異端のソプラノ歌手・柴田智子、オペラの“今”を問う その挑戦の裏にある想い
特別企画

柴田智子

異端のソプラノ歌手がオペラの“今”を問う その挑戦の裏にある想い


記者:村上順一

撮影:

掲載:25年06月06日

読了時間:約17分

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 世界に心響く歌を発信し、国内外で幅広い活動を展開しているソプラノ歌手の柴田智子。2025年、柴田の重要なプロジェクトが続く。6月13日には、自身が演出・主演を務めるオペラ『La Traviata〜Message from Violetta~』改訂版の再演を豊洲シビックセンターホールにて開催する。本作は、作曲家ヴェルディ自身の苦悩や、ヴィオレッタの生き様、愛の普遍性を、原作にはない新たなパートを取り入れ、現代のニューヨークを舞台に描くという意欲的な作品。

 また、ピアニストの追川礼章と2年の月日をかけて制作された初の日本語でのメッセージアルバム『Songs of Japan』が、7月16日にリリースを迎える。このアルバムには、困難な時代を生きる人々へ、自身の言葉と音楽でエネルギーを届けたいという彼女のみならず追川礼章の切なる思いが込められている。インタビューでは、これらの注目の活動について詳しく聞くとともに、彼女の音楽性の源泉や、ニューヨークでの貴重な経験から得られた学び、そして「今を生きる喜び」を歌に託す柴田智子のアーティスト像に迫った。

演劇的な要素や言葉の重みを重視しつつ、美しい声BEL CANTOで届けたい

柴田智子

――6月13日に開催されるオペラ公演『La Traviata〜Message from Violetta~』には、どのような思いで取り組まれていますか。特に、観客にオペラをどう届けたいとお考えですか。

 今回の『La Traviata〜Message from Violetta~』には本当に力を入れています。オペラはどうしても「過去のもの」と思われがちですが、そうではなく、「あなたの今」と深く関係していると感じられるようなステージにしたいんです。単に声が大きいとか美しいといったことだけでなく、登場人物3人(ヴィオレッタ、アルフレード、ジェルモン)の心情的な変化や、なぜそのような行動をとったのかという理由を丁寧に描くことが重要だと考えています。

 パリのオペラ座などいろいろなところでこの舞台を観てきたのですが、舞台の雰囲気や演出に共感できず、これではお客さんには伝わらないなと思いました。私が拝見した過去のオペラ演出には、観客に伝わりにくかったり、ストーリーを伝えるために奇をてらってオペラを聴衆の皆様にわかりやすく伝えるという主表を描いたものが多いもあったため、今回は皆様に伝わりやすくするため、合唱の一部をカットするなど抜粋して、演劇的な要素や言葉の重みを重視しつつ、感情の伝わる美しい声を届けることに注力しています。

――今回の公演で、ヴェルディや当時の社会状況に焦点を当てる狙いは? また、演出において特にこだわっている点はありますか?

  オペラの背景にあるものをしっかり伝えたいと考えています。例えば、このオペラを作ったジュゼッペ・ヴェルディ自身が登場し、なぜこのオペラを書いたのかを独白する試みをします。当時のナポレオン法定により女性が生きる道は多額の持参金があるか、お針子やダンサー等をして陰でお客を取るか特に「クルティザンヌ」と呼ばれる高級娼婦として生きるしかなかった女性たちの選択肢のなさについても触れ、ヴィオレッタの背景を深く伝えたいのです。また、ヴェルディを救い、共に作品を創り上げた妻が、このオペラに深く関わっていることも描きます。オリジナルの音楽-楽譜は当時のままにしてその時代の雰囲気はそのままに活かしつつ、今回の上演では現代パートを導入します。これは原作にはないストーリーで、ヴィオレッタとアルフレードの間に子供ができていたという設定があり、その子孫が現代に登場するというものです。

――現代パートは、具体的にどのような設定で、過去の物語とどう繋がるのでしょうか? 舞台装置についても教えてください。

 現代パートの主人公は、ヴィオレッタとアルフレードの子孫であるロバートという青年です。彼は現代のニューヨークに住んでいて、トランプ政権下の困難な状況で、父のレストランにも監査が入りガールフレンドも家族も不法滞在強制送還されてしまい、大学を辞めざるを得なくなり、ガールフレンドも帰ってしまったという苦境に立たされています。ロバートが父から渡された古い箱の中からヴィオレッタの日記に出会うことで、過去の物語と現代が結びついていきます。この現代パートは去年の台本から大きく変更し、今年のバージョンではトランプ政権下の苦しみ、グローバリズムからまた新しい時代への変化といったテーマの中でロバート椿姫のストリーを読みながら成長していくという「今と過去をつなぐ」という私の思いを込めました。また、夜景が見える会場(豊洲シビックセンターホール)の特性を活かし、ニューヨークの夜景を背景にすることで、現代と過去の場面転換を視覚的に表現します。

