SKE48の劇場公演曲やシングル・アルバム収録曲などを合わせた対象楽曲全374曲の中から、ファン投票で選ばれた楽曲をカウントダウン形式で発表するイベント『SKE48 リクエストアワー セットリストベスト 100 2018 ~メンバーの数だけ神曲はある~』が、9月15日・16の2日にわたって愛知県名古屋市の名古屋国際会議場センチュリーホールでおこなわれた。

 SKE48としては3年振りの開催となったこのイベント。初日となる15日には昼と夜の公演を合わせて100位から50位、16日には49位から1位のランキングが発表されると共に、SKE48のメンバーによるパフォーマンスが披露され、訪れた多くの観衆を賑わせた。また15日には最年長メンバーである松村香織が卒業を発表、さらにエース・松井珠理奈の登場など、トピックスも含め印象深いイベントとなった。速報記事はすでに既出済みだが、改めて、イベントのクライマックスとなった16日夜回の模様をレポートしたい。【取材=桂 伸也】

(C)AKS

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 この回は矢作有紀奈、野々垣美希の2人による25位の「禁じられた2人」よりスタートした。穏やかな、それでいて切ない空気が会場を満たしていく。かと思えば、19人のメンバーによる「いい人いい人詐欺」と、アップテンポなノリのいい楽曲に変わると、観衆の歓声が大きな波動となって、会場全体に響いていく。「ここにランクインしたか」「おお、この曲が…」観客席からは、ランキングに様々な思惑を見せる観衆の声があちこちから上がる。それは華麗なパフォーマンスを見せるSKE48の面々もしかり、自分たちの楽曲が高位置にランキングしたことに対して喜びを語るメンバーたち。

 ランキングには23thシングル「いきなりパンチライン」のカップリング曲「例のポテトチップス」「誰かの耳」「花の香りのシンフォニー」などをはじめとした新しめの楽曲も目立つ一方、「あの先の未来まで」「クロス」「奇跡の流星群」などオリジナルメンバー自体に抜けが出てきているもの、あるいはそれに伴い新たなメンバーを加え披露されるものも目立つ。楽曲によっては「自分が初めてセンターに選ばれた曲だからこそ」という思いを語る者も。その一つひとつに、ファンにも、歌い手であるSKE48のメンバーそれぞれにも、曲に対する深い愛情が溢れていると同時に、彼女らの楽曲を知らない観衆にも、“聴いてみたい”と思わせるような印象を漂わせていた。

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 一方で、昨日卒業を発表した松村にまつわる話も印象的だ。20位にランキングした「誰かの耳」を披露した、チームKIIの面々。「(うちのチームは)卒業しなくて有名ですが、(松村)ついに卒業するということで、やっと後輩に日が当たる」などとメンバーから憎まれ口が叩かれる松村だったが、そんなことが堂々と言われるのは、彼女自身が強くメンバーより愛されているからではないだろうか。また12位の「君について」が披露されたあとに催された企画「笑ってはいけないSKE48」では、自ら罰ゲームの“ケツバット”執行人をかって出て愛嬌のあるところを見せ、会場を沸かせるなど終始会場を盛り上げていた。

1位になった須田亜香里と松村香織(C)AKS

 そしてイベントのクライマックスである第1位の発表では、同期の須田亜香里とのユニットによる楽曲「ここで一発」にて会場を盛り上げる。同じタイミングでSKE48の門を叩き、当初はなかなか芽が出ず思い悩んだ同士の2人。まさしくその2人のことを歌った歌であると、自身も認めるその歌が、コミカルに見える歌詞ながら、2人の思いを溢れさせ涙すら呼び起こしていく。最後に松村は須田と抱き合い「この曲は、今の私たちにぴったりの曲。卒業を発表した次の日に1位を取れるとは思っていなくて、本当に幸せ」と語り、有終の美を感慨深く心に刻んでいた。

松井珠理奈(C)AKS

 また今回は絶対エース・松井珠理奈がリクエストアワー3公演の沈黙を破り、ついにステージに登場。待ち構えていたように響いた観衆の歓声を背に、自身のソロ曲である「赤いピンヒールとプロフェッサー」を華麗に披露した。披露後は「今日はチームSでバリバリ踊れる4人とやったんです!」と満足そうに語りながら、ステージを共にした都築里佳、山内鈴蘭に上村亜柚香、杉山愛佳らの、若いメンバーを含む“同胞”らを讃えた。さらに松井はアンコール「いきなりパンチライン」で堂々のセンターを務め、健在振りをアピールしつつも、選抜総選挙からこの日までの道のりをたどり「休んでいても、SKEから離れられなかった。これが答えだなと思っています」と感慨深く回想、エンディング曲「仲間の歌」では下手側でそのパフォーマンスを披露、仲間たちを見守るような度量の大きさを見せていた。

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 その一方で、今回は緊急告知として第9期生オーディション開始の告知が発表されると共に、ステージには湯浅洋・SKE48劇場支配人が登場、石黒友月、大谷悠妃がチームS、中野愛理がチームK2、深井ねがい、西満里奈、平田詩奈がチームEへと、若いメンバーが即日昇格という嬉しいニュースも。6人は大舞台での突然の発表に戸惑いや涙まで見せながら、改めて躍進を誓った。そんな様々なメンバーの様々な思いが交錯した今回の『SKE48 リクエストアワー セットリストベスト 100 2018 ~メンバーの数だけ神曲はある~』。彼女ら自身の新たな時の始まりも感じさせたこのステージから、次はどのような展開を見せていくのだろうか? 期待していきたいところだ。

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