妄想キャリブレーション「やりたいことは全部やった」それぞれの未来へ
INTERVIEW

妄想キャリブレーション「やりたいことは全部やった」それぞれの未来へ


記者:榑林史章

撮影:

掲載:19年02月12日

読了時間:約13分

 2月23日のライブをもって活動を終了する5人組アイドルグループの妄想キャリブレーションが、2月13日にラストシングル「爆アゲ↑バンザイ!!」をリリース。2013年に結成、2016年にシングル「ちちんぷいぷい♪」でメジャーデビュー。5年の活動で、アイドルシーンに独自のポジションを確立。昨年10月に活動終了が報告された。今作「爆アゲ↑バンザイ!!」は、最後は明るく笑って終わりたいという、前向きな妄キャリらしさが溢れた1枚。カップリングにはメンバーが作詞、雨宮伊織が作曲した「帰り道」を収録し、ここには5人からファンへの最後のメッセージが込められている。今作における彼女たちの気持ちと、気になる活動終了後の5人の動向について話を聞いた。【取材・撮影=榑林史章】

空気を読めないバカ明るさが妄キャリらしい

――ラストシングル「爆アゲ↑バンザイ!!」をリリースするお気持ちは?

胡桃沢まひる まだラストという実感が沸かないので、この曲を歌っているときも「いい曲だな〜」とは思うけど、「ラストだから悲しいな〜」みたいなことはあまりなくて…。

胡桃沢まひる

――ラストライブで、きっと実感が沸くんでしょうね。

桜野羽咲 そうなんですかね〜。体験したことがないことなので、どんな感情になるのかまったく想像がつかないです。

桜野羽咲

――でもレコーディングでは、感傷に浸って泣いてしまったり?

胡桃沢まひる 「爆アゲ↑」よりも、カップリングの「帰り道」のほうがそうでした。「帰り道」は2月23日のラストライブの帰り道をイメージして、メンバー全員で作詞したんです。サビの<帰り道 今日だけはひとりでよかったな>以降の歌詞を歌った瞬間から、涙が止まらなくなりました。

――実際泣けますよね。

雨宮伊織 本当に?

雨宮伊織

――本当ですよ。寂しさを堪えて前を向いている、健気さが感じられると思って。

雨宮伊織 でも、そう感じてもらえて嬉しいです。「爆アゲ↑」に関しては、楽しい気持ちで歌うことを意識したし、ライブでもそういう気持ちでみんなの前に立つように心がけているし。カップリングの「帰り道」は私が作曲したんですけど、ライブのどこで歌いたいかというところまで想像して作曲したんです。

――どちらの曲も、“笑顔でお別れする”というのがテーマとしてありますね。

桜野羽咲 そうですね。それが妄キャリらしいんじゃないかと思って、みんなで話し合ってそう決めました。みんなの中には、全力のライブを楽しんでいる妄キャリのイメージがあると思うので、最後までそのイメージのまま思い出にしてもらえたらなって。

星野にぁ 1曲1曲もいいんですけど、2曲セットで聴くとさらにいいなって思います。両曲とも意識したのは、私たちの活動が終了したときに、この2曲がみんなにとっての応援歌になったらいいなということです。「爆アゲ↑」は、将来はどんなことがあるか分からないけど、生きていればきっといいことがあるから、みんなで頑張ろうぜ! と歌っています。「帰り道」は、その背中を押せる曲になったんじゃないかなって思います。

星野にぁ

――どちらの曲にも、さよならとかバイバイとか、別れの言葉が出てこないのがいいですね。

胡桃沢まひる そうなんですよね。それに「帰り道」には、<僕らの夢と僕だけの夢が 同じぶんだけ輝くように>という歌詞が出てくるんですけど、私はそこがすごく好きなんです。<僕らの夢>というのは妄キャリとみんなの夢で、<僕だけの夢>は一人ひとりになったときの夢のこと。その両方が同じくらい輝いたらいいなという、願いを込めています。

――「爆アゲ↑」には、“にぁラップ”もありますね。

星野にぁ MVでもソロカットをいただいて、秋葉原で撮影して、よく観ると後ろを総武線が走るんです。アキバは私たちの原点でもあるし、そのアキバでラップするというギャップも面白いかなって。いろんなラッパーの方の動画を観て、動きも研究したんですけど、ああいうカッコ良さは出せていたのかな?(笑)。

――夢子さんは、ラストシングルで思うことは?

水城夢子 やっぱり笑顔でいたいし、最後までファンの人に幸せな気持ちでいてほしいし。活動終了は悲しいことではなく、次に進むためのポジティブなことだと私たちは捉えているので、ファンのみなさんも同じように感じてくださったらいいなと思っています。

水城夢子

――「爆アゲ↑」は、最初は悲しい曲なのかな? と思うイントロですけど、結局お祭り騒ぎになるのが妄キャリだなって思います。

水城夢子 最後の最後まで、空気を読めない感じでバカ明るい曲じゃないですか。その感じが、妄キャリっぽいんですよね。

――羽咲さんは?

桜野羽咲 ラストシングルを出させていただけて、ラストツアーもやらせていただけて。最後まで自分たちのやりたいように、一緒に作ってくださるスタッフさんやファンのみなさんの存在が、とてもありがたいです。

 すでにラストツアーが始まっていて、レコーディングしているときとライブでパフォーマンスしているときでは、楽曲の印象も変わっていて。レコーディングしたときは、「爆アゲ↑」は「こんなにバカ明るい曲は妄キャリらしいな〜あははは」って感じでしたけど、ライブでパフォーマンスしていると、「何? この歌詞、エモいっ!」って思いながら歌っていて。テンションがぶち上がりますけど、その中にもメッセージ性が感じられます。

――「爆アゲ↑」の作詞はヒゲドライバーさん、作曲はヒゲドライバーさんとDJ'TEKINA//SOMETHINGさん。

桜野羽咲 これはコンペで曲をたくさん集めた中から、選んだ曲なんです。

胡桃沢まひる ヒゲドライバーさんは、メジャーデビューから私たちのことを観てくださって、47都道府県ツアーとかいろんな転機を知ってくださっているからこそ、何も説明せずともこういう歌詞が出てきたんじゃないかって思います。

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