それぞれの個性
――なんだか哲学的な印象なのですね。
宮瀬玲奈 哲学が大好きで。哲学者の名言とかを手帳にメモっているタイプです。何で手は動くんだろうかとか、何で生きているんだろうかとか、考えるタイプなんです。考えても結論が出ないことを考えちゃう癖があるんです。「人格崩壊」についても考えるのが凄く楽しかったです。
――凄いですね。「~とは?」ということを考えるんですね。
宮瀬玲奈 生きている意味とか。何でこの身体にこの命が入って、とか…。一度闇に落ちるとどんどんそっちにいっちゃうというか。
――他のメンバーの方は宮瀬さんのようにけっこう追求する方でしょうか?
海乃るり 考えることはあるんですけど、私は寝たら忘れるのでそんなに(笑)。
――悩むと寝てしまうタイプ?
海乃るり 寝る時間が多いときはだいたい悩んでいます。
西條和 私もわりと考えますね。考えだすと変な方向に行ってしまって、お風呂の中で、一人で考えていると気を失いかけるというか(笑)。ここがどこだかわからなくなったりするんです。
――考え過ぎて脳の糖分が減り過ぎたのかもしれないですね(笑)。花川さんはどうでしょうか?
花川芽衣 私も何でも考え過ぎちゃって、一度考えだすとまわりが何も見えなくなっちゃって、自分の殻に閉じ篭っちゃって一人で泣いたりするくらいです。
――かつての文豪は、作品や今起きている事柄の背景や理由をとことん追求していたようなので、その追及心というかとことん考える姿勢は良いと思います。
朗読劇で得たもの、表現者として
――さて、朗読女王決定戦を振り返り、朗読をやって得たものは? 花川さんは女王の座に輝きました。
花川芽衣 朗読女王決定戦をやるという話を聞いたときに、私の中で朗読は、人それぞれの表現の仕方があるし、良さがあるから勝ち負けは付けられないと思っていました。だから「勝負をするってどうなんだろう?」と考えていたんですけど、やるしかなかったので、とりあえず自分が今思っている自分の良さというのを自分の中でちゃんと導き出して、聞いてくださる方に伝わるように頑張ろうと思ったら、決勝戦まで進むことができました。最終的に朗読女王になることができたので、自分がそうやって考えていたことが間違えではなかったんだなと気付いて、それは自分の自信に繋がりました。
――体を使って表現していたということもあって、入り込んでいたという印象でした。
花川芽衣 マイクの前に立つまで凄く緊張して、絶対読めないと思っていたんですけど、開いて作品名を読んだ瞬間に、何故かわからないんですけど緊張感が一気になくなって、気付いたらもう読み終わっていたんです。「その作品の中に居たのかな」と思いました。
――海乃さんが朗読を通じて得たものは?
海乃るり 初期の頃に朗読劇というのをやらせて頂いていて、そこで監督さんから自分がどこに立ってどういう距離感で喋っているかというのをホワイトボードに書いたりして徹底的にやったんです。そこから「物語は場面を考えてやるものなんだ」ということを知って、歌とかにも「この子はどういう気持ちでやっているのか」というのをちゃんと決めてやらなくちゃ歌えないということを学べました。ダンスや色んなことに繋げられているなと思います。
――アイドルの表情研究が趣味でもありますが、表情や行動をつかさどる心の持ちようを学べたのは大きいですね。西條さんはどうでしょうか?
西條和 朗読は最初から苦手意識が強かったです。朗読劇のときは指導をして下さる方がいて、それに近づけるために頑張るという感じだったんですけど、朗読女王決定戦では誰にも相談せずに一回戦から決勝まで、自分が思った演技プランを最後まで貫き通すということしました。毎回勝ち負けは出たんですけど、どっちが勝ったにしろ「読み方が好きだった」と言ってくださる人もいたので、自分のペースで自分の思う演技ができるようになったというのは、私としては良かったと思います。
――凄く緊張されてましたね。
西條和 全身震えていました。客席が一切見れなくて。
――西條さんにとってはその緊張している姿もある種の魅力になっているようにも感じます。宮瀬さんはいかがでしたか?
宮瀬玲奈 私も苦手意識が強かったです。自分の声が好きではないし、自信もなくて。それで物語を読んで誰が楽しいんだろうという気持ちが凄くありました。「自分が読む意味って何だろう?」という葛藤があった時期があって。でも、まだ顔も披露していないのに朗読劇に来てくださる人がいたりとか、それで「応援しているよ」と足を運んでくれる方がいると思ったら、向き合わなくちゃ、逃げちゃ駄目だ、と思いました。
もっともっと追求しようと思ってやってきて、今は朗読が上手くなりたいという意識が強くなりました。声を出すというのは朗読だからできることだと思うし、それが今後アニメなどに繋がっていって、ひとつのスキルというか、そういう意味で朗読は大事に今後もやっていきたいと思います。
彼女たちの魅力、様々な角度で表現
――曲があって、MVとバーチャルとライブがあって、それらをどういう形でファンに楽しんでもらいたいですか?
海乃るり すでにブログでもやらせて頂いたんですけど、この曲は色んな考察ができると思います。MVを観ても「何でここでは雪が上がって、2番では下がっているんだろう」とか、私自身が考察するのが好きで、凄く考察のしがいがある曲だと思っているので、みなさんには是非、歌詞を楽しんで頂くとともに、どういう意味でこうなっているんだろうと考察して頂きたいです。
花川芽衣 MVを観て頂くことで、キャラクター達の良さが伝わると思います。CDの方を聴いて頂くことで、私達11人の魅力も伝わると思うので、CDとMVと両方観て聴いて楽しんで頂きたいです。
(おわり)