――劇中で披露される「椿姫」の歌唱、声との向き合い方についてもお聞かせください。

 私自身も、60歳を過ぎて「椿姫」を歌うことには大きな挑戦を感じています。声帯は加齢とともに乾燥するなど変化するため、若い頃のようには歌えません。しかし、これまでの経験と技術、特に「ピアニッシモ」を武器に、感情を込めた表現を目指しています。

――喉のケアについてはどのように考えていますか。

 声のメンテナンス、リペアの重要性も痛感しています。この公演を決めた後、ニューヨークに2か月渡りで「ボイスリペア」の専門家に師事し、自分の声をリペアしどうしたら少しで長く歌えるかを学びました。将来は声に悩む歌手たちを助けるボイスリペアを教えたいと考えています。日本の音楽教育では声帯や周りの筋肉を固くして「押し出す」ことに重点を置きがちで、声帯を硬く痛めてしまうしてしまう可能性があるため、体の構造として解剖学も知って頂き、その方の年齢に沿った筋肉と息で自然な声の出し方の重要性を伝えていきたいです。

――オペラ歌手として、日頃の体調管理や健康で気をつけていることは? 過去の経験から学んだことはありますか?

 体調管理には非常に気を配っています。過去の手術やリハビリの経験から、健康の大切さを痛感しています。特に、無理のない体の使い方が重要です。筋肉のコントロールや適度な運動、例えば歩数制限(1万歩以上は歩かない、5000歩で十分)などを心がけています。ニューヨークでは歩きすぎて股関節を疲労骨折した経験や、パリでも歩きすぎて足の感覚を失った経験もあるので、体の声をよく聞き 継続的な呼吸と筋肉を上手く作動させて、NGの発声リップロール等を毎日やるようにしています。今年の夏には胸の手術も控えているので、まずは体調を万全に整えることに注力したいです。

心が癒され、浄化されるような体験をしてほしい

『Songs of Japan』ジャケ写

――初めての日本語歌唱アルバム『Songs of Japan』をリリースされましたが、どのようなコンセプトのアルバムですか?

  これまで洋楽中心でしたが、今回、ピアニストの追川礼章さんと2年の月日をかけて、初の日本語でのメッセージアルバムを仕上げました。タイトルは『Songs of Japan』、サブタイトルは「あすへの言葉」です。今回のアルバムには追川礼章さんと柴田のオリジナル曲が3曲収録されてその一つがコロナ過、二人で初めて作った「あすへの言葉」ですね。また日本のポップスの名曲を、オペラ歌手としてはあまり歌わないような楽曲も含め、柴田さんの感性に触れた曲を自由な私独自のアレンジで歌い上げています。アルバムを聴くことで心が癒され、浄化されるような体験をしてほしい、そして明日へ向かう言葉を受け取ってほしいという願いが込められています 。

――こだわり抜いた1枚になりましたね。

 本当はもっと早くリリースしたかったのですが、手術が重なり1年程遅れてしまいました。またCDを出すギリギリの許諾の部分では「上を向いて歩こう」のカバー許諾はジャスラックでなく個人の会社の為、知人に頼んで音源やレジメ―等を提出して「柴田さんのような方に歌って頂きたい」と許諾料もお安くしていただけました。私自身の足の調子が悪かったりと、さらにジャケットのサイズも22センチかくというのにもこだわりたかったため、このタイミングになりました。なかなか希望通りにやってくださるところがなくて1年近く探していたら、京都に良い印刷会社が見つかりただ、距離が離れているのでコミュニケーションが難しく、カラー紙質のやりとりなどがなかなか思うようにできなくて、一度「近くの人とやった方がいいのでは?」と、言われたりしましたが、すべてをデザイナーの方とのやりとりにする事を条件にまた「このCDをこの大きさで作るのが私の夢なんです」とお願いをして、やっと完成にこぎつけました。

