音楽は勝ち負け、電波少女 NIHA-C加入で目指すシーンの高み
INTERVIEW

音楽は勝ち負け、電波少女 NIHA-C加入で目指すシーンの高み


記者:小池直也

撮影:

掲載:18年08月22日

読了時間:約13分

 ヒップホップグループの電波少女が8月1日、新曲「Munchii Bear Cookiis 2018」を配信リリースした。同曲は彼らの5カ月連続配信リリースの第1弾。インディーズ時代に最も人気があった曲が、3月に加入した新メンバーのNIHA-Cのラップを加えて生まれ変わった。7月には新体制でのワンマンライブを成功させ、さらにこの連続リリースを経た11月にはシークレットゲストを迎えての全国ツアー『シークレットツアー』を開催と精力的に活動する。メンバーのハシシは「僕は競争、勝ち負けだと思ってます。他のアーティストに勝ちたい」と意気込む。メジャーデビューから1年が経とうとしている彼らが今感じている事とは。電波少女のハシシ、nicecream、そして新メンバーのNIHA-Cに語ってもらった。【取材=小池直也/撮影=冨田味我】

NIHA-Cがいての電波少女

ハシシ(撮影=冨田味我)

――5カ月連続でのデジタルリリースが続くそうですね。

ハシシ NIHA-Cくんが加入して、一緒に電波少女として活動していく事になるので。今後も大事な過去曲を歌っていく上で、3人でしっかり披露できる様に強度を高めたかったんです。電波少女の曲だけじゃなく、NIHA-Cくんの楽曲もやろうと思っています。

NIHA-C プレッシャーというか、もともとできているものですから。今までよりいい物になっていないと納得してもらえないなと思っていました。「Munchii Bear Cookiis 2018」は5、6種類バースを書きましたね。丹精込めて作ったというか、時間はかかりましたよ。

ハシシ 5、6種類というか、5、6回書き直させた感じです(笑)。「もっといける」って。変とかではないんですけど「Munchii Bear Cookiis 2018」は自分達も1番歌ってきた曲で、お客さんにも愛されてる曲ですから。それにNIHA-Cくんのポテンシャルを考えたら、単純にもっといけるだろうなと。

――レコーディングはどんな感じだったんですか。

NIHA-C 大変でしたね(笑)。「そこの声はこう出してほしい」とか指示をもらいながら。自分がやった事がないアプローチにも結構挑戦していたりするので、それがきれいにバシッと録れずに時間がかかりました。

ハシシ 僕の家で録音しているんですよ。レコーディングする日は朝10時とかに集合して。近隣への騒音にも気を使わないといけないので、みんな出勤したかなという時間に集まって夜7時くらいまでやります。最近暑いじゃないですか。僕が起きれなくて、NIHA-Cくんを玄関の外で暑い中30分待たせてしまったりとかあったので合鍵を作りました。

NIHA-C チャイムを鳴らしたら怒るんじゃないかと思って、鳴らせませんでした(笑)。

ハシシ スタジオより機材は当然劣るんですけど、スタジオで録ると遠慮して早めに終わっちゃったりとか、力を出し切れなくて。機材や音質も大事なんですけど、それよりも自分のバイブスを優先している感じですね。

nicecream 出来上がった音源を聴いた時もすごい良かったですね。NIHA-Cくんの新しいバースを聴いて「電波少女のNIHA-Cになった」という感じがしました。この2人は合うな、ともともと思っていたんですよ。

――次の配信作品はどんな感じですか。

ハシシ 次回は昨年9月のアルバム『HEALTH』に収録されていた「21世紀難民 feat.れをる(from REOL)」のれをるのバースをNIHA-Cくんに差し替えてリリースします。トラック自体はいじってないですね。僕のバースも変わってないので、僕のラップを聴きたい人は正直買う必要がないのかもしれない。

でも「Munchii Bear Cookiis 2018」もですけど、NIHA-Cくんのバースがすごくいいんですよ。だから是非聴いて欲しいです。僕はめちゃくちゃ自信がある。まだ作業中なんですけど、それ以降のリリース楽曲も決まってはいますよ。

――先程nicecreamさんから「電波少女のNIHA-Cになった」という発言がありましたが、NIHA-Cさんはいかがですか。

NIHA-C 初めて言われましたね。

ハシシ 僕の周りの人も結構「電波になったね」と言ってくれますよ。

NIHA-C そういう感想を聴きたかったんですよ。加入した瞬間から覚悟を決めて電波少女なんですけど、なかなか受け入れづらい人もいるだろうなと思っていたので。だから「NIHA-Cがいての電波少女」と言ってくれる方をひとりでも増やしていければ嬉しいです。僕はずっとソロで活動していたので、誰かと一緒にステージ立つのは客演くらいでした。MC2人でショウをする難しさはやっぱりありますが、そこは頑張らきゃと思っています。立ち位置とか細かいところも含めて。

ハシシ 僕はnicecreamと2人で3年間やってきました。ラップを始めてステージに立つ様になってから15年くらい経ちましたけど、この3年以外はずっとグループだったんですよ。2MCとか3MCとか。むしろフロントが自分1人という状況にようやく慣れてきたというか、なんとなく見えてきた。そんなタイミングでの加入だったんです。

 僕はNIHA-Cくんが入るのはビルドアップだと思っていましたが、正直途中で「あれ?」という場面もあって。もしかしたら今まで通り2人の方が良かったのかも、と一瞬よぎる事もあったんですけど、TSUTAYA O-EASTのワンマンやテレビ出演を客観的に見た時にプラスだったなと感じています。それに音源制作もライブも誰かとやっている方が楽しいのもあるし。

nicecream 僕もビルドアップしたと感じています。もともと3人だったものが2人になって、僕がやっていた被せ(一緒にラップする)がNIHA-Cくんの方にいって楽になりました(笑)。なのでパフォーマンスやボタンを押す係に専念できます。

この記事の写真

記事タグ 

コメントを書く(ユーザー登録不要)

関連する記事