Lead「ずっと見ていてほしい」厳しい期間に感じた危機感と新たな道への気概
INTERVIEW

Lead

「ずっと見ていてほしい」厳しい期間に感じた危機感と新たな道への気概


記者:キャベトンコ

撮影:

掲載:20年09月29日

読了時間:約17分

 3人組ダンスボーカルユニットLeadが9月23日、通算33枚目となるシングル「Tuxedo~タキシード~」をリリースした。表題曲は50年代に流行したロックンロール要素が散りばめられた、華やかなダンスナンバー。コロナ禍という難しい期間を経た今作について「むしろLeadに関しては楽しんでもらいたい」と彼らが語るように、心を元気にしてくれるようなナンバーに仕上がった。さらに今回のロックンロールテイストを決定づけたエルヴィス・プレスリーのカバー曲「監獄ロック」、夢をつかむためにあきらめないでいよう、というメッセージがこもった「Wild Fight」も収録。今作について話を聞くとともに、なかなかライブができないという状況の中で3人が感じていることについて語ってもらった。【取材=キャベトンコ】

ルーツを改めて知り、ロックンロールに親近感を覚えた

「Tuxedo~タキシード~」通常盤

――ロックンロールダンスナンバーの新曲「Tuxedo~タキシード~」のダンスは、ツイストダンスとモップダンスの組み合わせだそうですね。

谷内伸也 アメリカでバズりつつあると言われているモップダンス、それからロックンロールテイストが入った楽曲なので、ロックンロールといえば、ツイストダンスということで、モップダンスとツイストダンスを組み合わせて、僕たちは“ほうきダンス”としました。やっぱり日本人ならモップよりもほうきの方が、なじみがあるので。

鍵本輝 ほうきを掃くのは、必ずみんなが経験したことのある動きですし。それをオマージュしたダンスになっています。ダンスは普通、何かしら練習しなくては覚えられないものが多いですけど、これに関しては、ぱっと見てぱっと覚えられるので、本当に真似してもらえたら、と思っています。

――今回の曲はプロムでのできごとという、アメリカの青春を描いているんですね。

古屋敬多 もう映画の世界、という感じです。プロムという学生の最大のイベントが描かれていて、好きな子と踊ったりとか、タキシードを着たりとか。ちょっと背伸びをしている少年、という感じです。

――MVでは、皆さん髪を上げていて。

古屋敬多 リーゼントはやったことがあるんですけど、あそこまでは初めてで。それで踊りながらやると、どうしても崩れちゃうんです。だから本場の方たちはすごいなと思いました。僕たちもダンスもヒントを得るために当時の映像を見あさったんですけど、動きが結構激しかったんですね。ツイストだけじゃなく、大技みたいなのもあったり。

――大技というと?

古屋敬多 側転したりとか。

鍵本輝 アクロバティックだったよね。

古屋敬多 結構、自由だったんですよね。それでも髪は崩れない。

――そのころのダンスは、いろいろなものがごちゃまぜみたいな感じだったのでしょうか?

鍵本輝 「俺を見ろ」みたいな感じで自分を表現していたんじゃないかと思います。でもその文化はロックンロールというジャンルで、あまり僕たちストリートダンスで育ってきた側からすると、なかなかロックンロールは踊っているっていうイメージがなかったんです。ただ歴史をさかのぼってツイストダンスやアクロバティックな動きなどを見た時に、「これはブレイクダンスの文化とまったく同じだ」と衝撃を受けて。音楽のルーツが生まれるまでには、いろいろあるじゃないですかとか。その時代の最先端が当時はロックンロールであって。もちろんロックンロールでみんなが踊っていたというのは知ってはいたんですけど今回、再確認しました。

古屋敬多 ブレイクダンスの世界もルーツが似ていたりするんです。日本でも、代々木公園という共通点があったりして。そういうのに、僕らも触れてきたので。

谷内伸也 今まではどちらかというとロックンロールやツイストダンスというのは遠い存在だったんですけど、映像などを見て身近に感じました。サークルになって踊ったりとか、自分たちが踊っている、楽しんで踊っているダンスと一緒だなと。

鍵本輝 よく考えると、軸は一緒だったんですよね。

――今回のダンスは DA PUMPのTOMOさんが振り付けをされてるということですが、どういうきっかけでお願いすることになったのでしょうか?

