秋元プロデュースのもとで船出
――セカンドシーズンでは、豪華プロデューサー陣とそれぞれのユニットがタッグを組みました。そのプロデューサーはカードを引いて決めましたが、松本さんが引いたカードは秋元さんでした。カードを引いた時の心境は。
松本ももな どのプロデューサーさんも豪華で素敵な人達です。ただ私は秋元さんプロデュースのアイドルに憧れていたから、心のなかでは秋元さんを願ってました。最後の2枚はつんく♂と秋元さんで、どっちも素敵なプロデューサーさんだからどっちになっても良いという気持ちもあって。でもつんく♂さんはLove Cocchiになって。最後に秋元さんのカードを引いて。そのカードを見た時に本当に嬉しくって。心の底から良かったと思って。あの時私は左を引いたんですよ。いつもなら右利きなので右を引くのに。右の方を引いちゃいそうになったんですけど、左を引いて。
――その後、秋元さんプロデュースのもとで対戦が進んでいきます。周りのユニットが振付や衣装を変えてきているなかで、自分たちも変えたいと秋元さんに直訴するわけですが、秋元さんは「継続は力なり。そのまままで行きなさい」と言っていました。さらに「チャンスは1ミリ先にある。だから手を伸ばし続けなさい」とも。
小澤愛実 「1ミリ先にある」という言葉を頂いた時にもっと頑張ったら手が届くかもしれないと思えて、秋元先生に言われたらやっぱり背中を押される気がして頑張れる気がするので、実際に会って言葉をかけてもらって「変えなくていい」と言われた時は安心して今のパフォーマンスをもっと練習してレベルを上げようと思いました。
長月翠 私は別の仕事でお会いしていないんです。でもその後にVTRを見て「1ミリ先にある」というのは本当だなって今思えて、1ミリ頑張って、まあ私たちは1ミリというものでは足らないかもしれないけど、例えとして1ミリ頑張ったから表題曲が取れたんじゃないかなって思えました。
――長月さんはラストアイドルだけでも色んな経験をされているので、よりこの言葉が刺さるようにも思えますが。
長月翠 頑張れば何でも成果はついてくると実感しています。
小澤愛実 無駄なことはない。
長月翠 そう、無駄はない。
小澤愛実 そのときは辛くてもがむしゃらに地道にダンスレッスンをしていればつかめる。初めは全然出来なくても「出来ない出来ない」と言って考え込まないで、やっぱり頑張ってみんなで協力して「表題曲を歌おうね」ってみんなで頑張ってきて今こうしてそれが手に入って。やっぱり無駄なことはなかったなと感じます。
――ところで今回の曲は歌うのは凄く難しくて番組内でも苦戦している様子が流れていました。最初の印象はどうでしたか?
長月翠 最初に聴いた時は難しいとは感じてなくて。
小澤愛実 初めは単純に凄い良い歌だねって。歌い出しがそこまで難しいとは思わなかった。でもレコーディングになった瞬間「うわ、むず!」って。「これどうやって歌うの?」って思いました。
長月翠 レコーディングを2日間取って頂いて、1日目はレコーディングのブースを使って教えてもらいながら練習するという感じで。2日間もレコーディングを取るのってありえない話で、しかも1日目は練習にあてるってそんなに難しいの? って思ってそこで初めて気づきました。
――それまでにそれぞれで練習はしてるんですよね?
長月翠 そうですね。前の日もやりましたけど、実は歌詞が変わったりもしたので。
小澤愛実 最後の収録の直前まで変わったり。
長月翠 ミュージックビデオの撮影の後にレコーディングをし直したり、すごいこだわって頂いた。
小澤愛実 その分嬉しいよね。こだわって頂いたことが。
――2月の放送でボイトレで7時間練習したというのも流れていました。
小澤愛実 ボイストレーニングをやったことがなかったので、初めは結構、体を動かしたりとかして、恥とかもあったけど、恥とかも捨てて頑張らないと追いつけなくて。初めの語り調、ラップの所があるんですけど、このラップだけで上がり下がりがあって難しいのに、それに加えて低音が難しくて。基礎から叩き込んでもらいました。
松本ももな ボイストレーニングが初めてで、私は滑舌が悪くてそこを練習したり、発声練習をして。発声練習とかもできなかったところもあったりして辛い部分もあって。歌が上手になるのはこんなにも難しいんだなって。まずはちゃんと音程を取れるようにするところを頑張りました。
――対戦していくにつれて曲と一緒に自分たちも成長していると思いますが、どこが一番成長できた?
