Hilcrhyme「これから進化して行く様を見せたい」デビュー10周年決意新たに
INTERVIEW

Hilcrhyme「これから進化して行く様を見せたい」デビュー10周年決意新たに


記者:村上順一

撮影:

掲載:19年02月13日

読了時間:約13分

1000件のエピソードから完成した「Lost love song【II】」

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――さて「アタリマエ」はすごくHilcrhymeらしさが出た一曲だなと思いました。

 「ある日急にいなくなる」ということを身をもって経験したし、Hilcrhymeを聴いてくれていた人にとっても、ある日急に聴けなくなるとか、当たり前の毎日が当たり前ではなくなる、ということから発想して作った曲です。久々に王道なラブソングが出来たなと思っています。じんわり広がっていってるなという感覚はあります。

――すごく考えさせられる言葉ですよね。今まで曲を作る上でスランプはありましたか?

 スランプはないですね。僕は手が止まるということがないんですよね。一日一曲テーマがあれば書けちゃうくらい。それはこういう人間で良かったなと思います。

――常にテーマを探している感じでしょうか?

 その通りです。

――Twitterで詩を投稿されていますが、そこから曲に繋がることもあるのでしょうか。

 Twitterは過去の歌詞をそのまま載せたりとか、ライブのMCで気に入ってる言葉をそのまま書いたりとか、アルバムで歌っているような言葉をつぶやいたりしてるだけなんです。そこからアウトプットに繋がったのが、今作に収録されている「愛と恋」という曲です。これはTwitterをやっていたら浮かんだものなんです。Hilcrhymeが作ってきたものをちょっと小出ししているのがTwitterで、それが全然違う所に跳ねてて刺さっているという感じです。

――Hilcrhymeというよりかは名言集と捉えている方もいるようで。

 そうそう(笑)。Hilcrhymeと知らずフォローしている人もいるはずです。

――さて、「Lost love song【II】」は募集したエピソードから選ばれたそうですね。

 一晩で600件、一週間で1000件来ました。

――すごいですね! 全て見られたのでしょうか?

 全部見ました。結果一人に絞ったんですけど、その方は2つエピソードを送ってくれていて、一人目の交際相手はこんな人でした、二人目はこんな人でしたという感じだったので、歌詞の1番2番にちょうどいいなと思って。内容もわかりやすくて、浮気する男、顔も性格も好きなんだけど、どうしても他の女の影がスマホから見えるとか、それに対して怒ると逆ギレされるとか、凄くわかりやすい話で。そういうエピソードを歌詞にすると普遍的な歌詞になりますから。

――多くの方が経験されていることかもしれないし、共感を得やすいかもしれませんね。

 そうですね。とんでもない失恋エピソードだったら歌詞にはしづらいかもしれないし、共感は得にくいですよね。

――そういうエピソードも中にはありましたか?

 滅茶苦茶いっぱいありました。一歩間違えたらこれは事件ではないかというのもあって「この人刺されてない?」みたいな(笑)。本にしたいくらい全部リアリティがあって。でもちょっと男としては辛い読み物でしたね(笑)。

――楽曲の制作自体はいかがでしたか。

 原曲は2014年に発表した「Lost love song」という曲で、それの続編、第二章的なものを作ろうというアイディアが湧いて、そうしたら一晩でトラックもサビも出来たんです。「失恋の歌」というテーマもありました。あと歌詞のエピソードは自分で書くのではなくて募集をしたらみんなを巻き込めて面白いんじゃないかと思ったし、実際そんなことをやっている人は少ないからやってみました。エピソードを使わせてもらったアカウントの方はCDのSpecial Thanksにクレジットが入っています。

――それは嬉しいですね。「Lost love song【Ⅲ】」も楽しみです。

 どうですかね…今のところは浮かばないけど、やろうと思ったらやるんでしょうかね。今のところは【II】が凄く良い出来栄えなので、当分はこれを楽しみたいなと思います。

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