谷内伸也 自分たちで振りをつけても良かったんですけれど、そうなると、これまでと流れが変わらなくなってしまうので。新しい風と言いますか、この曲に合った人を頭の中で探した時に、「TOMOくんしかいないな」と。DA PUMPさんの“いいねダンス”や“バイーンダンス”とかいろいろある中で「これはもう、手を借りよう」と。

古屋敬多 みんなが見たことのないような動きをくれるんじゃないかな、と思ったんです。

谷内伸也 TOMOくんの新しい動きの察知能力だったり、トレンドを拾いつつも、オリジナルのものにする能力が、DA PUMPさんを見ていてすごいなと思う部分でもあり、好きな部分なので。そこから落とし込んでもらいました。

――皆さんにとってTOMOさんはどういう方ですか?

鍵本輝 いろいろなスタジオでお会いすることも結構あって、その都度、お話をするんですけど、絶対にDA PUMPさんは忙しいじゃないですか。でも仕事の合間を見つけては、冬はスノボをしに行くとか、自分の好きなことに対しては、とことん遊びに行く。ちゃんと仕事もやるし、やる時はやるし、遊ぶときは遊ぶし。「こういう兄ちゃんっていいな!」と思います。

谷内伸也 切り替えがすごいんです。

鍵本輝 音楽を作ったり、デザインも自分でやられたり、クリエイティブな部分もたくさん持っていて。そういうセンスが好きで、本当に多才な人というイメージです。

古屋敬多 すごく忙しいのに、僕らのミュージックビデオの撮影現場にも来ていただいたんです。実は次の日ぐらいに、DA PUMPの新曲「Fantasista~ファンタジスタ~」のMVを撮るという相当時間がなかった中で、当日になって「来ちゃった」と急に現れて。それでしっかり監修というか、僕たちを見てくださったり。あとは僕たちの知らない裏側の撮り方などについても、スタッフの皆さんと意見を交わされたりしていたみたいなんです。監督も「TOMOさんはやっぱりすごいプロなんですね」と言われていました。

――演出のアドバイスを裏方の方たちとされたのですか?

古屋敬多 当日、直接いらしていただいて、そこでコミュニケーションを取って、意思の疎通をされていたらしいです。そしてサーっと帰られて、格好良い! まさにファンタジスタ、という感じでしたね。

谷内伸也 そう。DA PUMPさんの「Fantasista~ファンタジスタ~」(9月30日リリース)もぜひ聴いてください!

何かを頑張りたい時、楽しみがないと動けない

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――ちなみに今回、50年代サウンドの楽曲をやってみようと思われたきっかけは?

鍵本輝 僕らのレギュラー番組(TOKYO MX『Leadバラエティ』)の中で、過去に流行ったアメリカンポップスだったりをカバーしてみようという企画が上がりまして。みんながあれやりたい、これやりたいとそろっていく中にあったのが、今回2曲目に収録されている「監獄ロック」(エルヴィス・プレスリーが1957年に発表したシングル)だったんです。そこにたどりつきつつ、「これを形にしてみない?」という中で走り始めたら、ちょうど「Tuxedo~タキシード~」という曲が仕上がってきて、僕たちの目の前に降りてきたんです。そして「監獄ロック」を作ったら、意外と周りの反応が良くて。これはCDに入れようとなった時に「『Tuxedo~タキシード~』もいい感じにフィットするんじゃない?」と。だから「監獄ロック」があったから「Tuxedo~タキシード~」になったんです。

――実際にカバーしてみて、いかがでしたか?

古屋敬多 曲の構成が、今の日本の曲とは大幅に違うなと感じました。

鍵本輝 バースの作り方とか、自由だよね。

古屋敬多 原曲の「Jailhouse Rock」はかっこいいなと思いました。同じフレーズがずっと繰り返されている感じなのですが、それもかっこいいなと。突き抜けている感じというか、「このメロディがかっこいいだろ」と最後は押し切っちゃうんですよ。

――J-POPだとAメロBメロと法則がありますよね。

古屋敬多 そういう細かい起伏が逆にないんですよね。

――「Tuxedo~タキシード~」ではじけているのは、「監獄ロック」の影響が大きいんでしょうか。

鍵本輝 特に今だからこそ、自由にやってみようかな、みたいなところはあるかもしれないですね。自粛期間とか、非常事態宣言を経て、ポジティブな楽曲を歌う方向性もあったと思うんですけど、むしろLeadに関しては、楽しんでもらいたいんです。

――自粛期間を経て、Leadとして最初に何を出すかと言うのは、悩まれたのではないですか?

