RYUCHELL、なぜ歌手活動を始めたのか 動機となった生い立ち
INTERVIEW

RYUCHELL、なぜ歌手活動を始めたのか 動機となった生い立ち


記者:木村武雄

撮影:RYUCHELL

掲載:18年04月15日

読了時間:約10分

原宿、テレビが認めてくれた

 原宿は僕と同じような悩みを持った子とか、地元で全く個性を表現できずにいた似た者同士が集まってきて、そこで居場所ができて。やっぱり自分を偽らず表現できたからこそ本当の友達ができて、運命の人とも出会えて結婚もできて、テレビというお仕事に繋がって。本当に自分を偽っていたら何も始まらないなというのは原宿に来て改めて思ったし、原宿という街が自分の感性をより確かなものにしてくれたというか。信じてきて良かったという思いになれたのは原宿に来てからです。

RYUCHELL

インタビューに応じるRYUCHELL(撮影=片山 拓)

 それでテレビに出るようになって、「竹下通りで声をかけられるくらいの読者モデルになれました」といっても、家族からしたらあまりピンとこないというか。でも、原宿から外に一歩出ると、また、からかわれるわけで。結局、高校の頃という感じで…怖くて。だから「東京に上京した」というよりも「原宿に上京した」という感覚が凄く強かったんです。そうしたこともあってテレビに出ることも怖かったんです。原宿に上京した僕がテレビに。テレビなんて家族も観ているし、地元の子達も見ているし、全国の人が観ているということがあるから原宿の外、しかも日本全国で見られるという怖さが…。一番最初の露出が『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)という全国区の番組だったので、よりそう思ったんです。

 でも、自分を偽るのと偽らないのと、どっちが楽しいかというのは、原宿のおかげで答えが明確に出ていたので、そういう部分では怖かったけど「表現しよう」と決めて収録に挑んだら、みんなが本当に個性を楽しくキャッチしてくれて、それをもっと広げてくれて。「個性が活かせる仕事ってこんなに身近にあったんだ」と。こんなお仕事があるんだと思って。

RYUCHELL

RYUCHELL(撮影=片山 拓)

 最初は思いで作りだったけど、それから本当にお仕事になっていって、バラエティ番組にりゅうちぇるとして出てみんなに知ってもらえたという感覚が得られた時にはすでに、学生時代の悩みとかは忘れていました。りゅうちぇるという存在を認めてくれたんです。

 討論番組に出たあたりから自分で詞を書くようになって、歌をやりたいというお話をして、1年くらい前から歌の話が動き出しました。音楽だと、MV(ミュージックビデオ)やファッション、メイクでも自分を表現ができる。バラエティよりも、3、4分の曲の中に自分の経験から得たメッセージと自分の好きな世界観を凝縮することができるということに魅力を感じて。

 学生時代に悩んでいたときに「前を向こう」と思えたのが、ミュージカルドラマの『GREE』で、歌って凄いパワーがあるなと。その歌詞だけを言葉で聞かされても心は動かなかった。「じゃあ僕が今からするべきことって歌かも」って思って1年前からそう決めて、それからボイトレ、ダンスレッスン、色んな人と打合せをして、よりデビュー曲にふさわしい曲を作り上げさせてもらいました。それがアーティストデビューに向けての流れです。

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