長月翠 くしゃみですね。くしゃみが威力的になった(笑)
小澤愛実 初めは恥ずかしくて皆ためらっていたけど。「くしゅん」というくしゃみが初めは台本みたいな感じだったんですけど、最後の方はめっちゃ恥を捨ててできたかなって。
長月翠 「はくしゅーーん」ってね。恥を捨てられたことが勝因だったと思う。
小澤愛実 (松本)ももなちゃんも凄い低音が上手になったし、自分も頑張ろうと思いました。
――恥を捨てられたからこそ何かが得られた?
長月翠 Good Tearsの戦いの前に自分達でくしゃみの練習をしたんです。その時はGood Tearsに負けちゃったんですけど、周りが凄く褒めてくれて。試合には負けたけど、結果的に褒めてもらったことで、これで良いんだとやっと分かって。そのきっかけがくしゃみだった。ダンスも変わったような気もするし、ちょっと明るくなったような。くしゃみもお陰で。
――ダンスの動きにも影響が?
長月翠 ちょっとウキウキするような。
小澤愛実 表情とかが今まで結構、暗くて気持ちも届かなかったりしたんですけど、くしゃみを大事にしていたら表情もみんな変わってきました。振付が、私たちはおもちゃというテーマなんですけど、今までは暗い顔だったのが、くしゃみをやってから明るい感じのおもちゃになってきて。明るいパフォーマンスに変われたかなって。
――Love Cocchiと戦った時にある審査員が「両方ともアイドル感が出ていて良い。でもLove Cocchiの方が表現者として優れていた」と評価していたんですけど、それについてどう思った?
長月翠 それはごもっともというか。
小澤愛実 表現力がただただ足りないなって。
長月翠 でもアイドル力では負けていないと思いました。自分たちにしか出来ないことが出来ているし、歌も歌えているから。自分たちが勝てるのは長い目でみるとアイドルという線だからそこを伸ばしていこうと思いました。
――その時はそう思ったけど、くしゃみによって表現力が付いたということですよね。
長月翠 その部分だけはあえてアイドルを捨てようと。そうしたら歌っている時のアイドルらしさがより際立つと思うし。
――ということは表現者としてのメリハリができるようになったということ?
長月翠 そうですね。
小澤愛実 先生とかには女優になったつもりでパフォーマンスをしてくださいと言われていて、自分がカメラに抜かれていないときも、歌っていないときも皆さんに少しでも目を引いてもらえるように、その時のその歌詞の場面を思い浮かべて今はこういう場面だからというのを少しでも考えるようにして、表情とかも無にならないように結構研究していました。
――それは3人で話し合った?
長月翠 振付の先生が、振付を作る時にまず世界観を決めてくれるんですよ。私たちの場合はおもちゃ箱から飛び出してどんどん動き出す設定で。なのでその世界観が分かりやすかったんです。でも最初は歌うことも踊ることも必死だったので…今はちょっとずつできていると思います。
――そうやって考えるとこの期間は凄く成長していますね。
松本ももな 自然と見てくれる方に気持ちを込めて歌えるようになりました。
小澤愛実 前は意識的にやらないと気持ちはこもらなかったけど。
――「君のAchoo!」でお気に入りの歌詞は?
小澤愛実 <君だけは汚れないでね>という歌詞があるんでけど、ファンの方に、これから活動していっても今のままで汚れずにいてねと言われて、シューロケに宛てた歌詞なのかなって思えました。ファンの方にもシューロケに宛てた歌じゃないのと言われたりするんです。「あ、そうなのかも」と思ったり。間違ってたら恥ずかしいけどそういう捉え方もあるんだなって。
長月翠 現実と理想の間の歌詞が心地良いですね。
松本ももな 私は<可愛すぎてハッとしたよ>ですかね。