鍵本輝 そこはだいぶ悩みましたね。

谷内伸也 レコード会社の皆さんも。

古屋敬多 形態を変えないと新曲は出せない、みたいな。だからリリース自体もできるのか、という状況だったので。そこがロックンロールという番組の企画と結びついてくるというのは、想定外でもありつつ、形になって良かったですね。

――もし平常時だったら、この企画にならなかったという可能性も?

鍵本輝 そうですね。だからいろいろなものが点で、線で結ばれて、このパッケージになったのかな、とは思います。

――この状況の中で皆さんすごく悩まれていらっしゃっても、想定してなかったアイデアや新しいことを発見されて、それぞれ多様性がすごく出てきたと感じています。

鍵本輝 そうですね。変革ですね。

――その中でLeadらしさというのは、みんなに楽しんでもらう音楽を作ること、と。

鍵本輝 何かを頑張りたい時とか目標を持ちたい時というのは、そこに楽しみがないと動けないというか。それが原動力だと思っているんです。だから「まず楽しもう」というのは、全面的に押し出したくて、「Tuxedo~タキシード~」が表題曲になりました。でも3曲目に入っている「Wild Fight」でメッセージ性の強さも出しています。

自粛期間でそれぞれが挑戦したこと

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――ところで「Tuxedo~タキシード~」のMVの話に戻るのですが、皆さん表題通りタキシードを着ていましたよね。正装を着ていかがでしたか?

谷内伸也 曲が結構明るくて楽しい雰囲気に対して、衣装はかっちり決めているので。そのミスマッチ感が映像としておもしろいな、というのがありますね。

――あれは対極をぶつけよう、みたいな感じだったんですね。

谷内伸也 対極にしたものが、いい感じに化学反応が起きているのかな、と個人的には思います。

――タキシードも細かなところで違いがあって、個性が出ています。

谷内伸也 みんなタキシードなんですけど、個性は出したいな、というので、パンツの型だったり、ジャケットの型だったりとか、遊んでいる感じはありますね。

――ちなみに伸也さんは太めのラインが好み?

谷内伸也 太めは結構好きですね。それで敬多はだいたい細めのしゅっとした感じで。輝はちょっと王子様よりのロング系。

――ファッションも見どころなのかなと。

鍵本輝 タキシードはあまり着ないですからね。

古屋敬多 撮影の時、スイッチがしっかり入った感じがありました。結構、衣装とか髪型でこの曲の世界観に寄れた感じがします。

――ちなみに映像の中では、輝さんがギター、伸也さんがドラム、敬多さんがコントラバスやピアノを弾くといった姿もありました。

鍵本輝 あれはイメージシーンなんですけど、それぞれのキャラクターにはまっているなとは思いましたね。敬多に関しては、実際に今、ピアノをやっていて。

古屋敬多 最近始めて、買ったんです。撮影の時も違和感がなかったので、触っていてよかったなと思いました。

――やってみたいと思ったきっかけは何でしょう?

古屋敬多 やっぱりライブをやりたいな、という思いが強くて。それで次にライブができるようになって、またお客さんが以前のようにパンパンに入る感じになった時に披露したいな、と。実は今までピアノに苦手意識があったんです。両手で違うことをやるから。実際にやってみたら難しかったんですけど、時間忘れるぐらい楽しい楽器だな、というのはありますね。

――ライブをやりたい気持ちの一つの表れが、ピアノということなんですね。

古屋敬多 やっぱり春も夏もライブが飛んだので、すでにいつもと違う1年になっていますから。その中で、この時間を有意義に使おうと考えました。

――輝さんと伸也さんは、ライブしたいという思いをどのへんにぶつけられましたか?

鍵本輝 やはり自分的に何かしらを発信しておかないとダメだな、と思ったので。ずっとYouTubeをやりたいなと考えていて、2月の後半くらいにチャンネルを開設したのですが、この自粛期間中、いろいろなことをYouTubeで学びましたね。

――映像のことなどですか?

鍵本輝 撮影も編集も、全部自分でやっているんです。そこで自分の課題が見えてきて、「こういう癖があったんだな」「こうしたら、もっと編集が楽なのに」というのが分かって。これまで何気なくテレビの収録などいろいろなインタビューをしていましたけど、「みんなすごく大変な思いをして、テレビを作っているんだ」ということを改めて感じて。だからこの自粛期間を経て、僕は今、スタッフさんへの感謝と愛であふれています(笑)。

――すばらしい。

鍵本輝 そこで動画編集スキルも学べたので、今後、いろいろなところに生かされてくるかな、と思います。

――さしつかえなければ、自分の癖で変えようと思ったところは、どういったことですか?

