DJ KOOが見た時代変化、40年前と重なる現代の音楽シーン 違いは「粋」
INTERVIEW

DJ KOOが見た時代変化、40年前と重なる現代の音楽シーン 違いは「粋」


記者:木村武雄

撮影:

掲載:19年12月10日

読了時間:約10分

細分化され今はオールジャンルに、DJ KOOのポリシー

――さて、ディスコブームのその後についても伺いたいと思います。ディスコからクラブへと時代は流れていきましたが、その過渡期はどう感じていましたか?

 音楽がよりコアになっていくと感じました。過渡期というよりも、ディスコから更に細分化していった印象です。例えばハウス、ヒップホップ、レゲエが流行り、それを専門的に扱うDJも出てきました。ヒップホップのDJはハウスをかけないし、ワンジャンルに特化した深堀りという時代でした。それはそれでいいなと思いましたね。裏を返せば、オールジャンルではやっていけない難しい時代ではありましたけど、逆に新しいDJが生まれて、好きな人が好きな音楽をやっていくという環境になりましたからね、それはそれで良かったと思います。

――ただ専門化によって閉鎖的なところも生まれた?

 それはありました。「楽しもうぜ!」と言ったのに、自分の知っている曲がかからなくて。ディスコとは違って店内もコンクリート打ちっぱなしの暗いところが多かったですし。それはそれで、逆に若者用という時期ではありましたね。でもそれもやがて「ジュリアナ」や「ヴェルファーレ」が出てきて、最近にでは誰が行っても楽しめるオールジャンルになりましたね。

――時代によって客層に変化は?

 やっぱり最近感じるのは、日本が元気になったなということです。昔は海外から来た外国人の方の方が元気だった。でも今は彼らに負けないぐらいノリ方を知っていますし、楽しみ方を知っています。それと昔は、VIP席やランク付けする店もあって、そのために張り切ってオシャレして行っていた時期もあって。中には怖いという印象も持たれた方もいると思いますが、今はすごく健康的になっていると思います。オシャレというのとはまた違いますが、日頃働いている人達が、音楽に合わせて踊って発散する、そんなような感じになっていると思います。

――時代の移り変わりのなかで変わらないDJプレイの大切なところは?

 やっぱり一番大切なのはやっぱり選曲です。ヒット曲は誰がかけてもお客さんは踊ってくれますから、そうではないところ、極端ですが、自分がかければどんな曲でも効果的に盛り上がれるようなことは常に考えています。当時のディスコはお客さんを煽るためにMCを入れていました。でもディスコからクラブに細分化した時はMCがなくなって。それから数十年が経ってオールジャンルになった今はDJが先導者のように「みんな盛り上がっていくぞ!」とコール&レスポンスをかけていく時代になっています。なので僕の場合はディスコ時代やTRFの時にやっていたものを再び取り入れているところはあります。僕がDJプレイするときに大事にしているポリシーというのがあって、お客さんだけでなく、スタッフにも楽しんでほしいんです。お客さんが一体化して、その盛り上がりを見てスタッフも盛り上がる。そのようなパートを作るようにしています。

DJ KOO

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