INTERVIEW

米倉涼子(右)&松本穂香

海外ロケで2人が感じたこととは


記者:村上順一

写真:村上順一

掲載:23年03月17日

読了時間:約7分

 米倉涼子、松本穂香が、3月17日(金)より世界同時配信されるAmazon Originalドラマ『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』に出演。米倉はエンジェルハース社長の伊沢那美、松本は同新入社員の高木凛子を演じる。本作は、佐々涼子氏が第10回開高健ノンフィクション賞を受賞した「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」を原作としたヒューマンドラマ。日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞者で、『コンフィデンスマンJP』シリーズや、大河ドラマ『どうする家康』の脚本を手掛けた古沢良太と、『ドクターX ~外科医・大門未知子~』シリーズや『緊急取調室』シリーズなどヒットドラマを手掛ける香坂隆史が、ドラマオリジナルのエピソードを脚本化し、国境を越えて遺体を遺族の元へ送り届ける国際霊柩送還士の姿を描く。インタビューでは、お互いの印象から、海外ロケで感じたこと、など米倉涼子と松本穂香の2人に、話しを聞いた。【取材・撮影=村上順一】

ロケをするたびに感じた大変さ

村上順一

米倉涼子

――出演が決まったときの心境はいかがでしたか。

米倉涼子 私は過去に原作を読んだことがあったので、お話をいただいた時は、「本当に私が読んだ本なのかな?」とびっくりしました(笑)。すごく大好きな本だったので、出演が決まって嬉しかったです。

松本穂香 私はこのお話をいただくまで、国際霊柩送還士というお仕事を知らなかったので、このような職業があるんだと知って驚きました。海外で亡くなられた方のことはニュースなどで見ていたので、確かに国際霊柩送還士はなくてはならない仕事だなと思いました。

――お互いの印象は?

米倉涼子 すごく可愛い人だなと思いました。私、最初お会いするとき緊張していたんですよ。それは、穂香ちゃんが体でぶち当たっていく、体育会系のようなタイプではないというところと、すごく神秘的な印象があったので、どんな風にお話ししたらいいのかなと思いました。

松本穂香 私からすると、そんな米倉さんにギャップがありました。私の中で米倉さんは緊張されないイメージがありましたし、いま緊張していたというお話を聞いて、完璧そうに見える方でも、緊張されるんだと思うと、安心しました。

――お話されている時は緊張しているというのは感じないんですよね?

松本穂香 全然感じなかったです!

米倉涼子 本当? 私、緊張すると、動きが異常に早くなるんです。普段からせっかちなんですけど、さらに動きが早くなります。それもあって、逆に緊張しているように見られないのかもしれない。

――さて、撮影で大変だったことは?

米倉涼子 国際霊柩送還士という仕事柄、私たちは色んなところにロケに行ったんです。ご遺体を搬送する途中の様々な障害を乗り越えたり、亡くなられた方のご遺族にお会いしてケアをしたり、その中で色んな立場の方々の想いがぶつかり合う真ん中にいる、というところが率直に大変なところで、彼女たちの仕事がそれに加えて思うようにいかない困難があったり、どれだけ大変なのか、ということをロケを重ねるたびに感じました。そして、そのロケ先も遠かったんですよ。

松本穂香 撮影でフィリピンにも行きました。私は海外での撮影経験はほとんどなく、ドラマで海外に行ったのは今作が初めてでした。物乞いをする子どもたちを見たときは、ドラマとは関係ないんですけど、これまで知らなかった社会の現実を知ることで、気持ち的につらかったです。

村上順一

松本穂香

米倉涼子 マニラにハッピーランドというスラム街と言われるような場所があって、家らしい家というのはほとんどなかった印象です。そこで私は地面に這いつくばって土下座をするシーンがあるのですが、事前にスタッフさんの配慮で綺麗な土を敷いてくださったんです。でも、撮影の前日に台風が来てしまって、下水も全部上がってきて、せっかく敷いていただいた土もぐちゃぐちゃになってしまいました(笑)。

松本穂香 その中で撮影されたとは、私は知らなかったです。

米倉涼子 普段は現地の方も行かないような場所で、食べ物もそうですけど、生きるということをとにかく考えさせられたロケでした。

松本穂香 私もすごく良い経験になりました。

――米倉さん演じる伊沢那美、松本さん演じる高木凛子、ご自身と重なる部分はありましたか。

米倉涼子 エネルギーと情熱が全て表に出る、フィルターがほとんどなく、感情がそのまま出ている人物だなと思いました。私も感情を隠したりするのは得意ではないので、そういう意味ではやりやすかったです。

――等身大で演じられた?

村上順一

米倉涼子(右)&松本穂香

米倉涼子 伊沢那美のモデルになった方がいらっしゃるんですけど、私より歳上の方なので、等身大という感じではないのかもしれませんが、すごくエネルギッシュな方で、じっくり観察して演技の参考にさせてもらいました。

松本穂香 私が演じた高木凛子は、那美さんとは真逆で人と接することに積極的ではなく、自分の出し方がわからない女性だと思いました。普段の私は凛子ほど消極的ではないと思っているのですが、彼女の気持ちはわかりますし、エンジェルハースのキャラの濃い人たちの中で、新入社員の凛子が自分を出すのは、相当難しいと思います(笑)。

――“母(はは)様”とメールを打っているのも、凛子の育ちの良さを感じました。

松本穂香 母へのメールが一種のナレーションになっているのですが、現実とはまた違った親子関係をメールの中で作り上げているのかなと思いました。

米倉涼子 その凛子のナレーションで、視聴者の方々が国際霊柩送還士の世界を凛子と一緒に体験していくような気持になるんですよね。私たちが撮影しているときは、ナレーションはもちろんないので、それを聞いた時すごく新鮮でした。

――最後にAmazon Originalドラマ『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』の見どころをお願いします。

松本穂香 亡くなった方の人生や残された遺族の悲しみなど、様々なエピソードが描かれているので、ドラマを観た方一人ひとり、感じていただけるものも違うと思います。毎回、ゲストも豪華な方ばかりなので、注目していただけたら嬉しいです。

米倉涼子 ドラマではご遺族がご遺体と最期のお別れをきちんとして、最愛の人の死を乗り越えて前向きに生きていく姿を描いていくんですけど、そこに至る物語は人それぞれでどれも感動的だと思います。死を通して、生きることの幸せを描く希望に満ちたドラマなので、そこを感じてもらえたらと思います。

(おわり)

配信情報

『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』キービジュアル

タイトル:『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』
配信日:Prime Videoにて3月17日(金)より独占配信
キャスト:米倉涼子 松本穂香 城田優 矢本悠馬 野呂佳代 織山尚大(少年忍者/ジャニーズJr.) 鎌田英怜奈 
徳井優 草刈民代 向井理 遠藤憲一 ほか
原作:佐々涼子「エンジェルフライト 国際霊柩送還士」(集英社文庫刊)
脚本:古沢良太 香坂隆史
音楽:遠藤浩二
監督:堀切園健太郎
制作:NHKエンタープライズ
作品ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B0B66GL9PH

この記事の写真
村上順一
村上順一
村上順一
村上順一
村上順一
村上順一

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事