鍵本輝 情報過多というか、延々といらない話をしてしまうんです。でも1行テロップでまとまるコメントが一番使われるな、と。

古屋敬多 やっと気づいた(笑)。

鍵本輝 時間がかかりました(笑)。1行のテロップにコメントが収まれば、視聴者も編集している側も、分かりやすいですね。バラエティ番組も出させてもらっていて、オンエアを見てその大切さを痛感します。いかにどれだけ短く、ちゃんとしたことが言えるか。

――皆さん、ご自身のYouTubeチャンネルを持っていますよね。

谷内伸也 僕も音楽ソフトをいじったりとか、YouTubeも今年に入ったくらいから、ちょっとずつとりためていたんです。始めたのは5月くらいだったと思うんですけど、僕は友だちとやっているので、これまでは編集などはやってもらっていて。ここ1週間くらいで動画編集を始めた感じなんです。でも企画する大変さとか、1本作るのにすごく時間がかかるんだなというのを、身を持って感じました。あと自分の思い通りの作品を自分の手でそのまま家で作って出せるとなったら、すごく楽しいだろうなと思います。

――メンバー間でアイデアを出し合ったりはするのでしょうか?

鍵本輝 YouTubeに関しては、ほぼそれぞれやりたいことをやっていて、あまり干渉はしないです。

古屋敬多 でも「こういうのを見てみたいな」とは言いますね。あと誕生日が続くので、サプライズし合ったりしています。

――この自粛期間では、今までは時間がなくてできなかった動画編集をおこなったり、音楽ソフトや楽器を触ったりと新しいことにチャレンジして、次のライブに向かっていける状態にしていたのですね。

谷内伸也 そうですね。勉強できる、いい期間ではあったと思います。

苦闘した「Wild Fight」のレコーディング

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――先ほどお話に出た「Wild Fight」はメッセージ性が強い曲ということですが。

鍵本輝 非常事態宣言中に、「自分たちも立ち止まっているだけではなく、何かしらアクションしていかなきゃいけない」とチームでいろいろ話し合った時に、形は変わるかもしれないけど、リリースはなるべく止めずにしていきたいよね、となって。みんなで一緒になって作っていこうとした時に、最初に来たのが「Wild Fight」だったんです。その時のポジティブな気持ちがストレートにこの曲には入っていますね。ただ僕はこの曲には、苦手意識が…。

――え、なぜですか?

鍵本輝 曲をリリースする際、最初にレコーディングをして、所属事務所の社長に「この曲をリリースしたいのですが」という確認があるんですけど、それをしたら社長から「レコーディングクオリティが低い」みたいな感じで激励を受けて、もう1回、録り直すことになったんです。しかもありがたいことに事務所の社長が「俺が録る」と言ってくださって。それを言われたのは、僕たちが第2章に入った時の「Upturn」(2013年リリースのシングル)以来だったんです。その熱意がうれしいなと思って「いいテイクを必ず残すぞ」というガチな気持ちで行ったんですけど、コテンパにやられまして。ある意味、ガチガチでした(苦笑)。

古屋敬多 緊張してガチガチだったんだ(笑)。

――どのあたりが課題だったのでしょうか?

鍵本輝 リズム感と言われたんですけれど、何がダメなのかちゃんと理解できなくて。それに応えられない、くやしさがありました。

谷内伸也 わりとファイトしてましたね。

鍵本輝 本当にいらだちを隠せなくて、スタジオを壊しそうになりました(笑)。

――お2人はどうだったのでしょうか?

鍵本輝 レコーディングは僕がトップバッターだったんです。だからこれがまた、2人はすんなりいくんですよ。

古屋敬多 ずっと社長の隣に座っていて、あっくん(鍵本輝)へのアドバイスを聞いていたんです。だから「ここはちゃんと守ろう」と思ってその通りにやったら、結果、結構うまくいった(苦笑)。おそらく1発目だったら、すごく大変だったと思います。

――リズムのことを言われた、ということですが。

古屋敬多 18年間ずっと同じことを言われていて、リズムじゃない、ビートなんだ、と。

――リズムじゃなくて、ビート。

古屋敬多 リズム&ブルースの起源みたいなところから話が始まっていくんです。それを実践するのが、なかなか難しいんですよね。だから、まだまだなあ、と思います。

――では、「Wild Fight」は輝さんのバトルの成果とも言えるんですね。

鍵本輝 僕の「Wild Fight」を聞いてもらえたら(笑)。曲は希望に満ちているんですけど、悪戦苦闘感がきっと出ていると思います。

――ところで歌詞に<じれったい夢を諦めない>というフレーズがあるのですが、皆さんは、ここをどんな風に解釈されましたか?

