見た目だけではない、実力とセンスを有するI Don’t Like Mondays.
INTERVIEW

見た目だけではない、実力とセンスを有するI Don’t Like Mondays.


記者:木村武雄

撮影:

掲載:16年04月01日

読了時間:約15分

バンド掛け持ちの末、謙二

2ndシングル「Sorry」

2ndシングル「Sorry」

――謙二さんの経歴もお願いします。

謙二 いやマジかよ、皆なんか面白いエピソードを持っているのに…プレッシャーだな。どこから話せばいいんだろう。

悠 とっておきのストーリーがあるじゃん。

謙二 とりあえず、「セサミストリート」という海外の子供向け番組があるんですけど、小さい頃はテレビの前で歌っていたくらい大好きでして。その影響で歌う事が大好きになりました。兄貴がバイオリンをやっていたんですけど、僕も5歳くらいからバイオリンを習っていて、発表会にも出ていたんですけど、当時の先生がすごく嫌いでして。もう厳し過ぎて。小学校3年生の時に引っ越すタイミングがありまして、そこで絶対に辞めてやろうと思うくらいでした。

 ただ、引っ越して転校した学校には全然馴染めなかったんです。それで中学校に入った瞬間「中学デビューしてやろう」と思いまして、いきなり金髪にしたりとか色々やってました。その時に仲良くなった友達と一緒にラグビー部に入ったんですけど、その友達の家族が“ビートルズ狂”で、家の地下にスタジオを持っていまして。お母さんはピアノを弾くし、お父さんはギターを弾くし、友達のそいつはドラムを叩くみたいな環境だったんです。中学1年の時の学園祭ではその世代が滅茶苦茶上手くてGLAYをやってたりして「すげえカッコいい!」って思って「バンド組んでみようよ」という話になったんです。

 その時、一緒にやる友達の中で自分が一番歌が歌えたので「じゃ俺ボーカルやるわ」となって、最初にギター&ボーカルをやったんです。それで中学2年の時の学園祭に出た時に、サッカー部とかバスケ部とか、目立った連中から「カッコいい!」と見られて、「俺もバンドやりたい」とか言われて、結構かけ持ちをしてましたね。その時はSHAM SHADEとかやったりしてたかな…。

 中学3年の時に下校途中ですっごい怪しい4人に「こういう事やりたいんだけど」と言って企画書を出された事があったんです。「4人組のアイドルバンドが作りたい」という内容だったんですけど、とりあえずオーディションに来てよと。

 結局そのアイドルバンドのボーカルをやることになって、事務所に所属したんです。その時から「ちゃんと音楽で食っていきたいな」となりましたね。

 それを中学3年から高校3年の頃までやっていて、まあいろいろあったんですけど最終的に俺一人になっちゃいまして、それが17歳の時です。小さい事務所だったので「メンバーは自分で探せ」という感じで、楽器屋にメンバー募集の貼り紙したり、色んな人と会ったりしたんですけど、全然合う人がいなかったですね。

 その後も友達の中からイケてる奴とか呼んでやったんですけど結局ダメで、やっぱり1人になっちゃって「どうしようかな…」と思っている時に、たまたま、後輩から「バンドやりましょうよ」と言われて、「これ結構チャンスだ」と思ったんです。

 そのバンドは本格的にやってたんです。全国ツアーを回ったりとか、グッズを作ってちゃんと売ったりとか、全部自分達でやるという、初めてちゃんとしたバンドの形態をそこで4〜5年やって学びました。その中で、2マンで一緒に回る事になったバンドがいたんです。そこのベーシストから「謙二さん歌やってたんですよね? 歌わないのもったいなくないすか?」と言われて、「いや、このバンドでやっていく感じだし…」と言ったら、「じゃあ僕とやってみましょうよ」と言われたので、まず自分のソロとして、彼を筆頭としたサポートメンバーをつけて、みたいな感じにしてやったんです。

 そこからYAMAHAの大会に出たりもして、ある程度上までいけるという感じになった時に「ちゃんとバンドとしてやろうよ」となって、その時に組んだバンドで本格的にデビューを目指してやって行こうという話になったんです。海外にレコーディングに行ったりとか、かなり本格的にやっていました。

