こんな気持ちいい事やめられるか! パンクのレジェンドSAの誓い
INTERVIEW

こんな気持ちいい事やめられるか! パンクのレジェンドSAの誓い


記者:村上順一

撮影:

掲載:16年07月19日

読了時間:約19分

毛根の体力も必要やな

劇場版SAサンキューコムレイズ

劇場版SAサンキューコムレイズ

——DVDの冒頭にスタジオでリハーサルをされているカットがあります。そこでバンドのグルーヴについてディスカッションされていましたよね。

TAISEI 「MARCH of HEROES」というバラード曲のシーンなんだけど、僕は歌を歌っていて特に感情移入する曲だったりすると、“タメ”であったりとか「感情をもう一度再確認しようぜ」というシーンなんだよね。ただ音符を弾く、叩くだけではないその後ろってあるんだよね。それは言葉を伝えるためのグルーヴだったりとか、常日頃SAはやっているよね。

——長く活動されているSAのおふたりに質問なのですが、ライブをしていて有頂天のような気分になる瞬間はありますか。メンバー全員が何も言わずとも今日は最高だった状態と言いますか。

NAOKI それは“ゾーン”というやつだね。長くバンドやって来ているけど数えるくらいしかないね。いやほとんどないと言っても良いかもしれないね。長くバンドをやっていると今のメンバーで出来るアベレージというものがあるんだよね。これは出来るんだよね。だけど、その向こう側に行くのが難しいんだよね。本当に何をどうすれば良いのかわからないんだよね。それが集中なのか、どういう気持ちでステージに向かうべきなのかとかね。あとはその時の4人のマインドとか体調とかもあるだろうし、あとお客さんとの繋がりも重要だよね。

——野音のライブでは“ゾーン”に近い状態だったのではないですか。

NAOKI そうだね。でも自分的には70点という厳しい数字を出している。「こんなもんじゃねえよ本当は」という感じだよね。なかなか100点なんかあげられないよね。ライブもそうだし、レコードだって常にその上を目指してるよね。

——“ゾーン”に入っているかもしれないけれど、厳しく判断しているということですよね。

NAOKI これぐらい出来たら「全部OK!」という風にはしたくないから、どうしても厳しくなってしまうよね。なんかまだ向こうがあるような気がするしね。

TAISEI そうだね。

——ここまでおふたりを本気にさせた音楽、バンドの魅力というのはどこにあると思いますか。

NAOKI さっき“ゾーン”は中々ないって言ったけど体験はしてるんだよね。違う人生を背負ってきた奴らがさ、同じシチュエーションの中で音を出して、一体感を得ている時があって、その時の興奮って半端じゃないのよ。その時「音楽って最高!」と思うんだよね。それを経験しているからもう一回味わいたいと思うしね。こういうことの繰り返しなんだよね。一人でギターを爪弾いて遊んでいるのももちろん面白いんだけど、バンドのグルーヴがドンピシャで、さらにマインドが合った時って、「こんな気持ちいいことやめられるか!」と思うんだよね。

TAISEI これを素面でこの興奮状態というのはやっぱり、ロックンロールハイなんだろうね。これを経験しちゃうと、お姉ちゃんと酒飲んで遊ぶのも楽しいかもしれないけど、それとは比べものにならないくらい楽しいしね。

NAOKI 何度でも味わいたいよね。

——通常通りアベレージで終わってしまうか、もしかしたら次のライブで“ゾーン”が訪れるかもしれないと思うとワクワクしますね。

NAOKI それが出来るための準備も常にしているしね。俺らも中年だからさ、体作りもやってきてるし、ステージで「カッコつけてやっていこうぜ!」とか俺ら言ってて、ハゲ散らかして太ってたらダメでしょ?そうなったらとっくに引退しなさいって話だからね。

TAISEIとNAOKI

TAISEIとNAOKI

——太るのは何とかなりそうな気がしますが、髪の毛が後退していくのを防ぐのは難しくないですか。

NAOKI そこは気持ちの問題だ! ずっとステージで観られてたら毛穴もキュッとなるはずや(笑)。

TAISEI 確かに毛根の体力も必要やな(笑)。

NAOKI 敢えて俺の場合イジメてるから、何とか保ててるのかもしれないね。世界で一番髪の毛をイジメてるからね(笑)。

——最後にDVDがリリースされるということで、現在のコムレイズの方たちと、これからコムレイズになるかもしれない方たちにメッセージをお願いします。

NAOKI どのくらいの人たちがこのインタビューを見て、DVDを観てみようという気持ちになるのか分からないけど、観てもらわないことには始まらないからね。ひとつ言えることはこの野音に集まってくれたコムレイズ、全国にいるコムレイズたちは絶対DVD買うと思うのよ。だから、買った奴らは観たことない奴ら、行き詰まってたり、悩んでる奴らに観せてあげて欲しいよね。友人とか大切な人にSAを広げていって欲しいなと思ってるよ。とりあえずコムレイズは買いなはれ(笑)。

TAISEI たかだかロックバンドの1日を追っかけたドキュメンタリーではあるんだけども、諦めずにやったら「結果はちゃんと付いてくるぜ」ということを証明している作品だと思うんだよね。そのことをロックバンドSAというものを通して、感じ取ってくれたら嬉しいよね。

(取材・村上順一)

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