――そうだったんですね。竹内まりあさんの「いのちの歌」、藤田麻衣子さんの「手紙~愛するあなたへ~」などポップスのカバーも印象的でした。

 私のコンサートの最後に15分間は日本の歌を入れるという取り組みの中で、聴いてくださった皆さんが一番涙を流してくださった曲たちで、歌唱の要望が非常に多かった曲を選びました。オペラ歌手があまり歌わない曲であるものの、自分自身も「とてもいい曲」という思い入れがあったため、その思いが観客にも通じたと感じています。中にはヒップホップの曲もあり、私用に森田悠介さんにアレンジして頂いたら、みんな本家よりいいよ!なんて言って頂いたり…このような素晴らしい歌が世界中にたくさんあり、「今」届けたいという思いが強い曲たちでした。

――一方、フィンランドの伝承曲「カレリアの丘」は、まさにフィンランドの景色が見えるようで、どこかジブリっぽい感じもしました。

 本来のメロディーはゆっくりとしたものでしたが、私なりのアレンジとして少しテンポを変えました。アレンジは追川礼章さんがして下さいました。聴き心地に変化があると思います。この曲をYouTubeなどのショート動画で公開したところ、世界中から「どこの曲?」という質問があり、国内外で反響があり大変嬉しかったです。

――アルバムに収録されている「サイレントソング」には、柴田さんの壮絶な過去の経験が反映されています。具体的にどのような経験が、この曲の源泉となっているのでしょうか?

「サイレントソング」には、私の過去の経験が色濃く反映されています。家族の死や信頼していた元マネージャーからの裏切りによる人間不信に陥り、サンフランシスコでケーブルカーに乗っていた際にここから飛び降りたらどんなに楽かと思った事があります。一緒にいた人が引き留めてくれて、命を救われました。あんなに落ち込んだのは初めてでしたね…。何より私が近しくしていた音楽仲間が彼を信頼しついて行った事がすごく心をえぐられて歌う気力も無くしたのですが、この音楽を作るという過程で創造する力が徐々に湧いてきて音楽が救ってくれました。一緒に作って下さった才能ある小田朋美さんにも本当に感謝しています。

――楽曲の着想はどのようなものでしたか。

 3.11のボランティアで東北に旅に行った時に、寒い廊下をあるいていたところ、氷柱が落ちて割れ、それが蒸気になっていくのがモチーフになっています。その様をイメージしてこの曲を書きました。

――旅をしたことで心境にも変化が訪れて。

 旅はすごく好きです。“高級ジプシー”と言われたこともありました(笑)。このような筆舌に尽くしがたい苦しみの中で、音楽に救われた経験がこの曲の源泉となっています。しかし、私にはそうした苦しみを浄化し、聴く人に幸せを届けたいという強い思いがあります。このアルバムを聴くことで、辛い経験をした方や、心の旅をしたい方など、心が動く体験を求めている人々に届くことを願っています。

――アルバムのラストに収録された「逝かないで」も強いメッセージを感じました。生きることへの希望感じさせてくれる曲でグッと来ました。

 「逝かないで」は、いつもそうなのですが、追川さんとはご一緒に制作する際何も打ち合わせもなして曲を頂きます。私はそのメロディーを聴きながらこの曲は何を言っているかをしばし感じで一気に詩を書きます。この曲は死をテーマに書きました。コロナ禍で多くの人が亡くなり、思いもかけない有名人の方も亡くなりました。また、自ら命を落とす方もいました。たとえば、りゅうちぇるさん。りゅうちぇるさんとぺこさんはお互いにいい関係でいたと思いますが、ぺこさんも自分の心を傷つけたくないというところから、一線を引いていたのではないでしょうか。おそらくりゅうちぇるさんは、まっさらな自分になる瞬間がなかったのではないかと思いました。

 ちょっとした一言でも声をかけてあげることで救われることもあると思います。私には、アメリカの著名な方から言われた言葉がありました。「智子、人は何かを頼まれることは嫌じゃないんだよ。だからなんでも話しなさい。そうすれば必ず人は応えてくれるから」。その方から見ると私は遠慮していると見えたようで、それが良くないと話してくれました。だから私もその言葉を言ってあげたかったなと思いました。

最も大切にしているのは「心が動く」こと

柴田智子

――今後の活動について、どのような展望をお持ちですか?

