていますし、FACTの時の展開が変化する雰囲気などが引き継がれていると感じます。個人的にはプログレっぽいニュアンスも感じました。楽曲やアルバム自体にストーリー性があるといいますか。そして、サウンド的には必要最低限という感じがしたのですが。
Tomohiro 確かに無駄なものをけっこう省いたというのはありますね。最初にレコーディングする前の感じだと、それこそもっとプログレ感があったんです。でもプロデューサーのアレックス・ニューポートの意向であったりとか、俺らが曲を何曲も書いていった中で、ちょっと削ぎ落とした部分でもあるんです。
Eiji このバンドをやるにあたっては凄く深い作品を作りたかったので、そういう感じがプログレ感にも影響しているのかなと思います。
Tomohiro アレックスが提案してくるものはゴールも見えているし、そこについて行くという信頼関係のもとにやって、凄く良い方向に導いてくれたのかなと思います。
――FACT時代から様々なプロデューサーとやってこられたと思いますが、アレックスさんの特徴は?
Eiji “スペーシーな感じ”
Adam あと“ナチュラルでオーガニックな感じ”も
Tomohiro たぶん録り方も相互感があった。デジタルと、昔ながらの「一発でドン!」という両方の合わせ技というか。今は録ったデジタルデータを切り貼りして、ひとつのフレーズを永遠にループ出来るんですけど、それをアレックスはしないし、俺らが若かった時のテープで録るような感覚をデジタルでやるという。でも基本はアナログ的な録り方をするという人なんです。
Adam コピペとかやらせてくれない(笑)。全く同じフレーズでも、それをもう一回録る。
Eiji だからこそ、良い意味で余計な事は省いていきましたよね。
――そうするとライブ感も出ますね。
Eiji ドラムが録り音そのままで、音を加工するにしてもそれが軸になっている音なんです。
――普通は最近のドラム録音はトリガーもしたりしますよね?(編注=トリガーとは、音がアタックされたタイミングにサンプル音を差し替える録音編集方法)
Eiji それを今回は全くしなかったんです。トリガーについては前から常々思っていることがあって、そもそもエディットした時点で「エディットした人のグルーヴ」になっちゃうんですよ。実際にドラムを叩いたタイミングに合わせているから、音色などが凄く正確になるんだけど、それがエディットした人のクセが出るんです。だから一発録りのグルーヴをそのまま使った方がいいんだろうなと、ずっと思っていて…。そう思っていたところに、今回のような録り方が出来たんです。
――ドラムはデイヴ・グロール(編注=フー・ファイターズのフロントマン。元ニルヴァーナのドラマー)のセットで録ったんですよね?
Eiji そう、いいハプニングでした!(笑)
――自身のドラムセットとはやはり違いましたか?
Eiji とりあえず重かったです(笑)。密度が高い木を使っているんだと思います。きっと。
――ベースの録音はどのように?
Tomohiro 基本的にはラインと、エフェクターの音と、普通にアンプを鳴らして録りました。いつも以上に生の感覚で頭から最後まで弾いて、同じくコピペはなしでといった感じで。ドラムも多少はデータに触れて正確なタイミングに近づいてはいるんですけど、ジャストのタイミングではないので、後ノリだったり前ノリだったりなど、いつも以上に引っ張られたというか。だから楽しかったですよ。クリック(メトロノーム)に合わせるというよりドラムに合わせるので。
――立って弾いて録音したり?
Tomohiro 今回は座って弾きました。立って弾くと正直体力もけっこう使うので(笑)。
――Adamさんは録音はどのように?
Adam ギターと歌はデイヴ・グロールのSTUDIO606じゃなくてアレックスのホームスタジオで録りました。ギターは凄く時間かかった! 何でかと言うと、ギターを7、8本くらい使って、アンプ3台、エフェクターもいっぱい使ったんです。1曲の中で同じギターを弾いている訳ではなくて、セクション毎にギターもアンプも変えてやったんです。その組み合わせを探すのが凄く大変でした!