 その時に悠の友達に会ったんです。そこで「絶対売れるバンドがあるから」「とりあえずベースのサポートで入ってくれないか?」と言われたんです。で、またかけ持ちみたいのがずっと続いてる中で、最後に兆志が揃って「ちゃんとやろう」となった時に、1本に絞って腹をくくろうと思ったんです。この4人になった時の「このバンド売れるな」という何となく感じたフィーリングがあったので、その歌とギターをやっていたバンドの方は辞めたんです。

――悠さんとの出会いはいつ頃でしょう。

謙二 このメンバーの中では一番早いのかな? 普通に飲み友達だったんです。

ロック畑なのにロック色は全面に出さず

――作曲について聞きます。曲を作っているのは?

メンバー 4人です。

――それぞれの主張もあろうかと思います。ぶつかったりとかは?

悠 たまにあるんですけど、多い方ではないと思うんです。曲のテーマをまず決めて、それに対して意見を投げていくような感じです。

謙二 ぶつかり合いというよりは、4人で模索していくと言う感じ。

――音楽性についてですが、それぞれロック畑ですが今はそれとは異なる色の音楽をやっていますが?

悠 バンドやるならロックバンドだと思っていたんですけど、このバンドをやり始めて他の色んな音楽ジャンルも聴き出したんです。そうしたら、色んな音楽をやった方が自分も飽きないなと思ったんです。初期の頃はストレートなロックをメインにやっていたんですけど、似たような曲ばかりやっているとライブをやっていても飽きるし、退屈になってきちゃうんですよ。色んなジャンルの要素を持った音楽をやった方が自分達も飽きないし、いいなと思ったんです。

――I Don't Like Mondays.が今やっているジャンルを選んだというのは、音楽的に視野を広げていきたいという事に加え、他にも何かあるのでしょうか。

秋気 あとはファッションとか映像とか色々、僕らの興味のあること全てを活かせるという事を考えて、なおかつ今の日本の音楽シーンにあまりいないかなというところを目指していったのが今の音楽性かと思います。それこそファッションショーで演奏出来るようなバンドになりたいとか、そういう目標も最初の方から話し合ったりしていたんですけど。

――兆志さんのプレイなどもグイグイ前に出るスタイルというよりかは、グルーヴを出すというスタイルで演奏していますね。

兆志 そうですね。曲によって“出し引き”を大事にしたり。

――バンドのテーマが「オシャレな女の子を踊らせる」ですが、今の女の子のリスニング環境で多いのが「スマホにイヤホン」だと思うんです。だからこう、イヤホンで聴くとまた歌声に耳を撫でられるというか、女性ウケしますよね。

一同 ははははは!

謙二 やっぱ撫でられます?

――はい(笑)

悠 いや、嬉しいね。ちゃんと撫でてるみたい(笑)

兆志 手で触れなくても撫でられてるからね。

――やはり「オシャレな女の子を踊らせる」そこに集約されているのかなと。

悠 バンドしか聴かないとか、EDMしか聴かないとか、どちらかに偏るんじゃなくて、そういったジャンルの壁が壊せたらなと思って。

兆志 そういう(壁を壊している)バンドは今、あまり日本にはいないですね。

――確かに楽曲はロックに寄り過ぎず、ダンスにも寄り過ぎず。どちらかというとAORという感じがしますが、ロックをベースに様々なダンス系ミュージックがクロスオーバーしていますね。海外では既にEDMからR&Bに流行が移行しているとも言われていますし。ジャズとロックの融合も更に進むとも言われていますね。

秋気 そうですね。そういったクロスオーバーを狙っているのは確かですね。

――音楽の色的に、英語詞がとても合いそうですが、日本語だと難しかったり、気を付けている点はありますか?

悠 うーん。無い?

一同 はははははは!

悠 歌ってみて響きの良い言葉を選んでいるという感じですかね。

――歌っている時は女性の心を意識して?

悠 いえ、どちらかというと自分の感情を意識していますね。曲によってという感じですかね。

――悠さんの歌声というのは、その場の雰囲気で色を変えるかもしれないという事でしょうか。

悠 そうですね。

――と言う事は、ファンいわば女性の心模様を映している?

悠 そう、そういう事にしておきましょう!(笑)

謙二、秋気 誘導尋問だ!(笑)

(取材・木村陽仁)

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