電波少女「みんながいるから僕らは成立」ゲストと紡いだリリパ
単独公演『メジャーデビューアルバム「HEALTH」リリースパーティー「箱ヘル」』をおこなった電波少女
ヒップホップクルーの電波少女(でんぱがーる)が7日に、東京・高円寺HIGHで単独公演『メジャーデビューアルバム「HEALTH」リリースパーティー「箱ヘル」』をおこなった。9月27日にリリースされたメジャーデビューアルバム『HEALTH』の発売を記念しおこなうというもの。この日は、ゲストにNIHA-CやJinmenusagiを招き、『HEALTH』の楽曲を中心に全17曲を届けた。ハシシは「みんなが来てくれたからハッピーです。みんながいるから僕らは成立しています」と感謝を告げ、リリースパーティーの幕は閉じた。
日本の食卓に合うカレーを作っていきたい
会場の高円寺HIGHは、満員のオーディエンスで埋め尽くされていた。ステージにはDJセットのみだが、これから始まるショーに期待感というエネルギーで満ちているようだった。開演時刻を少々過ぎたところで暗転すると、アルバム『HEALTH』のオープニングを飾る「INTRO」が流れ、nicecreamとダンサーがステージに登場、そのあとハシシがステージに合流し、リリースパーティーの幕は開けた。ラウドなビートに乗って言葉を発信していくハシシ、目にも止まらぬ高速回転のヘッドスピンでオーディエンスを盛り上げるnicecreamと2人の持ち味全開のステージを展開。
メジャーデビューを掛けたヒッチハイクの旅を経て完成した「FOOTPRINTZ」から、盟友NIHA-Cを招き「オーバードーズ」を披露。オーディエンスも手を振り上げ一体感を高め、アルバムに収録されているメロウなナンバー「花火」へと繋がっていく。今までのフィーチャリング曲とは、違う趣のナンバーは新鮮さを与えてくれた。電波少女とNIHA-Cによるピュアで温かい空気感がそこには存在した。
そして、タイトルコールで歓声が上がった「21世紀難民」では、<気安く話しかけてくんなボケ♪>と攻撃的な言葉を浴びせるハシシ。そして、重低音が会場を揺らし、それを受けてさらにテンションが上がっていくフロア。nicecreamのブレイクダンスでダメ押しのパフォーマンス。
「先天性ハートブレイク」を終えてのMCでは、ハシシに「これからの電波少女は?」と聞かれ、nicecreamは「僕らはインドカレーを作っているわけではないので、日本の食卓に合うカレーを作っていきたい」と、過去のハシシのインタビューでの回答を引用しこれからのスタンスをカレーに例えて宣言。
続いて、電波少女を語る上で外せない仲間の一人Jinmenusagiがステージに登場。「RY 」や「MONE¥CLIP」とハシシとJinmenusagiの息のあったコンビネーションでフロウしていく。内面にある熱いものを引き出してくれるかのよう。
スマホを手に取り、イヤフォンを耳につけるハシシ。会場に響き渡るスマホの着信音から「未来は誰かの手の中」に突入。体全身を振り乱しながら、イヤフォンが耳から外れてもお構い無しに、言葉をぶつけていくハシシの姿。圧巻のパフォーマンスはオーディエンスを扇情させる。
みんなが来てくれたからハッピー
nicecreamがアコースティックギターを手に取り、2人で「笑えるように」を届けた。場面を一転させ、優しい空気感が会場を包み込んでいく。情景が目の前に浮かんでくるような好演。このグルーヴが電波少女の持ち味の一つだと確信。そのまま「NO NAME.」へ紡がれていく。ラップパートでのハシシの畳み掛けるようなリリックはオーディエンスの感情を揺さぶる。
ハシシは「30歳ですけど、負けじと頑張っていきます」と力強く宣言。nicecreamはしっかり次のライブの宣伝とお互いをうまくサポートし合いながらのMC。さらにハシシは「『HELTH』の曲は大変...」と改めてステージで歌い上げることの大変さを吐露。nicecreamも「意外と合いの手も大変で、合いの手を入れようと歌詞カードを見たら、英語だと思っていたパートが日本語だった」と話すと、会場はその天然っぷりに大爆笑。そんなゆるい2人のトークも音楽以外でのライブの楽しさをプラスしていく。
「みんなが来てくれたからハッピーです。みんながいるから僕らは成立しています」と、ハシシは感謝を告げ「SKIT2」そして、「A BONE」でボルテージは最高潮。NIHA-CやJinmenusagi、ダンサーと本日のフルラインナップで披露。ステージ上に椅子を配置し、ハシシも時折その椅子に腰をかけ、NIHA-CやJinmenusagiのパフォーマンスを楽しんでいる。ステージ上の全員が主役とも言えるような空気感のなか、本編は終了した。
記念撮影を終え、ライブも幕を閉じるかと思いきやハシシが「あと一曲だけやって帰りたいと思います。勝手にアンコールやります!」と投げかけ、アルバムのラストに収録された「OUTRO」を届けた。出演者とオーディエンスのエネルギーで満たされるなか大団円を迎えた。
【取材=村上順一】
■セットリスト
01.INTRO ■作品情報 電波少女メジャーデビューアルバム「HEALTH」 CD収録曲 01. INTRO DVD収録曲 電波少女 ワンマンライブ“EST.”at Shibuya WWW X(2017.06.18) 01. INTRO MV&Short Movie 12. ME MV 通常盤(CD) BVCL-825 2593円+税 |