ヒップホップクルーの電波少女(デンパガール)が3月31日、東京・新宿MARZで『電波少女フリーワンマンライブ』をおこなった。この日は重大告知があるとオフィシャルサイトでも大々的に告知され、ファンもそれを確かめにライブハウスに集結。チケットは3分で申し込みが定員に達し入場できない観客もいたという。重大発表はライブ中盤で、スクリーンを使用し盟友であるNIHA-Cが電波少女に新メンバーとして加入することを発表。驚きの声があがるなか、7月1日にはNIHA-Cの正式加入初となるワンマンライブ『OWARI NO HAJIMARI』を東京・TSUTAYA O-EASTでおこなうことも発表し、新体制への期待感に満ちたパフォーマンスで魅了した。【取材=村上順一】

無料なんで盛り上がる義務があります

(撮影=伊藤麻矢)

 今回はフリーライブで重大告知ありとのことで、チケットは3分で申し込みが定員に達し会場は満員御礼。The Clashの「LONDON CALLING」がBGMで流れる中、開演を待ちわびる観客の姿。「INTRO」で幕を開けたライブはnicecreamが先ずは先陣を切ってアクロバティックなパフォーマンスで高揚感を煽ると、そこにハシシが登場し、リリックを畳み掛ける。「始まるぞ!」とライブへのテンションを上げ、「FOOTPRINTZ」へ突入。マイクスタンドを使用し、緩急をつけた展開で扇情させる。

 どこか会場全体がソワソワとした、いつもと違う雰囲気も感じられるなか、「ME」を届ける。ビートに合わせ手を振り上げる観客の盛り上がりに笑みを浮かべるハシシ。今回はダンサーがいないから心細いとnicecreamとキャッチボールしながら、「21世紀難民」へ。<気安く話しかけてくんなボケ♪>とハシシは鮮烈な言葉を叩きつけ、nicecreamもその勢いに乗ってブレイクダンスで応戦。「無料なんで盛り上がる義務があります!」とハシシの言葉から、レゲエのビートでゆったりとしたグルーヴがフロアの空気感を変えた「Mis(ter)Understand」と様々な色をステージから放つ電波少女。

 nicecreamのギターのチューニングをBGMに電波少女の歴史を語るハシシ。初期には6人の時代もあった電波少女だが、活動とはカウントしてないと話す意味深なMCに続いて、47都道府県『電波少女的ヒッチハイクの旅』でストリートで歌っていた「笑えるように」を届ける。夕焼けをイメージさせる照明にnicecreamのアコースティックギターの枯れたサウンドが楽曲を彩り、目の前に情景を映し出すような臨場感。

新メンバーとしてNIHA-Cの加入が決定

(撮影=伊藤麻矢)

 そして、エモーショナルなナンバー「NO NAME.」で観客の心を揺さぶりかけ、「今一度歌詞をしっかり考えて聴いてもらえたら、やっぱ良い曲だなとなるはず」と投げかけ、人気曲「Munchii Bear Cookiis 2015」を体を揺らしながら楽しむフロア。そして、「今皆さんは何を考えていますか?」という謎に包まれた告知への煽りとも言える問い掛けから「SKIT2」へ。迫真の歌を聴かせるハシシの姿に観客も、腕を振り上げエネルギーをステージへ届ける。

 ここで2人はステージを後にし、上方からスクリーンが登場。重大告知の文字が緊張感を煽るなか、先ずは7月1日にワンマンライブの開催を発表、そして、もう一つ、新メンバー加入の文字に続き、そこに映し出されたのは盟友・NIHA-C。ここから3人体制となる“新”電波少女の序章とも言える瞬間。映像には“電波少女的洗礼”として、2人がヒッチハイクの旅でもおこなった龍神の滝での「滝行」をおこなうNIHA-Cの姿に笑いが起きる。

 彼ららしいユーモア溢れる映像が終了し、スクリーンがゆっくりと上がると3人がステージに登場し「MO」、「オーバードーズ」と立て続けに披露。ナチュラルに溶け込むNIHA-C。電波少女をよく知る彼の加入は大きな起爆剤となり、今までの曲も、更にブラッシュアップ。新体制を祝うかのようにnicecreamのダンスもヒートアップ。ハシシは「めちゃくちゃ進化していきます。僕が性格悪い内は電波少女は大丈夫です!」とハシシらしく宣言。7月のワンマンでは新しい電波少女を、見せると意気込み、心地よいビートに包まれた「花火」、NIHA-Cが電波少女とコラボした「モナリザ」とハシシとのキャラクターの違うラップで魅了していく。

 NIHA-Cは電波少女加入について、「皆さんをがっかりさせないように3人で協力して良いものを届けてみんなと楽しく完成度が高いものを作れるように頑張ります」と決意を述べ、「Earphone」を届ける。NIHA-Cの「ハンズアップ!」の掛け声に手を掲げ一体感を出し、ハシシとNIHA-Cのエモーションが重なり合った「COMPLEX」と絶妙なバランス感覚で展開。ラストは7月のワンマンは特別なライブだと話し、ここで現体制の一区切りだと「OUTRO」を披露。それぞれの想いを胸に堂々としたパフォーマンスに3人での活動への期待感が高まるなか、フリーライブの幕は閉じた。

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