こんな気持ちいい事やめられるか! パンクのレジェンドSAの誓い
INTERVIEW

こんな気持ちいい事やめられるか! パンクのレジェンドSAの誓い


記者:村上順一

撮影:

掲載:16年07月19日

読了時間:約19分

TAISEIとNAOKI。SAの背中からは迷いなき男の生き様が滲み出ている

TAISEIとNAOKI。SAの背中からは迷いなき男の生き様が滲み出ている

 パンクロックバンドのSAが、昨年7月に開催した東京・日比谷野外大音楽堂においての初ワンマンの模様を収めたドキュメント映像作品『劇場版SAサンキューコムレイズ』を今月13日にリリースした。同作品は今年2月に劇場公開されている。メンバーはTAISEI(Vo.ex BAD MESSIAH)、NAOKI(Gt.ex LAUGHIN' NOSE、DOG FIGHT、COBRA)、KEN(Ba.ex THE PEPPER BOYS、DOG FIGHT )、SHOHEI(Dr)の4人。TAISEIが高校生の時に結成、地元などで人気を集めるも3年で解散。そして、99年にTAISEIのソロプロジェクトとして再始動、02年に現在のメンバーが揃い、14年のインディーズ活動を経て、今年1月にメジャーデビュー。パンクロック界のレジェンドだ。今回は、日比谷野音からメジャーデビューまでの経緯、音楽の魅力、SAの音楽制作スタンスなどTAISEIとNAOKIの2人に話を聞いた。

日比谷野音で出来るとは全然思っていなかった

——日比谷野音のライブから1年が経ちますが、今改めて思い返してみるといかがですか。

TAISEI 僕たちこのメンバーで14年やってきたんですけど、年齢的には30代半ばからのスタートなんですよね。14年間意地を張って走り続けてきたことの集大成でもあるのかなと思いますね。「やってきて間違ってなかったな」ということを再確認できたんですよね。

NAOKI 僕ら、日比谷野音で出来るとは全然思ってなかったんですよね。というのも基本的にツアーのラストは恵比寿リキッドルームでやるのが、いつもの流れだったんだよね。それだって毎回、即完売で追加が出るかといったらそうでもなくてね。安定的にはやっていたんだけどさ。去年の野音でやった時は俺は既に50歳で、普通、この歳になって勝負しないよね。勇気がいることだと思うんだよね。俺らが野音でやると決めた時、誰も成功するなんて思ってなかった。今みたいに大きなレコード会社が付いていたわけでもないし、完全にインディーズでやっていたわけだからさ。

TAISEI 気持ちがいいぐらい、綺麗なインディーズだったね。

NAOKI しかも割と力のないインディーズね(笑)。インディーズと言っても今は色々あるじゃないですか。実は大きな会社がバックに付いていたとかね。でも、このまま終わりたくないと思ったわけ。日本中で何回もツアーしてきたし、信じてくれているファンもいるしね。決起集会じゃないけど、東京に全国のファンを集めてやってみたいと思ったわけです。野音って抽選なんだけど、当たっちゃったんだよね。

——当選とはやっぱり持ってますね。

NAOKI でも、当たった瞬間は「ヤバっ!」て思ったよ。「当たってもうたって(笑)」。でも、そこからの1年間は死に物狂いだったね。レコード店を回ったり、色々営業もやったしね。それが身を結んだのかは定かではないけど、結果的に成功した1年になりましたね。

——野音はリキッドルームの3倍から4倍のキャパがありますからね。

パンクロック界のレジェンド、SA

パンクロック界のレジェンド、SA

NAOKI 思いの強さを1年間持って頑張れば、出来るということを証明出来たよね。これを成功させた後に、テイチクさんの方からメジャーデビューのオファーがあって今に至るんです。奇跡が起きたんですよ。

——メジャーデビューが決まった時の心境はいかがでしたか。

NAOKI 割と冷静でしたね。

TAISEI 「あっそっか〜」みたいな感じかな。自分たちが作っている音楽に自信はもちろんあるんだけど、それにレコード会社も賛同してくれて、「やっとわかってくれたか」という気持ちでしたね(笑)。

NAOKI レコード会社も博打ではなく、SAはいけると思って来てくれたからね。嬉しいよね。

——野音でライブをおこなえたことがメジャーデビューにも繋がった?

TAISEI それは絶対にあるね。

——野音のライブ当日は久々の晴れだったんですよね。

TAISEI もう当日は雨だと諦めてたよ(笑)。

NAOKI 10日間ずっと雨で、太陽が出てた時間は10日間で24分だからね。「雨の野音もカッコイイか」なんて励ましながら、迎えた感じではあったけど晴れたね。

——NAOKIさんはかなり早い時間から現場に入られてましたよね。何時に入られたんですか。

NAOKI 正午に来いって言われたんだけど、それより全然早く入っちゃったね。家にいてもしょうがないと思ったからね。

——NAOKIさんのトレードマークでもある髪を立てているシーンも、記録されていますね。いつもどのくらい時間が掛かるんですか。

NAOKI 1時間45分掛かるんだよね(笑)。

——TAISEIさんはNAOKIさんのその姿を見て思うことはありますか。

TAISEI 毎回「大変そうだな〜」と思ってる(笑)。でもさすがに見慣れてきたから、あまり気にしなくなったね。

この記事の写真

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事