 まずは自身の健康回復を最優先に、今年の夏と冬の2回の手術を乗り越えたいです。その上で、来年以降には海外に拠点を置く準備を進めたいと思っています。次のCD制作にも意欲があり、今作以上に皆さんが知っている曲を、ソプラノ歌手としてではなく私ならではの表現で歌いたいと考えています。次作では、映画音楽など幅広いジャンルから「皆様が今聴きたいと思う曲」を選曲し全国回れるような歌手になりたいと願っています。

――アーティストとして、ご自身のオペラへのアプローチや、音楽業界の現状についてどのように感じていますか?

 私にとってオペラは、演じることが好きなので切り離せないものなんです。ただ、会計士さんから「収益に繋がっていないから趣味ですよね?」と言われることもあります(笑)。既存のオペラには納得いかない部分があるため、だからこそ自分なりの表現で挑戦しています。今回の舞台のアプローチは「オペラ界への挑戦」と位置付けており、従来の形式にとらわれず、自身の感性を活かした舞台を創ることで、若い世代にも新しいオペラの可能性を示したいと考えています。若い世代にもオペラを身近に感じてほしいという思いから、配信や学生向けの割引チケットを用意するなど、工夫しています。近年はライブに足を運ぶ人が減り、チケット販売も厳しくなっていると感じていますが、生の舞台が持つ本物のエネルギーを伝えていきたいです。ぜひ観に来ていただけたら嬉しいです。

――生の良さを体感してほしいですね。柴田さんは多忙な日々を送られているとのことですが、ご自身の時間はどのように確保していますか?

  マネージャーをつけずに自ら業務をこなしているので、深夜まで作業することもしばしばです。SNS活用なども含め、新しいプロモーション手法を学ぶ必要性を感じていますし、AIにも興味があります。大谷翔平選手も話していたように、本来は9時間から12時間は寝たいタイプなのですが、今はなかなか難しいですね。健康維持のためにも睡眠時間は重要なので、体調管理には気をつけつつ、無理のない範囲で活動していきたいです。

――最後に、柴田さんの歌声を通じて、聴く人に最も伝えたいことは何ですか?

 最も大切にしているのは「心が動く」ことです。心が動いた時は人とは解放され涙を流します。それを私はその先が感動と定義付けています。少し違った、誰かの心に触れ、停滞している心が動き出すような体験です。私の歌声が、聴く人の心の浄化や、新しい一歩を踏み出すきっかけになればと強く願っています。涙には2種類あります。玉ねぎを切った時などに出る熱を持たない涙と、感動して流れる熱い涙です。私の歌を通じて、聴く人の心に温かい涙が流れるような、そんな体験を届けられたら嬉しいです。

(おわり)

公演情報

『La Traviata〜Message from Violetta~』

American Theater Company Presents『
La Traviata ~ Message from Violetta~』
柴田智子・演出
改訂版 再演

会場:豊洲シビックセンターホール

2025年6月13日
開場:18時00分 
開演:18時30分

チケット:
プレミアムシート:11,000円(指定席・プレゼントあり)

一般:8,500円(自由席)

学生:4,000円(自由席)


【出演】


ヴィオレッタ:柴田智子(Sop.)

アルフレード:金山京介(Ten.)

ジェルモン/ヴェルディ:高田智士(Br.)

ロバート:下司愉宇起

オーケストラピアノ:追川礼章

(株)T.S.P.I.
※プレミアムチケットはTSPIのみ取扱い
Tel 03-3723-1723 /info@tspi.co.jp

■ イープラス ※自由席のみ取扱い
https://eplus.jp/

■ 二期会チケットセンター ※自由席のみ取扱い
[一般]二期会オペラ愛好会割引有(10%)
Tel 03-3796-1831
(平日10:00~18:00/土曜10:00~15:00/日・祝休業)
https://nikikai.jp/ticket/

■ 配信チケット:サロンダール(ライブ配信一般、学生のみ取扱い)

[配信料金]一般 3,500円 学生 2,000円※ライブ配信チケットをご購入頂きました方には後日1週間のYouTube動画をプレゼント

Tel 03-6873-2064 / liveconcert@salondart.art / https://salondart.art/lc-lending/shibata-15/

【主催・企画制作・プロデュース】 (株)T.S.P.I.柴田智子
【マネジメント・後援】 公益財団法人東京二期会

作品情報

柴田智子ニューアルバム「Songs of Japan」
2025年7月16日(水)リリース

■収録曲

1.上を向いて歩こう < Look at the Sky >
Lyrics 永六輔 -Rokusuke Ei - / Music 中村八大 -Hachidai Nakamura-
Arrange 岩城直也 -Naoya Iwaki-