――それは組み合わせが多くて大変ですね。
Adam さらにそこにエフェクターが入るんです。「このパートは絶対Fuzzだね」と決まったとしても、アレックスはFuzzを8種類くらい持っていて!(編注=Fuzzとは、音を深く歪ませるエフェクター)
――そこから更なる選択肢を迫られると(笑)。
Adam でも、すごく楽しかったですよ。アレックスは機材オタクという訳ではないけど、色んなもの試して音を探すというのが好きなんです。アレックスが持っているエフェクターは面白いのが多くて、スマッシング・パンプキンズがよく使っていた“Fender Blender”というFuzzを「ここはコレが合うんじゃない?」と提案をしてきて、それに対して自分も「試そう!」という感じで凄く楽しかったんです。
――プレイヤーとしては音を探している時のワクワク感は代えがたいものがありますよね。
Adam そう、それはすごくあったけど「早く終わりてえ〜」とも思って(笑)。
――果てしないですしね(笑)。
Adam わがままかもしれないけど、この後ボーカル録りも待っているなって思うと…。なのでFACTのレコーディングとは全然違いましたね。
Tomohiro 正反対くらいまで違ったかもしれないね。
“曲が育つ”というよりか“バンドが育っている”感覚
――『Swim』のリリースから約3カ月が経とうとしていますが、ライブなどを経て作品に大しての印象が変わった部分はありましたか?
Adam ライブではCDよりも全体的にサウンドは重くなっているんじゃないかと思います。ヘヴィになっている気がする!
Tomohiro アルバムにはその作品の流れがあるんですけど、ライブはまた違う流れなので、自然と聴こえ方も違ってくると思うんです。その中で、やったから分かった事というのは色々あって、それが最初にサマソニでやった時と今とでは多分全員が違う感覚で曲を捉えているのかな、という感じはしますね。録音も皆で顔見ながら何十回、何百回ってやったかもしれないけど、それとはまた全く別物なので。やっと曲をライブで演奏する事について、皆で共有している意識のもとで進み始めているんだろうなという感覚です。
――「この曲の、ここをこうしても良かったかな?」というのもあるのでしょうか?
Tomohiro 曲の構成というよりかは、表現の方法はありますね。音源の時はこれで全然OKで、ただそれを完全に再現出来るかというと、やはり音響が違う、Adamもギターも7、8本ある訳じゃない、という事で完全再現は出来ないという時に、その曲のそのパートに対してはどうアプローチするかは変わってくると思うんです。頭の中で鳴っている音源の音と、今出ている音は違うと。ただ、ここは「これだからイイ」と思うだけで凄く変わってくるんです。
――確かに完全再現は難しいと思います。
Adam 例えば「In My Bones」だったら、後半のボーカルのメインハーモニー、カウンターメロディー、それに対してのコーラスも入っているから、それをライブでは中々出来ないですしね。
Tomohiro 全てがそうなんですよ。ドラムセットが違えば、EQもコンプも全部が違うんです。中音(編注=ステージ内でプレイヤーが聴こえている音)でそれを全部モニタリング出来るかというとそうではなくて、自分達がステージ内での聴こえ方は一日一日で違うし。それを「昨日はこうだったね、その前はああだったね」と話をする事で、“曲が育つ”というよりか“バンドが育っている”感覚に近いのかなと個人的には思います。
Adam 毎日ビデオを録って、その日のライブを観ているからライブのクオリティを上げようともしているけど、やっぱり「バンドで俺らはどういう事が出来るか」というのもちょっとずつ分かってくるから、確かにバンドを育てているという感じはあります。
Eiji 結局このアルバムを発売するまで一回もライブをやった事なかったので、今どんどん奥行きが出来てきている状態ですね。
――アルバム発売記念の公開リハーサルもやられていましたよね。
Eiji まだ1回もライブやっていない中で、よくやったなというのがありますね。今考えると恐ろしいことです(笑)。でも変な自信はあったんです。
――きっとキャリアや積み重ねたものが自信になっているんでしょうね。長い付き合いの皆さんではありますが、また新たなバンドを一から始めているという感覚はありますか?
