5人組アイドルグループの妄想キャリブレーションが14日に、メジャー1stアルバム『妄想道中膝栗氣 〜moso traveling〜』をリリース。2013年に結成、2016年にシングル「ちちんぷいぷい♪」でメジャーデビュー。現在は胡桃沢まひる、桜野羽咲、星野にぁ、雨宮伊織、水城夢子の5人で活動している。昨年はアニメ『冴えない彼女の育てかた♭』のエンディング曲「桜色ダイアリー」が話題を集めた。今作は、メジャーデビュー以降のシングル曲の他、多数の新曲を収録。その新曲は現在開催中の全国ツアー『妄想キャリブレーション47都道府県ツアー〜大声出そうぜ。MOSO MAX〜』でもいくつか披露されている。旅をテーマにした作品で日本全国、そして海外でもツアーをおこなっている彼女たちの経験や想いが詰まっているという。レコーティングや作家とのやり取りについてのエピソード、これからのグループとしての“旅路”について聞いた。【取材・撮影=榑林史章】
日本人で旅と言えば…ですよね?
――約2年ぶり、通算3枚目となるアルバムですが、どんな作品になっていますか?
胡桃沢まひる 誰が聴いても、どれか1曲は好きな曲が見つかると思います。
雨宮伊織 一言で表すのは難しいんですけど、1曲1曲にこだわりを持って作ったり歌ったりしたので、どの曲のことも全員がいっぱい語れるくらいのものになりました。メジャーデビュー以降のシングルもすべて入っているし、新曲もたくさんあるし。
星野にぁ 前回リリースしたのが「桜色ダイアリー」なので、リリース日で言うと9カ月ぶりのCD発売なんですけど、その間にはすごくいろいろな経験をしました。海外ツアーをやったり47都道府県ツアーを回り始めたり、いろいろな経験をして蓄えてきたパワーを、5人とスタッフさんで1枚にドカンッ! と詰め込んだアルバムになっています。曲もそうですけど、初回盤の特典DVDは、ライブの映像や海外ツアーのドキュメント映像など、たっぷり収録しています。
水城夢子 1曲1曲に思い入れがあるし、そういう曲をこんなにもたくさん歌えたことは本当に幸せなことなので、早くたくさんの人に聴いてほしいです。ライブで披露していない新曲もたくさんありますから。それについても、新しくフリ入れをしてライブをイメージすることで、自分たちの中で曲に対する印象も変わると思うし。これから育てていきたい曲ばかりです!
桜野羽咲 どんな曲を入れたいか、どんな作品にしたいか、いちからスタッフとメンバーで話し合って決めて作りました。スタッフさんもメンバーと同じ熱量で考えてくださって、メンバーだけじゃなくスタッフさんと一つのチームとして、一丸となって制作することができました。
47都道府県とか海外ツアーを回って、回ったからこそできる今の自分たちの最大限のことを、詰め込むことができたと思います。誰かにやらされているものはひとつもなく、すべて自分たちがやりたいことだけをやらせてもらっています。そう言うとワガママに聞こえるけど。やりたいことをやる意味を一緒に考えてくれるスタッフがいる、この環境にいれることが、改めて幸せだなと思った制作でした。
――47都道府県ツアーにも掛け、旅がテーマのアルバムとのこと。タイトルも十返舎一九の『東海道中膝栗毛』に掛かっていますね。
桜野羽咲 伊織が考えたんです。
雨宮伊織 日本人で旅と言えば…ですよね?
――ですね。
雨宮伊織 そう思って、妄想キャリブレーションと旅を、“アウッ”って(「PPAP」の振り付け)できないかと思って(笑)。最初は、一人10個くらい考えたのですが、英語が多くて。
星野にぁ TravelingとかTripとか。
雨宮伊織 海外でもライブをやっているので、それも海外のファンにもわかりやすくていいと言うことで。結果、私が考えた『妄想道中膝栗氣』と『moso traveling』を合わせてこういうタイトルになりました。
――「毛」じゃなく「氣」なのもこだわって?
雨宮伊織 はい。私たちは、ライブで氣志團さんの「One Night Carnival」をカバーさせていただいたことがあったので、氣志團さんへのリスペクトを“氣”に込めさせていただきました!
星野にぁ 違う違う!
桜野羽咲 氣志團さんをカバーしたことと、リスペクトしているのは本当ですけど。
胡桃沢まひる アイドルの作品として、タイトルに“毛”が付くのはどうなのか? と。うちらは“毛”でも大丈夫だったんですけど、結果的に私たちらしさが出て“氣”にして良かったです。
――まずアルバムの1曲目を飾るのは、「旅は君連れ世は情け」。みなさんの作詞ですけど、この言葉をよく知っていましたね。
水城夢子 これは全員知ってたよね。
胡桃沢まひる 『東海道中膝栗毛』は、5人中3人が知らなかったですけど。
星野にぁ バラさなくてもよくない? 自分が知ってたからって。
胡桃沢まひる それは自分が知らなかったと言ってるようなものだよ。
星野にぁ はっ!
桜野羽咲 歌詞は、ツアーのことを振り返りながら、みんなで言葉を出していって。
胡桃沢まひる 中国のbilibili動画の新番組「窮豪旅遊記」の主題歌になっています。その番組は、豪華旅と貧乏旅を選んで日本を旅する番組で、それとツアーの内容を重ねて歌詞には天国と地獄が出てきたりします。
――それぞれどの辺りを書いているんですか?
桜野羽咲 私は、<山あり谷あり毎度あり>ですね。韻を踏んでみたくて(笑)。「どんなに苦しくても、そういう時には笑えばいいんだよ!」というメッセージを込めています。
胡桃沢まひる <あいうぉんちゅー□>は、<無我夢中><妄想中>と韻がかかってて。最初に案を出した時は、みんな「ん?」という感じでしたけど、結果的に<あいうぉんちゅー□>を受け入れてもらえて、まひるは満足です!
(*編注:□の部分は実際にはハートマーク)