2.いのちの歌 < Living Grace >
Lyrics Miyabi / Music 村松崇継 -Takatsugu Muramatsu-
Arrange 森田花央里 -Kaori Morita-

3.あすへの言葉 < Words for Tomorrow >
Lyrics 柴田智子 -Tomoko Shibata- / Music 追川礼章 -Ayatoshi Oikawa-

4.手紙 ~愛するあなたへ~ < My precious letter >
Lyrics&Music 藤田麻衣子 -Maiko Fujita-
Arrange 岩城直也 -Naoya Iwaki-

5.カレリアの丘 < Hills of Karelia >
Japanese Lyrics 柴田智子 -Tomoko Shibata-
Arrange 追川礼章 -Ayatoshi Oikawa-

6.星めぐりの歌 < A ballade of the stars journey >
Lyrics&Music 宮沢賢治 -Kenji Miyazawa-
Arrange 追川礼章 -Ayatoshi Oikawa-

7.Candle Moon ~月の灯~
Lyrics 柴田智子 -Tomoko Shibata- / Music 追川礼章 -Ayatoshi Oikawa-

8.サイレントソング < Silent Song >
Lyrics 柴田智子 -Tomoko Shibata-
Music 柴田智子 -Tomoko Shibata-, 小田朋美 -Tomomi Oda-

9.逝かないで < Leave Me Not >
Lyrics 柴田智子 -Tomoko Shibata- / Music 追川礼章 -Ayatoshi Oikawa-

【プロフィール】

▽柴田智子 Soprano Vocal, Lyricist, Composer

柴田智子

 今を生きる喜びとして心に響く歌を、世界に発信するソプラノ。アメリカ音楽のスペシャリスト。現在は日本語の歌にも力を入れ、今回のリリースに至る。 武蔵野音楽大学を卒業後、ジュリアード音楽院に学び、リンカーンセンター、カーネギーホール、サントリーホール、新国立劇場等にてオペラに出演。国内外でミュージカル「王様と私」等にも主要キャストとして出演。NY.TIMESから何度となく高い評価を得る。

 クロノスカルテット等と現代音楽の初演を数多く手がけイタリアへ留学、バーンスタインの音楽を普及する。新日本フィル、読売交響楽団、東京交響楽団、アカデミー管弦楽団等とも共演。EMI 専属歌手として3枚のCDをリリース、バーンスタインの曲を収録した「マンハッタンドリーム」は著名なエンジニア・プロデューサーのジョン・マックルーア氏と共同プロデュースが話題を呼ぶ。特にアリアになったビートルズ「Letit be」は史上初の女性カバーアルバムとして世界的な反響を呼び、2021年にユニバーサルミュージックより両CDが再発売された。

 NHK/日本テレビ/テレビ東京、ラジオでは東京 FM/J-WAVE/FM NACK5 で 5 年間番組を持つ等、総合的なアーティスト活動を繰り広げる。2024 年 5 月には、同ホールにて自身プロデュース・演出を手掛けた、「Message from Violetta ~La Traviata~」で主演。6 月に再演予定。東京オペラプロデュース「ビバ・ラ・マンマ」プリマドンナ役(新国立劇場)、二期会主催「メリーウィドー」や「天国と地獄」ジュノー役(日生劇場)等にも出演。昭和音楽大学・桜美林大学講師。東京二期会会員。

▽追川礼章 Piano, Compose, Arranger

追川礼章

1994 年生まれ。埼玉県立浦和高等学校卒業後、東京藝術大学楽理科を経て同大学大学院ソルフェージュ科を修了。
室内楽ではこれまでに元ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団コンサートマスター、ローレンツ・ナストゥリカ氏、NHK 交響楽団のメンバーらと共演
を重ねる。 テレビ朝日《題名のない音楽会》を始めとする多くの TV 番組にピアニストとして出演する他、これまで作編曲&ピアノで参加した CD の
多くがメジャーレーベルから発売されている。2022 年には 2 月~3 月の NHK ラジオ深夜便の歌として自身が作曲、小椋佳が作詞した林部智史「花に
約束」が選ばれる。2024 年 7 月には浜離宮朝日ホールでソロリサイタルを開催し大盛況の内に幕を閉じる。

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