成長と葛藤の１年、22／7　養った追求心と表現者としての心構え

「シャンプーの匂いがした」などへの想い

――さて、「シャンプーの匂いがした」への思いと、自身に重なる点は？

宮瀬玲奈　この曲を初めて聴いたときは「カワイイし綺麗」という印象でした。1stシングルに入っている３曲は、またテイストの違った曲で、今回こんなにカワイイらしい歌を頂けてびっくりしました。イントロからオルゴール調で、懐かしい感情が湧く始まり方で、きらびやかな曲調なんですけど歌詞はちょっぴり切なくて。ヘコんでいる方の切なさではなく、ちゃんと前を向いて切ないというギャップというか、色んな感情が混ざっている楽曲で、凄く好きな曲です。

　歌いだしをやらせて頂いているんですけど、この曲の第一声が自分の声だから雰囲気を大事に持とうと思って、「シャンプーの匂いがした」を自分なりにストーリーを解釈してレコーディングに臨んだ次第でございます。

西條和

――あの公演でのMCでは「歌詞を深く理解しようとした」と話していました。

宮瀬玲奈　歌うときの気持ちは大事だと思うので、そこはこれからも続けていきたいと思います。

――西條さんの曲を頂いたときの印象は？

西條和　歌詞は切なくみえるんですけど、切なくて苦しくて、というよりは切なさという感情を持てている喜びというか、そういう前向きな気持ちを持っている曲だと思います。サビの部分の＜シャンプーの匂いがした＞という箇所が何回かでてくるんですけど、そこに曲のテンポと合わさって憧れている先輩の優しさとか凛々しさがその一文に表れているなと思って、その部分が好きだなって思いました。

――海乃さんはいかがですか？

海乃るり　初めて聴いたときに、曲は爽やかで歌詞が切ないので表現方法が難しそうだなと思いました。歌詞が切ないから悲しげに歌ってしまいそうだけど、今まで見てきたアイドルさんはこういう曲調を笑顔で歌われているから、爽やかに歌えるかなというのが不安でした。顔が険しいと言われることが多いので（笑）。

――印象に残っているフレーズは？

海乃るり　＜ぎゅっともう一度抱きしめられて ずっと気づいてたと言われた＞という箇所は、メンバー一同好きで、よく考察するんですけど、一回抱きしめられた上でもう一回抱きしめられてるので、「ずっと気づいてた」って、どの段階で気づいていたんだろうね？　みたいな。物語の鍵みたいなところで、ここでまた考察ができるので凄く好きです。

――歌い方も変わってくる？

海乃るり　儚く切なく歌っています。

――花川さんはどうですか？

花川芽衣　歌詞が切なく聴こえるんですけど、その中に自分の強い思いが込められていると感じました。爽やかで春らしい曲なので、表現するのが繊細だと思いました。＜他人(ひと)に知られたくない恋だった＞というサビの部分とか、＜他人(ひと)に言えないくらい好きだった＞という部分は、私も内に秘めたままでいるタイプなので、自分に近い気持ちだと思って。気持ちとしては入りやすい曲だと思いました。

――「人格崩壊」は「地下鉄抵抗主義」を踏襲するようにロック調の楽曲ですが、この曲に対する思いは？

花川芽衣　本当に凄く愛していたんだなというのが伝わって、自分の気持ちを素直に表に出せない主人公という点では、私と共通しているなと思いました。メッセージ性の強い曲だと思いました。私自身こういう体験をしたことはないんですけど、どこか自分と繋がるところがあって、表現するのも何故か凄く楽しいと思う曲でした。

海乃るり　22／7の楽曲の中で初めて語りが入っていて、それにまず衝撃を受けました。歌詞だけでも「愛していたんだな」というのが伝わるんですけど、語りが入ることによって命を懸けるくらい好きだということがわかるので、こんなに人を愛せることって幸せなことだなと思いました。

西條和　私は個人的にこの曲は、自分が愛していると言えないというよりは、言わないように自分で何かと理由をつけて自分で自分を押し込めている曲なのかなと思っていて、本当は感情のまま突っ走りたいけど、傷付いたりとか壊れてしまうのが怖くて、理由を付けて押さえつけている曲なのかなと思っています。

宮瀬玲奈　「人格崩壊」というタイトルを聞いたときはびっくりして、どんな曲なんだろうと興味を持ちました。この曲はある種の防衛反応を表しているのかなと思っています。保健の授業で、人は満足して生きている人は誰もいないと聞いたんです。人によって防衛反応があって、例えば人を傷付けて防衛する人もいれば、落ち込んで防衛する人もいると、それらは７通りくらいあると習ったんです。

　人間の見せたくない部分というか、「自分を守るために」という部分を表した曲だと思っています。愛とか、大人っぽい歌詞ではあるんですけど、逆に一番人間らしいというか、弱さも凄く出ている曲だと思います。