音楽は僕の唯一の明るい部分――、三浦貴大 実体験と芝居のバランス考えた『栞』
INTERVIEW

音楽は僕の唯一の明るい部分――、三浦貴大 実体験と芝居のバランス考えた『栞』


記者:桂 伸也

撮影:

掲載:18年10月26日

読了時間:約15分

尊敬する役者との共演

――三浦さんは元々ライフセーバーをしていたこともあり、元アスリートといえるところがあると思いますが、今回共演された阿部さんが演じられたアスリートというイメージに、印象的なものはありましたか?

 いや、今回は相手として、脊髄損傷でどこからどこまでが動かないという人との対峙という格好の意識でした。その相手の症状とかの細かいことを、ずっと現役の理学療法士の方といろいろ話しながらやっていたので、アスリートというよりは、一人のリハビリをしている人間、そして脊髄を損傷した人間としての動きというところで意識しました。

――三浦さんから見られた阿部さんご自身の印象は、どのような感じなのでしょうか?

 阿部さんはスポーツとしてのアスリートではないですけど、役者としてはとんでもないアスリートだと思っているんです(笑)。完全な努力型というか。

――今回の作品も、かなり気迫を感じられる演技をされていますよね。また映画の阿部さん自身の体型は、まさにアスリートという印象がありました。この映画のために、トレーニングを詰まれたというお話もうかがいましたが、本当に何かスポーツをやられていたのかと思いました。

 いやなんか本当にすごいですよね、阿部さんって元々はどちらかというと、細い方だと思っていたんですけど。今回久々にお会いしたら、すごく体がでかくなったなとビックリしました。今はもうアスリートとしては、何も文句がなくて“アスリートよりアスリート”なんじゃないかなと(笑)。

三浦貴大

三浦貴大

――ではそんな阿部さんとは、役柄として対峙しているとこう、何かそれぞれのキャラクターのバックグラウンドとか事実関係などのこまごました状況というよりは、役者と役者同士という認識としか、そこにはあまり感じなかったと?

 そうですね。阿部さんは、僕が一番尊敬する役者さんですし。昔からなんですが。

――それはまた再共演できて喜びもひとしおという感じでしたね。また阿部さんもそうですが、三浦さんは劇中では、鶴見さんとの絡みも大きな場面のポイントとしてありました。阿部さんとのシーンとはまた違うところもあったかと思いますが、そこには何らか印象的なところはありましたか?以前映画『ばあちゃんロード』では義父と、その娘の婿という関係でしたが、今度は本当の親子という関係というのが面白いところでもありました。

 鶴見さんとは結構、何度かご一緒させていただいているんですけど、あの面白さというか…。アドリブをいっぱいやってくる役者さんではない、余計なことを沢山やってくる役者さんではないと思うんです。でも台本には書いていない、けどちゃんと役に沿った動きをされるんです。それがアドリブじゃなくて、やっぱりセリフにつながってくる。そんなことを感じさせる動きや、人間性を説明するような気持ちを、説明するような動きを入れてくるんですけど、それがいつも共演していて面白いと思うんです。

――普通の役者さん以上に、その役の理解度が高いということですね。

 本当に役を深く理解されていて、その動きがやっぱりアクセントになる。そんなところを毎回本当に一緒にお芝居をしていて刺激的に思っていますし、いつもすごいと思いながら見ています。でもその一方で、普段がすごく気さくで面白いんですよ(笑)。

――映画の舞台挨拶でも、盛り上げられていましたね、あおり役というか(笑)。

 いや本当に。気さくに“三浦くん! 今度一緒にゴルフに行こうよ!”って誘ってくれたり(笑)。

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三浦貴大
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