Tomohiro リスタート感は物凄くありますね。「Joy Opposites」としての構築を始めているというか。プレイヤーとしてのスキルというのは別な気がしますね。上手い人だけ集めてライブをやってバンド感とか表現したい事が120%出るかというと、それは凄く難しい事だと思っています。俺らがスタジオミュージシャン程できるとも思っていないし、この中で出来るものを模索する事が面白さであったり。ちっちゃい事なんですよ。「イントロが今日決まったね」「ここが良くなったね」とか、それでみんな喜びを感じるというか。
――それがないと続けていくのは難しいですよね。
Tomohiro そうなんです。チケットがソールドアウト出来るバンドで、じゃあこの曲をやって、このレスポンスが来た、という事ではなく、さっきAdamも言っていたようにビデオを観ながら、今俺らはバンド自身を「自分達がどう進んでいくか」というものを育んでいる感じが面白いし、それが一番のモチベーションになっている気がします。
――気が早いですが次作の事も常に考えているのでしょうか?
Adam そのタイミングで思った“いいもの”を常に作り続けています。バンドはメンバーが変わらないから、「俺らが出来る今の事」をという感じです。それでライブをやって、自分達のバンドをもっと深く理解して「どういう事が出来るか」という事を考えて、次に曲を作る時にはより深い曲が出来ると思うんです。
Eiji より“Joy Opposites”になっていっていると思うんですよね。
Tomohiro 次作ではよりライブ映えしそうなイメージがあるんです。えっくんがドラムを付けて、アレンジしながら最後に俺がベースを落とし込んでいくという流れになっていますけど、それはそれで何か楽しみな事で。ただ、ちょうど一区切り、Crossfaith、FIVE NEW OLD、coldrainとのライブが終わった時点でちょっと一息を付けて見直したりとか、今色んな事が出来るタイミングなんだなと思います。
周りに1つもいなかった
――Crossfaithやcoldrainなどの若い世代からしたら皆さんは憧れの存在だと思います。今の若い世代の音楽シーンを見て、変化は感じますか?
Eiji FACTでガンガンやっていた時に彼らが出て来たと思うんですけど、やはり明らかに今は一つ一つになってきているというか、CrossfaithはよりCrossfaithになっているし、coldrainもそうだし。みんなクオリティがどんどん上がっていって、ヘッドライナーのバンドというか、シーンの中の一緒、じゃなくてそれぞれが良い意味で一人歩きして確立していってるなと思います。
――皆さんはその若い世代のシーンに刺激される事もありますか?
Eiji いっぱい刺激頂きましたね。
Adam クオリティが凄いですよね。昔はあんなクオリティでやっているバンドは周りに1つもいなかったよ。
Tomohiro 昔だったら海外に出て勝負するバンドはほとんどいなかったけど、今は単体でも勝負するバンドがいて凄いなって思うし、いいよねと思います。「海外に出るからいい」じゃなく、「国内でいいからいいや」というわけでもなくて、貪欲でいろんな面白さも欲しいし、色んな所に行ってやりたいし、色んな人に聴いて欲しいしという、単純にそれじゃないですか?そういうのがやっぱり凄くいいなって思うんです。
――ツアーでいろんなバンドと一緒に回るのはやっぱり楽しいですか?
一同 楽しいです。
――ワンマンよりも?
Eiji 俺は100%そう。ワンマンはワンマンでやった方がいいと思うんですけど、寂しいんですよね(笑)。
Adam 日本ではワンマンツアーというシステムがあるんだから、やれるんだったら絶対やった方がいいと思うんですけど、海外ではワンマンツアーというのはほとんど無い!凄いアーティストでもサポート、オープニングアクトはだいたい居るんです。
――完全にワンマンツアーというのは海外ではないんですか?