鍵本輝 僕もそこはいい表現だなと思いました。じれったいというと、ちょっとかわいらしい表現ではあるんですけど、本当に夢ってつかめそうでつかめないし。近く見えたけど、まったく遠かったりとか。じれったいのが、本当に夢だなという。だからこそ、夢を見てしまうというか。もっと頑張ったらいけるんじゃないかとか、と思わせてくれるのが夢なので。だからこの歌詞のとおり、まだあきらめずにいきたいですよね。

――本当に夢というのは、手に入れるまでが大変ですよね。

谷内伸也 この曲の歌詞は、(作詞の)shungo.さんから僕たちへのメッセージでもあるよなと思っています。

――いつも歌詞を通してお手紙をもらっているような感じですか?

谷内伸也 そうですね。

――ちなみに、伸也さんが最近じれったいな、と思ったことってありますか?

谷内伸也 コロナ禍は僕らに限らず、外になかなか出れないですし、出たら不謹慎だと言われる。かと言ってみんな出なくなったら、経済がまわらなくなるしという、板挟み感が、本当にじれったいし、もどかしいです。

――自粛期間はまさにじれったい、ですよね。敬多さんは、最近生活の中でじれったいと感じたことは?

古屋敬多 じれったいかあ。

鍵本輝 UFOキャッチャーは?

古屋敬多 ああ、確かに。フィギュア熱が再燃して、今、ゲームセンターにはまってまして。少年誌の『ワンピース』のキャラクターとか集めているんです。昨日、ちょっと整理したんですけど、数えたら70個くらいあって、クローゼットに入りきらないんですよ。それが入りきらないがために整理しないといけない、というのがじれったいです。なのでちょっと引っ越そうかなと思っています(笑)。

オンラインだからこそできた楽しい形のライブをしたい

――残念ながらファンの方たちに直接会う機会がない状況が続いていますが、今、どんなことを伝えたいですか?

古屋敬多 僕たちはシングルをリリースするたびに各地をイベントで回って、ファンの人たちと触れ合ってきているグループなので。それがないから、すごくさみしいな、というのはあります。それと同時に、みんながどこかに行ってしまうんじゃないか、といった不安も少しあって。ずっとLeadを見ていてほしいという思いがあるので、今回は新しい挑戦として10月30日にオンラインライブをおこないます。画面越しですけど、久々に長時間ライブができそうなので。チャットやコメントのやりとりもあるし、結構、生っぽさは出るのかなと思うので、ここぞとばかりに頑張ろうと思います。

――オンラインライブをやることで、また新たなことが見えてくるかもしれないですね。

古屋敬多 一発目がすごく大事だと聞いていて、ぜひまたやりたいので、慎重に進めていきたいです。

鍵本輝 確かに今は以前のような活動はできないですけど、逆に今だからこそできる、最大限の表現というのはあると思うんです。それを10月30日におこなうライブで頑張って作りたいですね。ライブの会場の空気感とか、同じ空気を吸う、ということは確かに難しいんですけれど、春、夏とライブができなかった部分のパワーはありあまっているので、自分たちのモチベーションが画面からでも伝わる、というステージを作りたいです。

――画面から圧を出したい?

鍵本輝 画面が2Dなのに、3Dなのかな? って(笑)。毎年、夏のツアーでは「Upturn」と掲げていて。特別枠ではありますけど、オンラインライブもまた「Upturn」と掲げてライブをしたいな、と。毎年やってきた自分たちの意思は変わらず、届けたいなと思っています。

谷内伸也 デビューして以来、こんなに家を出ることがなかった、というくらい、ずっと東京にいて。寂しい気持ちはもちろんありましたし、ライブができない分、Leadの音楽に触れてらえないと、やはり人間なので、熱というのはどうしても下がるのかな、というのは身に感じながら過ごしていて。その中で、次のアウトプットのためのインプットの時間を過ごせたらいいな、と思ってそれぞれやってきたんですけど。会えなかった時のさみしい気持ちだったり、インプットしたものを10月にぶつけて、「やっぱりLeadはいいな」といってもらえる場にし、「オンラインだからこそできた楽しい形」として思い出に刻めたらいいな、と思います。

(おわり)

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