藤原兼家と対峙する山本千尋演じる河瀬景子(左)=撮影・岡千里

 大沢たかお主演舞台『INSPIRE 陰陽師』が31日に東京・日生劇場で幕を開ける。その前日30日にはゲネプロが行われた。精神科医として現代に生きる藤原兼家に付く河瀬景子役を演じる山本千尋は終盤に向けて存在感を放った。

 陰陽思想・陰陽五行論のもと、天文や暦を読む知識を備えることで、森羅万象を読み解き、人々に道を示した陰陽師をテーマにした舞台。平安時代、異常現象を祓った大沢たかお演じる陰陽師・安倍晴明らだったが1000年の時が経った令和に再び謎の長期日食に襲われる。現世に顕現する安倍らが再び立ち上がる。

 舞台には透過スクリーンに、背景にも巨大スクリーン、更には天井にもスクリーンを配置。更にはレーザーなどの光演出を贅沢に使い、場内サラウンドの音響効果もあって、物語の世界観が目の前に立体的に映し出していた。

 河瀬景子役を演じる山本千尋は序盤こそ優しいトーンで進むが、クライマックスにかけて持ち前のアクションを活かした演技を見せる。舞台セット、そして光演出なども相まった幻想空間で存在感を発揮した。

幻想的な空間が広がる(撮影・岡千里)

 『INSPIRE 陰陽師』は、12月31日から来年1月6日まで日生劇場で上演される。

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