Lead「ソウルメイトに当てはまる関係」17年の活動で育んだ絆と音楽
INTERVIEW

Lead「ソウルメイトに当てはまる関係」17年の活動で育んだ絆と音楽


記者:桂泉晴名

撮影:

掲載:19年07月24日

読了時間:約15分

今まで以上に音が見えるようなMVを作りたかった

――さらに、今回は余裕感のあるダンスで、そこも大人っぽい要因なのかなと思いました。

谷内伸也 この曲のダンスは難しいです。

――フォーメーションがたくさん変わるからですか?

谷内伸也 手数はそんなに多くないんですけど、グルーヴ感というか、ニュアンスのところですね。振り自体は覚えられるんですけれど、RADIOFISHのshow-heyくんがイメージしてつけてくれたニュアンスを自分の中に落とし込んだり、それをまた3人で合わせるのが難しかったなと思いますね。いまだに難しいなと感じていますし。

鍵本輝 なかなか、格好良い角度が見つけられないんですよ。

――格好良い角度?

古屋敬多 振りみたいに決まっていないから答えがないんです。自分で格好良いところを見つけるしかない。

――「こうやれば様になる」というのではないということですか? 難度が高いですね。

鍵本輝 そうですね。自分の経験にない部分というか。みんなそれぞれ「ここに手をおいて、ここでこう体を振れば、だいたい決まる角度だな」といったポイントがあるんですけど、今回のダンスはそこにいっさい当てはまらないものが多くて。「うわ、どうしよう!」という。

古屋敬多 振付してくれたshow-heyくんは、バリバリ格好良いんですよ。たぶん彼の好きな動きがいっぱいつまっていると思うので。でも、僕らはshow-heyくんみたいにはならない。やっぱり自分の格好良さを見つけたいという思いがあるので、今回は研究しましたね。

――それぞれに違った答えを見つける、みたいなダンスなんですね。

谷内伸也 さらに加えると、統一感があるというか。

古屋敬多 「ノリが合っている」という気持ち良さですね。わかりやすくいえば、最近のBruno Mars(ブルーノ・マーズ=米歌手)みたいな感じ。みんな同じところで気持ちよく感じたら、ノリも一緒に見えて格好良い。そういうふうになればいいな、と思っています。

谷内伸也 サビ前で一回止まるというのが、また粋だなと思うんですよ。止まってから刻みだす、というのが、より緩急になって。踊っていても楽しいです。

――夏の風物詩、花火っぽい振りも入っていますね。

谷内伸也 そう、パドリングだったり、線香花火だったりと細かい振りを入れています。
鍵本輝 パドリングが難しかったんですよね。形は決まっているんですけれど、あまりポップになりすぎたくないけど、ポップな動きだし。自分の中で、どこが一番しっくりくるだろうなと試行錯誤しました。

――撮影場所もおしゃれなところですね。

谷内伸也 どこを撮っても絵になるという、すごくすてきな場所でしたね。海外に来たような感じでした。

古屋敬多 やっぱり海バックというのがいいですね。

鍵本輝 最初はもっと外に行こうか、と思っていたんですけれど、外に行きすぎると、ちょっと元気さが出てしまう気もしたので。いろいろなバランスを見て屋内の撮影になりました。かといって閉鎖的にならないように、ちゃんとオーシャンビューが望める場所なんです。やはり関東圏の海といえば、湘南地区だと思うので。鎌倉にある結婚式場をお借りして撮影したんですけど、最高のシチュエーションでしたね。

――光の加減やアングルも凝っていて。

鍵本輝 今回MVを撮影していく中で、より音が見えるようになったらいいな、というテーマで撮影していったんです。アングルチェンジのタイミングとか、カメラ一個一個のアングルで躍動感を持たせることができたらと。音で弾けているところがあったら、そこにアフターエフェクトでパンッ! とエフェクティブにみせたりとか。ちょっとした音のレベルメーターじゃないけど、ビジュアライザーみたいな感じで観られるMVになったらおもしろいんじゃないかと。そういったことを、いろいろ提案させてもらいました。

――音が見えるようなMVにしたいと思ったのは、何かきっかけがあったのでしょうか?

鍵本輝 ライブで照明をより突き詰めるようになったのが大きいですね。ダンス自体がそもそも音を拾っているものなので音とダンスのリンクというのは当たり前なんですけど、そこにプラスアルファ何か違う角度で、もっと見えるようになれればいいなと。それにはやはり光しかないな、と考えたんです。ライブの中でそういうきっかけになる音や照明を作っていくうちに、このマインドをMVにも落とし込めたらもっといい作品にできるんじゃないかなと。

――今回CGも効果的に入っていますよね。

谷内伸也 CG案については輝が温めてきてくれました。「Summer Vacation」は前作「Be the NAKED」を担当してくださった多田卓也監督だったんですけど、「Be the NAKED」の時に音とリンクするというのは、もう既に見えていて。それをまた違った角度でエフェクトを加えてやったらどう? みたいな感じで参考として持ってきてくれたものがあって。それを元にLeadに落とし込み、幾何学的なものを入れたりして。水面にもリンクする部分もあるので、おもしろいんじゃない? みたいになったんです。

古屋敬多 いろいろなシチュエーションも多田監督が撮ると、すごく意味のあるものになるんです。今回、寄りのカットもありますが、ああいうのも夏のさわやかさとは別の心模様といったものが見えてくるし。たぶん多田監督は一つひとつにはっきりしたイメージがあって、それを僕たちにも共有しようとしてくれるので。いろいろな見方ができる、隙のない作品なったと思います。

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