Adam ある時はあるんだろうけど、少ないです。特に俺らがやっているような音楽では無いです。システムが違くて、ブッキングエージェントが海外では大事なんです。そのエージェントが他のエージェントと勝負になっていて、「誰が一番おいしいツアーを組めるか」というのが、その人達の仕事なんです。例えばDeftones(編注=アメリカのオルタナティヴ・メタルバンド)が出演する、そうするとDeftonesのファンが喜ぶバンドを探す、そしてそのバンドをDeftonesに提案する、「このバンドだったら一緒にツアー回れる?」と。そうやってツアーとして面白いものを作ろうとするんです。
Tomohiro しかも日本みたいに地域毎にバンドが変わるというのもそんなにないと思うんです。ヘッドライナーが居て、他に2つ3つバンドが居たらそれで“〜ツアー”という風にして回って、それが終わった時に、次のツアーで違う人達が来るのは分かるんです。何本か毎ごとにバンドが変わるというのはあんまりない。
Adam でもどっちもそれぞれの良さはあるんだけど、バンドからしたら、一緒にツアーを回った方が楽しい。仲のいいバンドだったらね(笑)。FACTの時もオーストラリアとアメリカからバンドを呼んで、バスでみんな一緒に1カ月くらい全国ツアー回って、すっごい楽しかった! 日本でも出来るねって。
Tomohiro やり方次第だよね。確かに。
Adam いい友達も出来るし、「また一緒にやろうね」ってコネクションも出来るし、俺は好き。
――Joy Opposites的には海外スタイルのツアー形式でやっていきたい?
Eiji そうですね。ツアーは決まってはいないですけど。
Tomohiro あまり気にしていないというか、国内でも友達とはやりたいし、いいライブには出たいし、海外でも全く一緒なんです。海を渡るのは確かに大変で色んな事があるんですけど、あまり「海外だからハードルが」というよりかは、自分達にとって楽しくて、ビジネス的な所まで考えていけるかという事が大事ですね。
――11月5日と6日に『CITIZEN Japan Tour 2016』へ出演されますが、意気込みをお願いします。
Tomohiro ライブ1本1本がバンドを育てていくという形なので、思い切りやるしかないかなと思います。あとは楽しんでやろうかなと思います。
Adam CITIZENは雰囲気的には俺らと近いと思から、一緒に出来るのは嬉しいです。
Eiji 確実にカッコ良いよね。
Adam すっごいカッコ良い。だから一緒に出来るのが凄く嬉しいです。2カ所しかないのに両方呼ばれて嬉しい。
Eiji アメリカツアーに誘いたいなって思わせるくらいにかましてやりたいです。
(取材・村上順一)
作品情報
Joy Opposites 1stアルバム『Swim』
8月10日リリース
QAIR-10040/2800円(税別)
[IVY Records]
1. Candyass
2. In My Bones (Album Version)
3. Swirl
4. Somewhere Down The Line
5. Now & Then
6. King Of Nothing
7. Skim The Sun
8. Blossom Forecast
9. Abida
10. For The Crows
11. Slip
12. Cabeza ※
※日本盤ボーナス・トラック
ライブ情報
CITIZEN Japan Tour 2016
2016.11.5(土)渋谷:THE GAME
2016.11.6(日)新宿:ANTIKNOCK
SURVIVE SAID THE PROPHET FIXED TOUR 2016-2017
2016.11.11(金)秋田:LIVESPOT 2000
2016.11.13(日)盛岡:Club Change
NAMBA69 presents PUNK ROCK THROUGH THE NIGHT TOUR 2016
2016.11.26(土)渋谷:CYCLONE
HER NAME IN BLOOD "BAKEMONO TOUR 2016"
2016.12.12(月)広島:CAVE-BE
2016.12.13(火)岡山:CRAZY MAMA 2nd Room
2016.12.14(水)高松:DIME